「聞いてください」の敬語としての使い方|例文や言い換え表現も解説
更新日:2024年11月08日
敬語表現は、丁寧な表現であると同時に、堅苦しい表現です。
よく一緒に仕事をする親しい上司や同僚に対して、「お聞きいただければと存じます」のような堅苦しい表現をすると、相手は不自然さを感じることでしょう。
逆に、上下関係を重んじる上司に対して「お聞きください」といった表現では、フラットすぎると不快感を与えてしまう可能性があります。
敬語表現を使用するときは、相手との距離感を考えながら使用するようにしましょう。
「聞いてください」の間違った表現
敬語表現には、丁寧語・尊敬語・謙譲語と種類があります。
それぞれの敬語の違いについてしっかり理解した上で使用しなければ、間違った敬語表現をしてしまい、相手を怒らせてしまうこともあります。
ここでは、それぞれの敬語について簡単に解説し、「聞いてください」で間違って使用されやすい表現を3つ紹介します。
敬語の種類 | 敬語の使用方法 | 「聞く」で使用される表現 |
---|---|---|
丁寧語 | 相手に対して丁寧に表現する方法。動作主は問わない。 | 聞きます |
尊敬語 | 相手を立てる表現方法。相手が行う動作に対して使用する。 | お聞きになる |
謙譲語 | 自分がへり下る表現方法。自分が行う動作に対して使用する。 | 伺う・拝聴する・お聞きする |
「拝聴してください」
「聞いてください」を謙譲語で直訳した場合の表現です。「拝聴する」とは、目上の人の話を畏まって聞くという意味です。
最初にも説明したように、謙譲語で表現するのは、自分が行う動作に対してのみです。「聞いてください」の場合、「話を聞く」の動作主は自分ではなく、相手になるはずです。
そのため、ここで謙譲語である「拝聴する」という表現を使用するのは間違っていることになります。
「お聞きしてください」
文頭に「お」がついているため、一見丁寧な印象を持ちますが、「お聞きする」という表現は謙譲語になります。
繰り返しになりますが、謙譲語は自分をへり下る表現で、自分の動作に対して使用する表現です。そのため、「お聞きしてください」という表現は間違いです。
尊敬語の「お聞きになる」と似ている表現なので、混同しないように注意してください。
「伺ってください」
「伺う」は、「聞く・尋ねる」の謙譲語になります。「伺う」は、自分が目上の人に何かを尋ねる時に使用する表現です。
具体的には、「仕事のことについて、伺ってもよろしいでしょうか」というように使用します。
ここまで紹介してきた表現と同様に、「聞いてください」の謙譲語表現である「伺ってください」という表現を相手に使用することはできません。
「聞いてください」の言い換え表現
最後に、「聞いてください」の言い換え表現を紹介します。「聞いてください」には、2通りの意味があります。それは、自分の話を聞いてほしい時と分からないことを尋ねてほしい時です。
ここでは、この2通りのパターンを考慮して、「聞いてください」の言い換え表現を紹介していきます。
「お耳に入れたいことがあります」
「お耳に入れる」は「聞かせる」の謙譲語で、自分の話を聞いてもらう時に使用する表現です。
「お耳に入れる」という表現は、こっそり内密に知らせるというニュアンスが含まれています。
そのため、この表現を使うのは、口頭で伝える時のみなので、ビジネスメールでは使用しないようにしてください。
また、「内密に伝える」というニュアンスがあるので、プレゼンのような大勢の人の前で使用するのも不自然です。使用する際には、注意しましょう。
「お問合せいただければ幸いです」
「分からないことを聞いてください」という表現を言い換えたものです。
また文末が「幸いです」という表現のため、「不明点や質問があっても、こちらは悪く捉えることはない」というニュアンスも伝えることができ、相手に優しい印象を与えることができます。
そのため、質問や不明点を聞きやすい環境を作ることができるでしょう。
「お問い合わせください」
「〜ください」と言い切る表現をすることで、「何を聞かれても大丈夫だ」という自信を持っている印象を与えることができます。確実に決めたいプレゼンなど、自信を表現したい場面では、この表現はおすすめです。
しかし、これまでにも説明したように、「〜ください」は命令形の口調となるため、上から目線に感じる方も多いです。
使用する際には相手の性格などを考慮した上で使用する表現を選ぶようにしてください。
「聞いてください」の使い方を理解して適切な場面で使おう
初回公開日:2018年04月04日
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