「について」の敬語表現・についての使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年08月27日
「〇〇についての報告」「〇〇について話し合いましょう」などの提案は、初めに一度行われればそれで充分です。「〇〇について報告します」と言った後、関連しない事柄について「〇〇については、こうで、〇〇についてはこうで」というような形の言い方をすると聞き手を混乱させてしまうことがあります。
「新商品の売り上げについての報告をいたします。商品Aについては子供に人気があり、商品Bについては前の方に陳列していたためか見ている人が多かったです。売り上げについてですが、」などの形で、「について」を使うと、報告の内容が相手に伝わりにくいです。
はじめに「新商品売りあげについて」という形で始めたら「売り上げ」についての説明が続くのが自然です。この場合は「新商品について」という言葉で始めるのが適切です。
「の件」と「について」の使い分け
メールや発表、資料などのタイトルを付ける場合「〇〇について」の他に「〇〇の件」という形を取ることもあります。どちらもほぼ同じ意味です。「〇〇の件について」というような形の使い方をすることもあります。
「〇〇の件」という言い方は「〇〇の件」という言葉で相手にそれが何の件なのか伝わるような場面で使うことが多いです。「先日お話ししていたフレックスタイム制導入の件なのですが」というような使い方をします。
「〇〇について」は、相手がそのことについて初めて聞くというような場合でも違和感なく使うことができます。「フレックスタイム制の導入についてお話をお伺いしたいのですが」というような使い方をします。
「について」を敬語表現するときの例文
「について」はタイトル、件名など以外の場面で使う場合は、続く言葉を敬語にすることで敬語表現にします。
「先日の会議についてご報告いたします」「新しく入った方の教育方針についてお話ししたいことがあります」「導入する予定の新しいシステムについてお伺いしたいことがあります」などの形で敬語表現にします。
報告する場面
「について」は、相手に何かを報告する場面で使います。「〇〇についてご報告したいことがあるのですが、今お時間宜しいでしょうか」「〇〇についてご報告させていただきます」などの形で使います。
「新人教育について報告いたします。古参の社員、つまり社員全体についても考えなくてはならないのですが」というように、「〇〇について報告する」と言った後で、それよりも広いテーマを持ち出すと、相手に報告内容がまだまとまっていないのではないかという懸念を抱かせたり、何処に重点を置いて聞けばいいのか分からなくなってしまったりと、相手を混乱させてしまうことがあるので気を付けましょう。
テーマを伝える場面
「について」はこれから話すテーマや、資料などであればそこにまとめられているテーマを相手に伝える場面で使います。「について」自体は敬語ではありませんが、馴れ馴れしい表現と言う訳でもありませんので、公式の場でも使うことができます。
「先日の会議についてご報告いたします」「今後の方針について発表いたします」などの使い方をします。
「について」の別の敬語表現例
「について」は相手にこれから話すこと、資料などであればそこにまとめてある事柄を伝える際に使います。「について」と似通った場面で使う言葉には「〇〇の件」という言葉があります。
また、「について」は、「についてご報告いたします」などのように続く言葉を敬語にすることで敬語表現にするのですが、「につきまして」というように「について」自体を丁寧語にする場合もあります。
につきまして
「につきまして」は、「〇〇について報告してください」などの形で、発表を求められた際などに使います。
「新しく導入されたシステムについて報告してください」「新システムにつきましては、現状問題なく運営できております」というような形で使います。
「新システムにつきましてご報告をいたします」というような表現はやや不自然になるため気を付けましょう。「について」を敬語にする場合は前後の言葉を敬語表現にします。「についてご報告いたします」が正しい形の敬語表現です。
「について」を使うべきではない場面
「について」は使うと失礼になってしまうという場面はあまりありません。目上の人に対しても同僚などの同格の相手に対しても、テーマを相手に伝える際には「について」という言葉を使います。
書面にする場合やあらかじめ準備しておくことができる発表などの場合は「について」という言葉を使ってテーマを相手に伝えると、その枠内で話すようにすると相手が混乱しにくいです。いろいろ話したいことがあるという場合はテーマを広く取っておきましょう。
「新人教育について発表いたします。新人だけではなく全社員に共通して言えることなのですが」などの書き方、話し方をすると最終的に新人教育に話が戻ってくるとしても、聞き手、読み手は話について行きにくいです。この場合は「社員教育について」と言った方が分かりやすいです。
初回公開日:2018年03月27日
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