敬語「お二人」の意味とは?使い方・例文・言い換え表現などを紹介
更新日:2024年08月30日
誰を指すのか明確にする
敬語「お二人」という言葉は、ビジネスシーンで使用しても問題ありません。しかし、対象が二人以上いる場合に「お二人」を使ってしまうと、誰のことを指しているのか相手に伝わりにくくなってしまいます。メールなど文章の場合は、特に注意が必要です。
敬語「お二人」を使用する時は、言及している「二人」が誰のことを指すのか、はっきりと相手に伝わるように工夫しましょう。個人名も併せて明言・明記するのがおすすめです。
「お二方」と「お二人」を使い分ける
前述したように、敬語の中でも「お二人」は丁寧語ですが、「お二方」は尊敬語に分類されます。二人の相手に対する敬意を強調したい場合には、「お二方」という言葉を使った方が適切でしょう。
使い方の例としては、「お二方の素晴らしいスピーチに感激いたしました」などがあります。「お二人」でも違和感がありませんが、尊敬の気持ちを「お二方」という言葉に込めることが可能です。
「お四方」といった敬語は存在しない
「お二方」の「方」は、相手への尊敬の念が込められている語句です。敬語として二人の人に対して使用される「お二方」以外にも、ひとりに対して使われる「お一方(おひとかた)」や三人に対して使用される「お三方(おさんかた)」といった言い方もあります。
しかし、四人以上に対して「お四方」や「お五方」などと表現することはできないことに注意が必要です。四名以上に対しては「四名様」「五名様」と表現するようにしましょう。
敬語「お二人」の類語・言い換え表現
敬語「お二人」の類語・言い換え表現について紹介していきます。様々な表現を知ってボキャブラリーを増やし、場面ごとにしっくりくる言葉を選んで使用していきましょう。
「お二人様」
「お二人様」は、敬語「お二人」に敬称の「様」を付けた表現です。日常で一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、実は「お二人様」は日本語としては正しい表現ではないことをご存じでしょうか。
「お二人様」は尊敬の接頭辞「御(お)」と敬称の「様」が同時に使用されている「二重敬語」と言われる表現です。文法的には誤った使い方であるため、ビジネスなどの公の場では使用しない方が無難でしょう。
「ご一同様」
「ご一同様」は「一同(いちどう)」に尊敬の接頭辞「御(ご)」と敬称の「様」を付けた言葉です。「一同」とは、ある特定の場所にいる人全員のこと、または、同じ組織に所属している人全員のことで、「家族一同」や「社員一同」などと使用されます。
「ご一同様」は文法的には二重敬語ですが、すでに社会で広く使用されている表現のため、使ったとしても違和感なく受け入れられるでしょう。年賀状やビジネスメールでの挨拶などで「ご一同様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。」などといった使い方がされています。
「各位」
「各位」の読み方は「かくい」です。複数いる相手ひとりひとりを敬う時に使用される尊敬語で、「皆様」と同じ意味となります。
「各位」は「一同」と違って、異なる組織に所属している人々に対しても使用できる表現です。「関係者各位」や、単に「各位」として文書で使用されたりします。
「お客様各位」と表現されることもありますが、これは二重敬語に相当するため、文法的には好ましくないと考える人もいるでしょう。しかし、現在は広く使用されているために、違和感を覚えない表現でもあります。
「ご両人」
ご両人は、敬語「お二人」によく似ている表現です。「ご両人」という言葉は「二人の人」を意味する「両人」という名詞に、接頭辞「御(ご)」がついている丁寧語です。歌舞伎で主役の二人が盛り上がってきた場面で「ご両人」という呼びかけがされたりもします。
「ご両人」という言葉は、日常生活で使うと「お二人」よりもドラマチックな印象を受けます。「ご両人」という言葉は、冗談で友人夫婦をからかったりする時や、仲間内のパーティで恋人の二人に声を掛けたい時などに使うと良いでしょう。
初回公開日:2018年03月21日
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