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「重々承知しておりますが」の使い方・敬語の種類・別の敬語表現

更新日:2024年03月23日

ビジネスシーンなどでよく目にする「重々承知しておりますが」という言葉、なんとなく使っている人も多いのではないでしょうか。今回は、「重々承知しておりますが」の正しい使い方や敬語の種類、似たような敬語表現など、例文を交えてご紹介します。

敬語「重々承知しておりますが」の意味とは?

「重々承知しておりますが」という言葉は、まず「重々」と「承知」という単語に分けることができます。「重々」とは「じゅうじゅう」と読み、「重重」とも書きます。

古くから使われていた「重ね重ね」(かさねがさね)という言葉を簡略化して表現された言葉が「重々」になります。意味は、「何度も」「念を入れて」「十分に」などとなります。

そして、「承知」(しょうち)には「知っていること」「わかっていること」「聞き入れること」などの意味があります。これらの意味を合わせて、「重々承知しておりますが」は「十分にわかっていますが」という意味合いになります。

敬語「重々承知しておりますが」の使い方をご紹介

では、「重々承知しておりますが」という言葉はどういった場面で使われるのでしょうか。敬語の種類や、実際に使われる場合の例、上司への使い方などをご紹介します。

敬語の種類

「重々承知しておりますが」という言葉はとても丁寧な言い方のように思えますが、敬語の種類としてはどのような分類になるのでしょうか。「承知しました」という言葉は、自分の立場を下げて目上の人などに対して使う言葉であるため、敬語の中でも謙譲語にあたります。「重々承知しておりますが」という言葉は、相手に丁寧で謙虚な言葉遣いだという印象を与えることができます。

「承知しております」と似た意味の言葉

ちなみに、「承知しております」と同じような、「分かりました」「理解しました」という意味を表す似たような言葉は、「承知」の他にも「了解」「了承」などがあります。

「了解しました」という言葉は日常でよく使われる言葉のうちの一つですが、謙譲語ではなく立場が同じ人に対してや目下の人に対して使う言葉であり、もともと目上の人や取引先などに対して使う「重々承知しておりますが」と同じ意味で使う敬語としては不適切と言えます。

また、「了承しました」という言葉は一見丁寧な敬語である印象を与えますが、「了承」には「事情をくみ取って納得する」という意味があり、こちらも目上の立場の人が使うのがベストな言葉になります。

そのため、目上の人や取引先の人などに対して使う場合、謙譲語である「承知しております」と同じような意味合いで「重々了承しておりますが」という使い方はしない方が良いでしょう。

使い方

「重々承知しておりますが」という言葉は、上記でもご紹介したとおり「十分に.理解しています」という意味と、「しかし」という意味が合わさった言葉になります。

そのため、「事情は十分に理解しておりますがしかし」という、相手の事情や状況は理解しつつも止む終えず対応できない、受け入れることができないなどという状況で、なおかつ目上の人や取引先、顧客に対してなど、丁寧な言葉を使って表現する場合に使われます。

また、「相手の要望に答えられない」という意味以外にも、頼みにくいお願いをするときなどに「重々承知しておりますが」という言葉を用いることもよくあります。

上司への使い方

「重々承知しておりますが」という言葉は、多くの場合ビジネスの現場で使われ、特に目下の人から目上への人へと使うことが一般的です。

上司からの指示や頼みごとなどに対して否定的な回答をしなければならないときや、目上への人へ何かお願いしなければならないとき、意見しなければならないときなど、そのまま物事を伝えるには心苦しい、申し訳ないなどの気持ちがあるときに使われます。

何か伝えづらいことなどであっても、「重々承知しておりますが」という言葉を挟むことで、目上の上司に対しても失礼にならず伝えることができるでしょう。

敬語「重々承知しておりますが」の例文

これまで「重々承知しておりますが」という言葉の意味や使い方などをご紹介してきましたが、ここからは、実際にどのような場面で、どのような文章で使われるのか、さまざまな状況を仮定していくつか例文をご紹介いたします。

否定的な文章で使われる「重々承知しておりますが」の例文

否定的な文章で使う場面というのは、相手の要望や事情を理解しつつも止む終えず対応することができないという状況です。そういった場面でも「重々承知しておりますが」という言葉を使って相手になるべく不快な思いをさせずにこちらの意向を伝えることができます。

「ご事情は重々承知しておりますが、そちらのご要望に沿うことができず大変申し訳ございません。」

「ご負担になることは重々承知しておりますが、こちらでは対応致しかねます。」

「大変厳しい状況であることは重々承知しておりますが、これ以上期限を延ばすことはできませんことをご理解くださいますようお願い申し上げます。」

上記のような謝罪の場面においても、ただ「申し訳ございません」という言葉だけよりも、「重々承知しておりますが」という言葉を使うことで、より丁寧な印象を相手に与えることができます。

自分から頼みごとをする時に使われる「重々承知しておりますが」の例文

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初回公開日:2018年02月23日

記載されている内容は2018年02月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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