【業界研究】卸売業界の現状・動向・課題について
そして、その施策の1つとして近年注目されているのが製造小売・製造卸というビジネスモデルです。これは、どこでも買えるナショナルブランドだけの物販業にとどまらずに、小売や卸も積極的に生産・加工に参入して、既存の流通経路で生じるコストを省いてオリジナル商品開発に注力するといったもので、すでに多くの企業に採用されています。
また、仕事の範疇を同一企業内グループだけに限定するのではなく、農協、生協、駅といった地域コミュニティにまで拡大して卸売業界全体でオムニチャネル化していくことも地方創生の起爆剤となり得るでしょう。
利便性を追求するネット通販は、消費者の支持を得ていることもあり、さらに勢力を拡大すると考えられます。卸売業界だけに限らず、単に商品を売るだけのやり方では変化に対応できない時代となっているのです。
おすすめの業界研究本
日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。
国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのが人気の理由です。
複雑でわかりにくい流通というものを体系的にわかりやすく説明してくれている名著です。初版の発行は1994年と古いですが、数年おきに改訂されており現在は第5版となっています。流通を生産・卸・小売とわけて解説しているため、卸に割り当てられているページ数は少ないですが、それでも非常に明快にまとまっているので業界研究の際にはまずこの本から目を通すといいでしょう。