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助動詞の「れる」と「られる」の正しい使い分け方・例|される

更新日:2023年11月20日

日々の生活で使っている「れる」、「られる」は多くの意味があり、それが曖昧であるゆえに間違った使い方をしている人が多いです。「二重敬語」や「ら抜き言葉」などみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。今回はそんな「れる」、「られる」をご紹介していきます。

助動詞の「れる・られる」の正しい使い分け方と例

今回は助動詞の「れる」と「られる」についてです。尊敬や可能など複数の意味があるので、さまざまな状況に応じて使うことができます。でもなんとなく使っていいませんか。特に敬語で使う場合には注意が必要です。まずはそれぞれの意味から見ていきましょう。

自発

自発というのは自然にそうなるということです。例えばみなさんは卒業アルバムを見た時どうなりますか。多くの場合、昔を思い出したのではないでしょうか。この思い出したのは意識してそうしたのではなく自然にそうなった事です。ですから「卒業アルバムを見ると学生時代が思い出される。」など自然におこることをいう時に使います。

特に心情的な表現に用いられることが多く、「もうすっかり春を感じられる」などのように使われます。ちなみに、これは可能の意味ではなく、自然とその感情が出てきたので自発の意味で使われています。

受け身

「殴られる」や「話しかけられる」のように誰れかから何かをされた時に多く使いますが、この「受け身」の使い方は実は奥が深いです。例えば「アメリカ大陸がコロンブスによって発見された」のような直接受け身もあれば「私の足を踏まれた」のような関節受け身もあります。関節受け身は「私の足」のようにその人のモノに対する受け身のことをいいます。

この関節受け身はほとんどの場合、「私のパソコンを弟に壊された」のように主に迷惑などの悪いことを表現します。また、「降る」や「逃げる」といった自動詞の受け身も多くの場合、迷惑を表現しています。「雨に降られた」や「犯人に逃げられた」などです。

可能動詞

「れる」、「られる」には「納豆が食べられる」や「明日の10時までには来られる」などのように可能の意味もあります。ただし、「読む」などの五段活用の動詞を可能の意味にするときには注意が必要です。その場合は「れる」をつける代わりに「読める」のように下一段活用にして可能動詞の形にして使います。

五段活用は、動詞を「未然形」や「連用形」などにした場合、語尾の母音が「あ、い、う、え、お」と活用されます。「読ま(あ)ない」、「読み(い)ます」、「読む(う)、「読め(え)」、「読も(お)う」のように活用されます。これは次に紹介する「ら抜き言葉」とは違うものなので注意してください。

また、可能の意味の「れる」、「られる」は、「休憩する」や「勉強する」などの「する動詞」には使うことができません。これらの動詞には「ことができる」を使います。

ことができるなど

可能の意味を表す言葉に「ことができる」があります。先ほども紹介しましたが、これは「休憩する」や「勉強する」などの「する動詞」に「れる」、「られる」が使うことができないのでその場合に使います。「する動詞」につく場合は尊敬や受け身を表します。

この表現は可能を表していることが非常に分かりやすいです。「れる」、「られる」は「自発」や「尊敬」の意味も表すため、相手を混乱させる可能性があります。「ことができる」を使うことによってスムーズなコミュニケーションができます。

ら抜き言葉

ら抜き言葉とは「られる」の「ら」を抜いて「れる」に変えてしまったものです。可能の意味で使う時に起こり「食べられる」が「食べれる」、「来られる」が「来れる」などのように使われています。若い世代で使われているので、あなたも使ったことがあるのではないでしょうか。

ら抜き言葉は「れる」、「られる」の他の意味と区別しやすいということから合理的だという考えもあります。しかし、現時点では誤った言葉です。また、話し言葉で使われることが多いですが、新聞などの書き言葉で使われることはほとんどありません。

かねる

「〜かねる」は「責任を負いかねます」のように「できない」という意味ですが、これもある意味で可能形を表しています。気をつけたいのは「〜かねる」だけで「できない」という意味があるということです。つい「できかねません」のように「〜かねません」と言ってしまいそうになりますが、その場合「〜するかもしれない」などの意味になるので注意してください。

「れる」・「られる・「せる」・「される」の違い

「れる」「られる」と一緒に使うことがある言葉で「せる」や「される」があります。「せる」は「無理やり勉強させられる」のように「られる」と一緒に使われます。また「される」はサ変動詞(する動詞)の未然形「さ」に助動詞「れる」の付いたものです。それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

「せる」「させる」の使い方

「せる」「させる」の意味としては「先生が生徒に勉強させる。」のように、主に誰かにある動作をするように仕向けたり、させたりする「使役」としての働きがあります。この「せる」、「させる」はよく受け身の「られる」と一緒に使われます。

意味としては主に「生徒は先生に勉強させられた。」のように他から強制的に動作をしたときに使われ、多くの場合迷惑な感情も合わせて表現しています。また、その他の意味として「この本を読んで環境について考えさせられた」のように自発の用法としても使われます。

「される」の使い方

「される」はサ変動詞(する動詞)の未然形「さ」に「れる」がついたものですが、主に尊敬と受け身の意味で使われます。尊敬の意味ですと「お客様がサービスを利用される。」などのように用いられます。同じような表現で「お客様がサービスをご利用なさる」のように「ご〜なさる」を使うこともできます。

受け身の場合は「友人のパーティーに招待された。」などのように使われますが「利用された」や「騙された」など迷惑の意味に使われることもあります。受け身については色々な説明があるので調べてみるのもいいでしょう。

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初回公開日:2018年04月02日

記載されている内容は2018年04月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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