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【業界研究】卸売業界の現状・動向・課題について

卸売業は、商品を生産者から仕入れて、小売業者に販売することを業としています。

医療分野の専門商社であるメディパルホールディングスは、JCRファーマが開発して承認を得た「テムセルHS」と呼ばれる幹細胞を、JCRファーマとメディパルで共同開発した超低温管理物流システムを稼働して流通させています。

この物流システムは、マイナス150℃という超低温を10日間以上維持して配送・保管できることが特徴で、薬剤等の製品の品質を維持しての流通に大きく貢献しています。

市場動向

卸売業界の市場規模は37兆5,828億円

日経流通新聞「第45回日本の卸売業調査」によると、全業種の卸530社の2014年度の売上高は37兆5,828億円で前年度比0.4%の減少となりました。

全13業種中9業種が減収で、卸全体で5年ぶりに前年度を下回り、これは消費増税前の13年度の駆け込み需要の反動があったほか、小売業からの価格引き下げ要請が強かったことが影響していると考えられています。

業界の課題

インターネット通販の拡大

スマートフォン等の普及によるインターネット通販の加速が、卸売業界を追い込んでいます。

製造業はネット販売で直接消費者へ商品を販売する直販ルートを開拓し、小売業は製造小売業へと進化し卸売業界に頼らないビジネスモデルを構築しようとしています。こうした状況は、卸売業の売上と利益の低下に追い打ちを掛けており、卸売業界として対応策を考えなければいけません。

業界全体でさらなる情報化・効率化が必要

卸売業界は流通の中間にあり、常にメーカーと小売の板挟みになる傾向があります。

近年、メーカー側の値上げ要求と小売側の値下げ要求は強くなっており、卸売業界の経営環境は厳しさを増しています。とくに中小の卸売業において売上高の伸びもマイナスとなる企業が増えており、今後は取引先への提案力の強化と、同業者やメーカー、小売業と連携して商品情報のデータベース化等の情報化・効率化を図ることで、経営環境を改善していく必要があります。

業界の今後の将来性

新しい需要を作り出すこと

近年における訪日外国人によるインバウンド需要や、東京オリンピック特需とも言える景気浮揚など、近視眼的には市場の活況が期待できる状況となっていますが、人口の減少、少子高齢化、都心部のみに人口が集中する過疎化減少など、国内市場は縮小の一途をたどっています。

従来通りのビジネスモデルを踏襲することは、需要の低下や、小売業界や卸売業界だけではない日本経済そのものの衰退をまねく危険をはらんでおり、今後は、成熟する社会の人口構造の変化などに対応した仕掛けを行うことで需要を作り出すといった新しい施策が必要となります。

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