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2017年09月12日

鑑識・鑑識官になるには(大学/学部)|鑑識の仕事内容・資格・給料

身近なところでは見かけない職業である鑑識についてまとめてみました。この記事では鑑識官以外にも鑑識と関わりのある鑑定についても取り上げています。将来、鑑識や鑑識との関係のある職種で働きたいと興味のあるかたは是非読んでみてください。

鑑識とは

鑑識・鑑識官になるには(大学/学部)|鑑識の仕事内容・資格・給料

鑑識は殺人事件や交通事故、窃盗事件などの犯罪行為が疑われる案件において現場より事件に関する手がかりを収集する専門家です。

ここで収集された証拠は、警察や検察の捜査に必要な証拠であり、裁判所が判決を下すのに必要な判断材料の一つとなる証拠でもあります。また、刑事が張り込みや聞き込みで手にする目撃情報などの人的証拠とは違い、鑑識が収集する証拠は物的証拠となります。

この物的証拠は、揺るぎない事実となるため被疑者や加害者が語る真実をより明らかにするものと言えます。さらに、ここで得られた物的証拠によっては、人的証拠である証言や自供を補強することにもなるので収集する証拠を扱う鑑識の重要性が高いことは明らかです。

鑑識と鑑定

鑑識は、警察や関係者が保存した現場において事件・事故と関係のあるものを押収します。また、指紋や下足痕の照合なども行います。

しかし、押収した体液や毛髪、塗料などについては科学的な専門知識をもつ人によって分析してもらわなければならないので、各都道府県にある科学捜査研究所で鑑定します。この科学捜査研究所で行われる鑑定は裁判所の判断を補助するものとなります。

ですので、鑑識とは現場の残留物などを押収することで、鑑定とは押収物から分析することを指します。

鑑定には以下のようなものがあります。

DNA鑑定

現場に残された体液や毛髪、爪などを現場より鑑識が押収します。

この体液や爪などには細胞が付着してている場合があります。ここで採取された細胞からDNAを抽出し解析することができます。DNAはデオキシリボースと塩基、リン酸から成り立っています。このうち塩基は4種類あり、この塩基の配列の違いから個人を特定することができます。

筆跡・印刷物鑑定

署名や通貨など、私たちの生活の中では様々な公文書がやり取りされています。こういった文書を偽ることは許されません。

筆跡鑑定であれば、一人一人違う文字の特徴から個人を特定することができます。また、印刷物の鑑定においては、インクや紙に使われている化学物質を分析することで個人の特定を進められます。

鑑識の押収物から導かれる筆跡・印刷物の鑑定は犯罪捜査や裁判において重要な証拠となります。

交通事故鑑定

私たちが生活する中で、最も身近な事故が交通事故です。

近年は交通事故件数が減少していますが、全国で年間に60~70万件もの交通事故が発生しています。これは、毎日全国で1900件もの交通事故が起きている計算となります。大小様々な交通事故がありますが、交通事故の発生に繋がる原因を明らかにすることで後の加害者、被害者を無くすことにも繋がります。

この時に行う鑑定では事故の要因以外にも、ひき逃げや当て逃げ等の事件において車両のガラス片やヘッドライト片、塗料の鑑定などから被疑者を特定します。

薬物鑑定

鑑識・鑑識官になるには(大学/学部)|鑑識の仕事内容・資格・給料

日本に限らず世界中で蔓延している薬物問題ですが、最近では危険ドラッグがメディアで取り上げられていました。この危険ドラッグは、覚せい剤や麻薬、コカインなどと同じような成分を含むため、覚せい剤や麻薬、コカインなどと同等かそれ以上の有害な作用を示します。

しかし、脱法ハーブといった名前で市場に出回っていたため、その危険性を知らずに薬物中毒へと陥っていった一般人は多かったようです。現在では、法改正によって脱法と名の付くような危険ドラッグは存在しません。それでも、一度薬物中毒となった人々や覚せい剤や麻薬、コカインなどから危険ドラッグに切り替えた人々などが手に入れようとしています。

