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「くらい」の敬語表現・くらいの使い方と例文・別の敬語表現例

更新日:2024年09月04日

「どれぐらい」など日常的に使われているこの「ぐらい」の敬語表現の使い方を、類語、例文などを交えて説明しています。「ぐらい」という言葉そのものに注目して敬語表現を考える機会はあまりなかったのではないでしょうか。お時間ある方は是非ご覧ください。

「ぐらい」を敬語表現するときの例文

「ぐらい」の敬語表現の例文を紹介します。「ぐらい」の語句には量、割合、時間を指します。時間の程度を指す場合の「何時頃」と「何時に」でのそれぞれの敬語表現、また量や割合の程度についての「どの程度」について個別に説明します。

何時ごろ

「何時ごろ」を用いた敬語表現の例文を紹介します。

例A「到着は何時頃になるでしょうか?」B「8時ぐらいになります。」

「ぐらい」の敬語表現はビジネス敬語では「ほど」になると説明しましたが、時間に関係する文脈では「ほど」は使わないで、そのまま「ぐらい」を使用します。

文書や文面の表現では文法的に違和感がありほとんど使用されませんが、口語でのコミュニケーションではAさんの質問内容の「何時ごろ」に「8時くらい」の部分が対応し、おおよその質問に対しておおよその内容で応対しているので、会話の内容としては成立しています。

何時に

「何時に」を用いた敬語表現の例文を紹介します。

例 A「到着は何時になるでしょうか?」B「8時ぐらいになります。」

上記の「何時頃に」も例文とほぼ同じで、意味は通りそうな印象も受けますが、Aさんが「何時に」と正確な時間を訪ねているのに対してBさんは「8時ぐらい」とややあいまいに答えている印象を受けます。

例文では時間に関する文章のみを用いているのであまり違和感はありませんが、試験開始時間や就業開始時間などの質問に対しては、あいまいな答えではかえって失礼にあたります。つまりこの例文は悪い例です。

二つの例文ともに厳密な意味での敬語表現としては、どちらも正しいとは言えませんが、前者は聞かれていることに対して不備なく答えているため、ビジネスマナーとしても及第点ですが、後者はやはり不親切もしくは不誠実な印象を与えかねません。正解がない場合、より適した回答を心がけましょう。

どの程度

「どの程度」を用いた敬語表現の例文について説明します。

例 A「水はどの程度用意しましょうか?」B「3リットルほどで十分です。」

ここでの「どの程度」は数量に関する事を指します。上記の例文ではAさんは「程度」という言葉で質問しています。この単語も「ぐらい」と同様にリットルやバケツ何杯分といった単位を限定せずに、Bさんの示す単位に委ねています。

これに対してBさんは「3リットルほど」と自分の判断でリットルの単位を用いて、さらに「ぐらい」の部分をビジネス敬語である「ほど」に変化させて答えています。

この例文の会話はあいまいさを含んだ質問に対して、あいまいさを持つ意味合いで回答しており、またビジネス敬語を活用した良い例と言えます。ただし、上記の例文では何に対して水が必要なのかが抜け落ちているので、実際に「ほど」を用いる際には状況から類推して回答することもおさえておきましょう。

「ぐらい」の別の敬語表現

「ぐらい」のべつの敬語表現について見ていきます。その前に、「ぐらい」の類義語を調べてみましょう。「ぐらい」の類語は「位、程度、おおよそ、ざっと~そこそこ」の5種類です。そのうち敬語表現に変化するのはありません。ビジネス敬語にあてはめると「位、程度」が「ほど」に変化するのみで、敬語表現の内容としては「ぐらい」と同じと言えます。

敬語表現は正しい用法があれば、それを正解として覚えて使いこなせばよいのですが、正解がない場合は知識として覚えることができません。そのため「ぐらい」の敬語表現の知識はここまでとなりますが、「何時頃」と「何時位」、また「いかほど」と「どの程度」といった同じ意味でも実際に異なる意味があるのか考えてみましょう。参考としてご覧ください。

「何時頃」と「何時位」の違いって?

「何時頃」と「何時位」の違いは言葉の意味としてはほぼ同じです。二つの語句ともにあいまいさを含んだ表現である点では同じですが、あえて違う点を挙げるなら、「位」よりも「頃」の方が、あいまいさの幅が狭い印象です。あいまいさのニュアンスを残して、かつ限定的な表現をするなら「頃」、よりあいまいさを持たせるなら「位」が妥当な表現と言えます。

「どれくらい」と「どのくらい」の違いは?

上記に続いて類似表現の違いについて見ていきます。この二つの語句の違いはありません。用法や意味合いなど、あらゆる面で同じ表現です。ただし、これも強いて挙げるならという前提付きですが、「どのくらい」の方がより具体的な意味合いとなります。

ただ日常的に使用する上ではほとんど同じ言葉なので、どちらがよりふさわしい語句だと判断する場面はありません。

これで「ぐらい」の使い方は怖くない!

「ぐらい」の敬語表現・使い方を紹介しました。普段使っている言葉でも、正しい使い方などを調べてみると予想外の答えが待っている場合がある事を実感できたのではないでしょうか。このような地道な経験を積み重ねていくことが回り道のようで近道、つまり王道と言えます。今後も言葉の持つ意味を大事にしながらコミュニケーション能力を磨いていきましょう。

初回公開日:2018年02月23日

記載されている内容は2018年02月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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