「住んでいる」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年08月11日
住所を聞く場合
「失礼ですが、あなたの住所は何ですか」このような聞き方ですと、ぶっきらぼうで、丁寧語を使っていても、丁寧さに欠ける印象があります。このように聞く代わりに「住んでいる」の敬語表現を使って聞いてみましょう。
「お住まいはどちらですか。住所を教えてください」または、「どちらに住んでいらっしゃるのですか。住所を教えてください」のように聞くことで、不躾ではなくて相手への敬意を払う丁寧な印象になります。住所を聞く前に「住んでいる」という言葉の敬語表現を使ってワンクッション置くことで、やわらかな物言いになります。
どちらにお住まいですか
この「どちらにお住まいですか」という表現に似た言い方で、「どちらにお住みですか」という表現があります。どちらの表現も正しいのでしょうか。文法的にはどちらでも合っていますし、「です・ます」調のついた丁寧語で、丁寧な表現です。
「お住まい」のほうは、尊敬語である接頭語の「お」に、五段動詞の「住まう」が連結しています。それに対して「お住み」のほうは、動詞の「住む」に敬語の接頭語である「お」がついています。どちらも意味は同じですが、原語となる動詞が違うだけです。
どちらの言い方が丁寧かと言われれば、「どちらにお住まいですか」と聞いたほうが、現代では適当な言い方になるでしょう。ただ「ら抜き」言葉の観点から、「どちらにお住みですか」のほうが短く単純だという意味で、こちらの表現もよく使われています。
メールでの使い方
コミュニケーション・ツールとして重宝するメールは、普段の生活やビジネスシーンにも日常的に使われています。メールを書くときに大切な事は、伝えたい内容を正しく相手に伝えることです。そのために、わかりやすく、簡潔に、そして正しい言葉遣いをすることが必要です。さらには、相手への思いやりや、目上の人なら尊敬する気持ちを表現できれば、いいメールといえるでしょう。
メールのための「住んでいる」の敬語表現
「住んでいる」の敬語表現を使ってメールを書く場合に気をつけたいことは、尊敬語を意識するあまり、二重敬語になったり、不自然な言い回しにならないことです。
相手の住所を聞きたいのならば、「○○様は、どちらに住んでいらっしゃるのですか」や「お住まいになっているのですか」で十分です。「どちらにお住まいになっていらっしゃるのですか」というと、文法的には正しく、二重敬語にもなっていませんが、ちょっとくどい印象を与えます。メールでは特にわかりやすさを求められますから、この表現は大げさになってしまいます。
「どちらにお住みになられていますか」は二重敬語です。「住む」の前に尊敬語の「お」がつき、られる言葉がつくことで、不自然な表現になっています。「住んでいる」を使って敬意を表したいという気持ちはわかりますが、複雑に考えずに、シンプルに敬語を使いましょう。
「住んでいる」を敬語表現するときの例文
ここでは、「住んでいる」の敬語表現を使った例文を参照しましょう。
「住んでいる」の敬語表現には、尊敬表現として「お住まいになっている」や「住んでいらっしゃる」があり、丁寧語を使えば「お住まいです」や「お住まいでございます」があります。
これらの表現を実際に使うとどうなるかというと、ある方がどちらかに住んでいるということを言いたい場合は、尊敬表現なら「○○さんは、××にお住まいになっています」、または「○○さんは、××に住んでいらっしゃいます」となります。
「住んでいる」を使った丁寧語ならば、「○○さんは××にお住みです」や「お住まいでございます」という表現になります。
「○○さんは、××にお住まいになられています」というと敬度の高い丁寧な言い方に聞こえますが二重敬語になりますから、注意しましょう。
「住んでいる」の別の敬語表現例
「住んでいる」の敬語表現を紹介してきましたが、「住んでいる」と同じ意味で、別の敬語表現はあるのでしょうか。
「住んでいる」の同義語で、「住まう」があります。その意味は、ある特定の場所に居住することですが、「住まう」を「住まわれる」と直すと敬語表現になります。「○○様はこちらに住まわれています」といえば、丁寧な「住んでいる」の言い回しになります。
「住まう」と同じ意味で「居を構える」という言い方もありますが、これを「居を構えていらっしゃる」とすれば「住んでいる」の同義で別の尊敬表現になります。「○○様は、ここに居を構えていらっしゃいます」のように使えます。この言い回しは口語で使うと敬度が高く、かしこまった言い方になるので、よく状況を踏まえた上で、使うかどうかを判断してください。
住んでいらっしゃった
「住んでいる」の尊敬語で「住んでいらっしゃった」も、正しい敬語表現です。「住んでいらっしゃる」の過去を表す言葉で、「○○さんは、以前××に住んでいらっしゃったそうです」のように使えます。
「いらっしゃった」を「いらした」と短縮して、「住んでいる」を「住んでいらした」という言い方もよく聞きます。この表現は文法的には正しいのですが、これを聞いた時の印象として、慇懃(いんぎん)に聞こえることがあります。ですから、「住んでいらっしゃった」のほうが無難ですので、ここは短縮しないで使うようにしましょう。
お住い
「お住まいです」のように、「住まう」に尊敬語の接頭語である「お」をつけた表現も、正しい敬語です。
「お住まいになっている」「お住まいになる」のように使えば、尊敬表現になりますから、目上の方や上司に対して使うことができます。「お住まいです」ならば丁寧語として、あらゆるシーンで使うことができるでしょう。
「お住まい」がすでに「住んでいる」の尊敬語になっていますので、「お住まいになられる」や「お住まいでいらっしゃる」もよく聞く表現ではありますが、二重敬語になるので使わないようにすべきです。
二重敬語にならないように注意しましょう
初回公開日:2018年03月03日
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