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「いただけないでしょうか」の使い方・敬語の種類・別の敬語表現

更新日:2024年01月17日

ビジネスシーンでよく登場する「いただけないでしょうか」の正しい使い方をご存知でしょうか。この記事では、「いただけないでしょうか」の意味や使い方、他の言い換え方などについて詳しくご説明しています。社会人なら必須の知識なので、ぜひ最後までご覧ください。

敬語について知っておこう

敬語についてご存知でしょうか。敬語について知っておかないと分からない点が出てきますので、「いただけないでしょうか」の詳しい説明の前に、敬語について簡単にご説明します。

学校で習ってる内容ですが、意外と忘れてるいことも多いでしょう。すでにご存知の方も復習がてらぜひお読みください。

敬語の種類は大きく分けて3つ!

敬語は、大きくわけて3つの種類に分類することができます。その種類とは、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」です。名前ぐらいは聞いたことがあるでしょう。

「尊敬語」は相手を敬う言い方の敬語で、「謙譲語」はへりくだった表現、「丁寧語」は文末に「です」や「ます」がついた表現です。「尊敬語」は目上の方の動作を表す場合に用いられるのに対し、「謙譲語」は自分の動作を表す場合に使われます。「丁寧語」は基本的には誰に対して使っても問題のない敬語です。

「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」のそれぞれについて詳しくご説明します。それぞれの違いを理解することで普段から使い分けていくことができるでしょう。

尊敬語

前述しましたが、尊敬語は相手を敬う敬語で、相手を高める(立てた)言い方です。なので、尊敬語は相手の動作・行動・行為などに用いられます。

たとえば、「先生が言った」を尊敬語で表現すると「先生がおっしゃった」となり、「先生」を高めた表現をしています。間違っても「私がおっしゃった」などと、自分の行動について尊敬語を用いないようにしてください。敬語として誤った使い方ですし、それを聞いた周りの人が不快な気持ちになる可能性が高いので間違った使い方をしないように注意しましょう。

謙譲語

「謙譲語」は自分を下に置くことによって、間接的に相手を高める表現の敬語です。いわゆる「へりくだった表現」で、謙虚な印象を受けます。「尊敬語」との違いですが、「尊敬語」は相手を高めるのに対し、「謙譲語」は相手はそのままで自分だけを下げる言い方です。

謙譲語は目上の方に向けて言う場合に使われたり、自分や身内などの行動にも謙譲語を用いたりすることができます。また、読み手や聞き手の人に向けて敬意を表したい場合も謙譲語で表現します。

例えば、「ご連絡お願いいたします」は目上の方に向けて使われる謙譲語で、本題の「いただけないでしょうか」も目上の人に使われる謙譲語です。「弟が先生のところへ参ります」は身内の行動を謙譲語で表しており、「電車が参りました」は話を聞いてる人に対して敬意を表した表現の謙譲語です。このように、「謙譲語」と言っても使える相手に制限があります。

丁寧語

「丁寧語」は一番馴染みのある敬語ではないでしょうか。文末に「です」や「ます」、「ございます」がついた丁寧を表す敬語です。たとえば、「こちらです」「会議があります」「おはようございます」など、これらは丁寧語で表現したものになります。

基本的には丁寧語は誰に対して使っても問題ありませんが、目上の方に対して使う場合には、尊敬語で同じ意味の言葉を表現できないか考えてみてください。尊敬語や謙譲語で表現できるならそれに越したことはありません。ですので、目上の方には、尊敬語や謙譲語で表現できない言葉だけ丁寧語で表現するようにしましょう。

また、謙譲語にも目上の方に向けてしか使えない語があると先程述べました。もし、それを目下の人に対して言いたいのなら、その場合は丁寧語で表現しましょう。目下の人にへりくだる必要はありませんので、目下の人に向けて謙譲語は使わないように注意してください。

敬語「いただけないでしょうか」の意味

それでは本題の「いただけないでしょうか」について詳しくご説明していきます。「いただけないでしょうか」の意味は、「~してもらえないですか」です。つまり、「~してほしいんだけど」と、相手に依頼・要求・お願いなどをしたい場合に使われます。

敬語の説明をした際に少し触れましたが、この「いただけないでしょうか」は謙譲語です。敬語として正しい表現ですので、どんどん活用しましょう。

言葉を分解してみると分かりやすい!

「いただけないでしょうか」を分解してご説明します。すると意味が分かりやすくなるでしょう。

これは「いただく」+「ない」+「でしょうか」の3つの単語に分類することができます。まず、「いただく」というのは「~してもらう」の意味の謙譲語です。これに否定形の「ない」が付いて「いただけない」=「~してもらえない」になります。最後に丁寧語の「です」の疑問形「でしょうか」になり、全部合わせて「いただけないでしょうか」となります。

これらを見てもらったらわかるように、「いただけないでしょうか」とは、「~してもらうことはできないですか」の意味になります。長い言葉は、このように分解すると意味が分かりやすくなります。

【余談】ひらがな表記と漢字表記の違い

「いただく」の部分は「頂く」という漢字にすることもできますが、これにはルールがあります。「いただけないでしょうか」と「頂けないでしょうか」では使い方や意味が異なります。

本題の「いただけないでしょうか」の「いただく」は補助動詞です。補助動詞はひらがなで表記すると文化庁で決められています。詳しくは以下のリンクをご参照ください。「いただく」は補助動詞なので、その前には動詞が入ります。たとえば「買っていただく」「見ていただく」など、「動詞の連用形+いただく」の形で使われます。

一方、「頂く」と漢字表記すると動詞「(物を)もらう」の謙譲語になります。「頂けないでしょうか」としてしまうと、「(物を)もらえないですか」の意味になり、相手に物を譲ってほしいと言っていることになるので、文章にする場合には特に注意が必要です。

次のページ:敬語「いただけないでしょうか」の使い方

初回公開日:2018年04月11日

記載されている内容は2018年04月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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