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内定取り消しの場合損害賠償は可能か・内定取り消しの理由

更新日:2020年08月20日

志望する会社や官公庁などから内定は出たものの、内定取り消しされることはないのだろうかと心配する声をよく聞きます。今回は、どんな場合に内定取り消しがされるのか、法律や判例などをお示しするとともに、どのような形で内定取り消しが通知されるのか見ていきましょう。

そもそも内定とは?

就職活動をして、希望の会社などから「内定」が出たときの喜びは格別です。でも、改めて「内定」とはどういうことなのか、その後、正式に働き始めるまでの間は安心しきっていていいのか、などの疑問に明確に答えられる人は意外と少ないです。改めて、「内定」についておさらいしていきましょう。

内定とは何か?

それでは「内定」とはどういうものなのでしょうか。簡単に言うと「雇用の約束」です。新卒の場合を想定すると、3年次から4年次にかけて採用選考を受け、4年次の春以降に採用に通知を内々定あるいは内定として口頭などで受け、10月以降に正式な採用内定通知がなされます。

入社に関する誓約書などを提出するなど一連のプロセスをたどる採用の場合、採用内定の法的性格は、「就労(効力)始期付・解約権留保付労働契約」であると判例上確立しています。(最2小判昭54.7.20 大日本印刷事件 民集33巻5号582頁)

何やら難しい言葉ですが、「就労始期付」とは、「働き始める時期をあらかじめ指定する」ということを、「解約権留保付」とは「労使双方に解約権がある」ということをそれぞれ表しています。つまり、採用内定がなされた時点で、法律的には学生と会社との間に労働契約が成立しています。

内定取り消しは違法なのか?

では、内定取り消しは違法なのでしょうか。法的根拠などを見ていきましょう。

内定取り消しの法的根拠は?

採用内定がなされた時点で、法律的には学生は内定を出した会社の社員になります。従って、内定取り消しは「解雇」に当たります。この点は、特に注意を要するポイントです。

では、内定取り消しが認められる事由にはどういったものがあるのでしょうか。まず、前提となる考え方として、「労働基準法第18条の2」に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、、その権利を乱用したものとして無効とする」と規定しています。

つまり、内定取り消しには、「客観的に合理的な理由」と「社会通念上相当として是認」される必要があるということです。

内定取り消しの原因例は?

それでは、内定取り消しになる具体的な事由を見ていきましょう。

内定後に判明した事情や非違行為がある場合

内定後に会社の採用条件などに合わない事情や非違行為が明らかになった場合は内定取り消しの事由になります。ただし、会社が内定を出す前に知っていたら、または、知ることができる立場にいたとしたら、内定取り消しの事由としては成立しません。

特に、「知ることができる立場」は、「面接を行った事実がある」ことによって知ることができる立場にあったといえる可能性もあるので慎重な判断が必要です。

留年・落第・健康状態

留年や落第によって、入社が間に合わない、あるいは既定の就業日数をこなすことができなくなる場合は、内定取り消しの事由として成立します。健康に関しては、到底働くことができる状態ではないと医師が認めるなど、客観的な判断があれば内定取り消しの事由が成立します。

提出した書類の虚偽記載

提出書類の虚偽記載も内定取り消し事由の一つです。ただし、虚偽が仕事に及ぼす度合いが問題です。

会社の経営状態の悪化

内定後、会社の経営状態が想定外に悪化し、リストラなどが不可欠な場合も内定取り消し事由になります。

内定取り消しはどのように通知するのか?

それでは、内定取り消しはどのように通知するのでしょうか。まず、「解雇」とは、会社から従業員に対する意思表示によって、一方的に労働契約を解除する法律上の行為です。したがって、同意がなくても従業員側に到達した時点でその効力が発生します。

形式についても、労働基準法上の定めはないので、民法の一般原則によって、口頭による解雇通告であっても、従業員に伝達さえすれば有効になります。ただし、後々のトラブルを避けるために、通知のやり方には注意が必要です。

電話の場合は?

内定取り消しの通知形式については、口頭による解雇通告も可能であるということをお示ししました。したがって、電話による内定取り消しの通告も、内定者に伝達さえすれば有効になります。

しかしながら、証拠が残りにくいのであまり良い方法とはいえません。止むを得ず電話による内定取り消しを行わざるをえないい場合は、確かに内定取り消しの通知を行ったという証拠を残す必要があります。音声や発信日時が客観的に判断できるようなものを残すようにしましょう。

初回公開日:2018年04月12日

記載されている内容は2018年04月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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