「貸していただく」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年08月20日
相手側が主語となる尊敬語ですが、「貸していただく」を尊敬語で言うと、「(相手が)貸してくれる」→「(相手が)貸してくださる」となります。
謙譲語
謙譲語とは、主として話し手(書き手)が自分や自分側の動作や事物を謙って(へりくだって)表現することにより、間接的に相手を敬う言葉です。「申し上げる(言う)」「うかがう(行く・聞く)」「拙者(自分の著した本)」「拝見する(見る)」「お目にかかる(会う)」などがあります。
自分を下げることにより、相手に尊敬の意を表わします。「(私が)申し上げる。」「(私が)拝見します。=(私が)見させていただきます。」など、主語を自分、自分側にして考えることができるのが謙譲語になります。
「貸していただく」は、謙譲語
「貸していただく」とは、(私が)貸してもらうということですので、自分が主語となります。つまり謙譲語ということです。
丁寧語
丁寧語とは、話し手(書き手)が聞き手(読み手)に対して敬う気持ちや、上品さを表すために、話しぶりを丁寧にする言葉で、語尾に「です」「ます」などを使います。例えば、「これはボールです」「行きます」「お返事」などがあります。
丁寧語は、主語は相手側でも自分側でも気にすることはなく、相手を思いやり礼儀正しい言葉を使うよう心がけることで、難しく考えることなく使うことができます。「(相手が)言います。」「(私が)行きます。」「お返事します。」
「貸していただく」を丁寧語で表現すると、「貸していただきます」「貸してくださいます」となります。
「貸していただく」の使い方
「貸していただく」は、「(相手が)貸す」に謙譲語の「(私が)いただく」を組み合わせてできた言葉で、「(相手が)貸す」ということが「(自分が)いただく」ということになります。
「貸していただく」は、自分が主語になりますので、つまり謙譲語ということになります。自分を謙って(へりくだって)表現するので、「貸してもらう」ときには、相手が目上の人でもそうでなくても、「貸していただく」を使うことができます。
貸してほしいものがあるとき=借りたいものがあるときに、相手に「貸していただけますか。」より丁寧に言いたいときは「貸していただけますでしょうか。」という使い方ができます。
「貸していただく」の例文
上記と重複する部分もありますが、「貸していただく」を使った例文をいくつか挙げさせていただきます。
貸してほしいときの依頼文として「貸していただけますか。」「貸していただけますでしょうか。」「貸していただいてもよろしいでしょうか。」など挙げられます。どの例文も文頭に「お」をつけて「お貸しいただけますか。」「お貸しいただけますでしょうか。」などとしてもよいでしょう。
また、「お貸しいただきたく存じます。」「お貸しいただければと思います。」「お貸しいただければ幸いです。」
貸してもらう宣言や、お礼を述べるときは「貸していただきます。」「貸していただいた○○です」「貸していただきありがとうございます。」など使うことができます。
「貸していただく」の別の敬語表現例
「貸していただく」は、「貸しもらう」「借りる」という意味ですので、同じ意味また似た意味で別の敬語表現をすることもできます。
「借りる」の謙譲表現である「拝借」を使うと、非常に丁寧な言い方で「拝借させていただけませんでしょうか。」「拝借してもよろしいでしょうか。」「拝借したいのですが」などの表現ができます。
「借りる」を使うと、「お借りしてもよろしいでしょうか」「お借りしたいのですが」「お「お借りできますか?」などの表現をすることができます。
まとめ
「貸していただく」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現をご紹介させていただきました。「貸してほしい」という意味でも、「借りる」「貸す」「貸借」などを使ってたくさんの表現方法があることがお分かりいただけましたでしょうか。
敬語は、日本語の中でも複雑な構造をしており、外国の方から理解し難いもののひとつと言われているようですが、その分、周りの方へ細かな気遣いを表現できる、日本人の心の美しさを表現できるもののひとつでもあると言えます。
より気持ちのよい社会を創っていくために、ビジネスマナーとして、また社会の一員として、正しく敬語を理解し使っていきましょう。
今回の「貸していただく」の敬語表現について、これからビジネスマナーのひとつとして、社会の一員として、正しい敬語を使っていくために活用していってください。
初回公開日:2018年06月20日
記載されている内容は2018年06月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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