【業界研究】飲食業界の現状・動向・課題について
業界の現状
飲食業界とは
食にまつわる産業をすべてまとめて飲食業界と呼びます。現代において食はますます多様化の様相をみせていますが、飲食業界はその食事形態によって主に、外食、中食、内食の3つに分類されます。
その名のとおり、外で食事をするという意味で、主に飲食店での食事を指します。外食市場は、高度経済成長期後半より急速な成長を遂げますが、その契機は第2次資本自由化を背景に外資系企業が日本に上陸し、ハンバーガーなどのファストフード店の展開をはじめたこととされています。
お弁当、おにぎり、サンドイッチ、総菜等、調理済み食品を購入して、家や職場、公園等の店内以外で食べる形態を指します。中食のはじまりは、江戸時代初期の、道端で煮物等を売る「煮売屋」までさかのぼることができますが、中食市場発展の発端ともいえるのは、1975年のセブン-イレブン、および1976年のほっかほっか亭の登場です。
食材を購入し、家や職場などで調理して食べることで、自炊ともいいます。
各形態の市場規模は、外食が約25兆円、中食が約7兆円、内食が約36兆円で、飲食業界全体で66億円という大きな数字になっています。
外食の主要企業
- ゼンショーホールディングス:すき家、ココス、はま寿司
- 吉野家ホールディングス:吉野家、はなまるうどん、京樽
- 松屋フーズ:松屋、松のや
- 日本マクドナルドホールディングス:マクドナルド
- モスフードサービス:モスバーガー
- 日本KFCホールディングス:ケンタッキーフライドチキン、ピザハット
- ダスキン:ミスタードーナツ
- カフェ
- スターバックスコーヒージャパン:スターバックスコーヒー
- ドトール
- 日レスホールディングス:ドトール、エクセルシオールカフェ、星乃珈琲店
- サンマルクホールディングス:サンマルクカフェ、すし処函館市場、生麺工房鎌倉パスタ
- 銀座ルノアール:喫茶室ルノアール、ニューヨーカーズ・カフェ
- シャノアール:コーヒーハウス・シャノアール、カフェ・ベローチェ
- すかいらーく:ガスト、バーミヤン
- サイゼリヤ:サイゼリヤ、イートラン
- ロイヤルホールディングス:ロイヤルホスト
- レインズインターナショナル:牛角、温野菜
- 木曽路:木曽路、じゃんじゃん亭
- 王将フードサービス:餃子の王将
- 壱番屋:カレーハウスCoCo壱番屋
- ワタミ:和民、わたみん家
- モンテローザ:白木屋、笑笑、魚民
- コロワイド:甘太郎、北海道
- あきんどスシロー:スシロー
- くらコーポレーション:無添くら寿司
- カッパ
- クリエイト:かっぱ寿司
中食の主要企業
- わらべや日洋ホールディングス:セブン-イレブン向けの弁当、サンドイッチ、惣菜を製造
- プレナス:ほっともっと、やよい軒
- カネ美食品:ファミリーマート向けの弁当や惣菜を製造
- ハークスレイ:ほっかほっか亭
- ロック
- フィールド:惣菜製造
基本情報
- 市場規模:32兆3,200億円(外食と中食のみ)
- 労働者数:48,529人
- 平均年齢:36.9歳
- 平均勤続年数:8.5年
- 平均年収:475万円
市場規模が大きいわりに平均年収が少ないというのがやはり目につくポイントでしょうか。平均年収の数字としてはおおよそ日本の給与水準であり決して少ないというわけではないのですが、とうぜんながらこのデータに労働時間は含まれていないので、これだけでは何ともいえないというのが正直なところです。
飲食業界は長時間労働とサービス残業の巣窟といわれることも多いので、会社によっては完全なブラックになることもあるかもしれません。