「のほう」の敬語表現・のほうの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年08月29日
私のほうから連絡します
ずっと別の人物と連絡を取っていた相手に、次は自分が連絡する、と伝えるような場合は「私のほうから連絡します」という敬語表現を使います。
ずっと自分と連絡をとっていた相手に、次はAが連絡する、と伝える場面では「Aのほうから連絡します」あるいは「Aのほうからご連絡いたします」という敬語表現を使います。
のほうへお願いします
「のほう」は、「ぼんやりとそちらの方角へ」というようなニュアンスで使う場合もあります。
タクシーに、家の前まで送ってもらう予定だがひとまずは最寄り駅の方向へ向かって欲しい、と伝えるような場面では「とりあえず駅のほうへお願いします」などの伝え方をします。
最終的にはそこから別の出口へ向かってもらう予定だが、まずは案内しやすいように中央改札に近づいて欲しい、というような場面でも「中央改札のほうへ向かってください」などの伝え方をします。
「のほう」の間違いの敬語表現の例
「のほう」は、「いくつかあるものの中から、これを」というニュアンスがある言葉です。
例えば「私のほうからご連絡する」は「私からご連絡する」に比べて「今まで別の人が連絡していたがその人ではなく、次は私が」を強調した表現になっています。連絡する可能性がある相手が自分しかいない状態で「私のほうからご連絡する」と伝えるのは不自然です。
このように、何を強調したのか分からないような場面で「のほう」を使うのは間違いだとされています。
お飲み物のほうはいかがなさいますか
聞いている側は「食事はもう承ったが、飲み物はどうする」というニュアンスで「のほう」を使っていると考えられます。しかし、聞かれている側としては「飲み物」を強調されても仕方がありません。敬語表現では相手の立場に立った表現を使う必要があるので、この場合は「のほう」は使わない方が良いと言えます。
「お飲み物のほうはいかがなさいますか」ではなく「お飲み物はいかがなさいますか」と聞いた方が自然です。
同様に、「Aさんはビールで」「Bさんのほうはどうされますか」などの表現も、「のほう」は言わない方が丁寧です。AではなくB、という部分を強調されても聞き手であるBには意味がないためです。「Bさんはどうされますか」と言った方が丁寧です。ただし、聞かれたBが「私のほうはウーロン茶で」と答えるのは正しい敬語です。
お箸のほうはお付けいたしましょうか
買った商品に対して、付けるものが「お箸」「スプーン」「フォーク」など色々あり、この場合は「お箸のほうだ」と考えて「お箸のほうは付けますか」というように聞いているのだと考えられます。しかし、選択肢を与えていない状態で「お箸」を強調されるのは、聞き手側からすると不自然になります。
「お箸、スプーン、フォークがございますが。お箸のほうになさいますか」と聞くか、あるいは「お箸はご入用ですか」「お箸はお付けいたしましょうか」と聞くのが好ましいです。
「のほう」の言い換え
「のほう」は「から」「より」などに言い換えることができます。「が」とだけ言った方が自然な場合もあります。それぞれに言い換えた形の敬語表現をご紹介します。
から
「佐藤のほうからご連絡します」は、「××ではなく佐藤から」という部分を強調した言い方になっています。特に強く強調する必要がない場合は「佐藤からご連絡します」と伝えます。
全く強調しなくともよい場合は「佐藤が連絡します」と伝えます。
より
「から」とほぼ同じ場面で使います。「佐藤からご連絡します」は「佐藤よりご連絡します」に言い換えることができます。
が
「佐藤のほうから連絡します」は「佐藤から連絡が来る」という部分を強調しています。強調せずに伝える場合は「佐藤が連絡します」という形になります。
初回公開日:2018年02月23日
記載されている内容は2018年02月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。