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「把握する」の敬語表現・把握するの使い方と例文・別の敬語表現

更新日:2023年12月30日

「理解する」という意味でよく使われている「把握する」を敬語で表現するにはどのようにすればいいかご存知でしょうか。この記事では、敬語例と意味だけでなく、使う相手や使い分けについても説明しています。特に社会人の方には必要な知識ですので、ぜひ最後までご覧ください。

「把握する」の敬語表現はどうすればいい?

「把握する」の敬語表現についてご説明します。

そもそも「把握する」という言葉の意味は「しっかりと掴むこと」「物事をしっかり理解すること」です。特に日常会話やビジネスシーンで使われる「把握する」は、後者の「しっかり理解すること」としてよく使われています。

「把握する」は「理解する」「わかる」という意味と同義です。これらを敬語表現すると、「了解する」「承知する」という表現ができます。「了解する」や「承知する」はへりくだった敬語の謙譲語ですが、これを尊敬語で表現すると「ご理解なさる」になります。

これら3つの言葉は同じ意味になりますが、適切な使い方をしないと、相手を敬ったつもりでも、逆に失礼に値することになってしまいますので十分に気をつけて下さい。適切な使い分けをするためには、敬語の種類についてしっかり理解しましょう。

まずは敬語の種類を理解しよう!

「把握する」の適切な使い方をご説明する前に、まずは敬語の種類について理解を深めましょう。敬語の種類を理解することによって、適切な表現ができるようになります。

敬語は大きく3つに分類することができ、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類の敬語がありますが、「謙譲語」はさらに「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」に分類することができますので、実質的に5つに分けられます。

目上の人に対して使われている敬意を表す「尊敬語」、自分をへりくだることで間接的に相手を立てる「謙譲語」、文章の語尾に「です・ます」をつける「丁寧語」の3つを理解しましょう。

「尊敬語」と「謙譲語」の違いは?

「尊敬語」と「謙譲語」について詳しくご説明します。どちらも相手を立てた表現ですが、ニュアンスがかなり異なります。

「尊敬語」というのは、立てるべき相手・高めるべき相手に敬意を表する敬語の表現方法です。たとえば、上司やお客さま、先生など、自分より身分や地位が上の人(=目上の人)に対して使われます。逆の言い方をすると、自分と同等、もしくは下の人に向けて使うのは不自然です。

一方、「謙譲語」というのは、自分を下に下げることによって、相手が自然と立てられているへりくだった敬語表現になります。この「謙譲語」の特徴として、目上の人に対してでも、目下の人に対してでも、どちらに用いても不自然ではありません。

以上のように、「尊敬語」は目上の人に対して使われるのに対し、「謙譲語」は目下の人でも目上の人でもどちらにも用いることができるのが大きな特徴です。

「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」の違いは?

同じ「謙譲語」であっても、「謙譲語Ⅰ」と「謙譲語Ⅱ」は使われ方が異なります。どちらも自分を下にしてへりくだった表現方法ではありますが、シーンや相手によって使われ方が違います。

「謙譲語Ⅰ」は、「行為や動作の先」を立てたい場合に使われます。目上の人に対して使われるのが「謙譲語Ⅰ」です。一方「謙譲語Ⅱ」は、自分側の話をする時や聞き手、読み手に対して立てたい場合に使われます。この「謙譲語Ⅱ」は目上の人でも目下の人でも、どちらにも使えます。

たとえば、「先生が来た」を謙譲語で表すと「先生が参りました」になり、これは動作の先にいる「先生」を立てるために、「来た」を「参る」に変換した「謙譲語Ⅰ」です。

「弟が来た」を謙譲語で表現すると「弟が参った」、「バスが来た」も「バスが参りました」になります。「弟」は自分の身内であり、また「バス」も、話を聞いてる人を立てた表現なので「謙譲語Ⅱ」になります。

「把握する」の敬語での適切な使い方は?

それでは、「把握する」の敬語表現の方法についてご説明します。

前述したように、「把握する」は「理解する」「物事がわかる」という意味です。これらを敬語で表すと、「了解しました(いたしました)」「承知しました(いたしました)」「かしこまりました」などと表現できます。

意味合いはどれも同じですが、相手によって適切に使い分けなくてはなりません。

上手に使い分けるポイント!

それでは、「把握する」の敬語表現を上手に使い分けるポイントについてご説明します。まず、相手が自分より目上かどうかに着目して下さい。目上の方に対しては「承知しました(いたしました)」、目下(もしくは同等)に対しては「了解しました(いたしました)」を使います。

目上の方には「承知しました」

社長や上司、お客さまや取引先など、あなたより目上の方に対して「把握する」=「わかりました」「理解しました」という意味の敬語を使いたい場合、「承知しました(いたしました)」を用います。

「承知」の「承」は「うけたまわる」という意味を含んでおり、「承る(うけたまわる)」とは「位が上の人から命令などを受け入れる」という意味です。なので、この「承」の字が入っている「承知」は目上の方に対して使う敬語だと覚えておきましょう。

「了解しました」は目下(もしくは同等)

部下や同僚などの目下(同等)の人に対して「把握する」=「わかった」「理解した」を敬語で表現する場合は「了解しました」を使います。

「了解」は「事情を理解すること、のみこむこと」という意味ですので、「了解しました」はシンプルに「その事情、わかったよ」という意味になります。この「了解しました」を上司などの目上の方に使ってしまうと、失礼に値しますので使い分けにご注意下さい。

上司に対して「了解いたしました」と言い換えたとしても不適切になります。「いたしました」と入っているので、一見すると丁寧なように感じますが、「了解」には「聞き入れること」「受け入れること」という意味が含まれており、ニュアンスとしては若干の上から目線の感じを受けますので、目上の方に対して使わないようにして下さい。

次のページ:「把握する」を敬語表現するときの例文

初回公開日:2018年02月26日

記載されている内容は2018年02月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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