手に渡らないように未然に防ぐことも大切ですが、薬物使用者を見つけて薬物依存から起こる事件や事故。また、薬物中毒からくる事件や事故を防ぐことも重要です。

鑑識では、薬物の簡易検査キットを用いて違法薬物を所持していないか調べます。また、危険ドラッグなどの簡易検査キットでは判別しずらいものに関しては、科学捜査研究所や科学警察研究所などで鑑定を行います。

鑑識になるには

主に事故・事件現場から事故・事件と関係のある証拠品を押収するのが鑑識の役割ですが、そんな鑑識になるための方法を紹介します。

ドラマや小説に出てくる鑑識のほとんどは警察に所属していますが、現実もほとんどが同じです。

まずは、警察官採用試験を目指しましょう。警察官採用試験には地方公務員採用試験と国家公務員採用試験の二つがあります。このうちテレビでよく目にする鑑識官は、地方公務員採用試験を合格し各都道府県に配属されている地方公務員の警察官です。国家公務員採用試験で合格した警察官は、一般的に「キャリア」と呼ばれる警察庁勤務の警察官ですので鑑識などの業務にはつけないと考えてください。

地方公務員採用試験

各都道府県が実施する地方公務員採用試験にはa区分とb区分の二つの区分があります。a区分は、大学卒業程度の学力を有する人が受けられる試験でb区分は大学卒業程度の学力を有する人以外が受けられる試験です。

警察官へと進んでからが大変です。希望や配属先の空き状況などの条件が整わなければ鑑識官になることはできないからです。ですので、鑑識官になるために大学を卒業する必要がないように思います。いずれにしても各都道府県によって鑑識課への配属のされ方に違いがあるので、希望する各都道府県の警察官職員採用窓口にお問い合わせください。

以上から、地方公務員採用試験の対策が充実している高校や専門学校、短期大学、大学に進学することをお勧めします。

大学と学部

もし大学への進学を考えているのであれば、第一に公務員試験対策が充実しているということが重要です。上にも記したように、鑑識官となる前に警察官とならなければならないからです。

次に学部ですが、鑑識官というと理学部や工学部、薬学部などの理系に進むと思われがちですが、公務員試験採用後の警察学校で鑑識に関する知識は習得します。なので、大学で鑑識に関する知識を習得する必要があるのかと問われると疑問に思います。ですので、ここでは、通常の警察官を目指す方が比較的多くいらっしゃる文系の学部をおすすめします。特に法学部です。法学部は、公務員試験対策が充実していることが多く、警察官に求められる法知識が身につくため、警察学校や警察官となってからも役立つ知識となるからです。

鑑識と連携する職業

鑑識・鑑識官になるには(大学/学部)|鑑識の仕事内容・資格・給料

警察官となり鑑識課に配属されれば鑑識官として事故・事件現場での証拠品の押収ができるようになります。これは上にも記したように、詳しくは各都道府県の警察職員採用窓口への問い合わせが必要です。

しかし、押収された事故・事件に関する証拠品を鑑識官だけで分析することはできません。これらの押収品のうち特別な科学的知識が必要となる分析に関しては科学捜査研究所に鑑定を依頼しています。

このように鑑識課だけでは分析できない専門的な知識を持って鑑定を行う科学捜査研究所のような組織は国の組織と民間の組織の二つがあります。

科学捜査研究所

科学捜査研究所は、各都道府県の警察本部に一つずつあります。科学捜査研究所では主に法医学分野、心理学分野、文書分野、工学分野、化学分野などに分かれています。それぞれの専門的な分野の知識を活かして、鑑識課からの鑑定嘱託を受けて鑑定を行います。

この科学捜査研究所の研究員になりたい場合は、法医学分野、心理学分野、文書分野、工学分野、化学分野などにおける専門的な知識を身に着ける必要があります。また、学部卒から採用試験を受けられますが、修士や博士の学位を有しているほうが有利なようです。ですが、各都道府県ごとに不定期で採用試験があるのでこまめにホームページを確認する必要があります。

科学警察研究所

科学警察研究所は、各都道府県警察本部の附属機関である科学捜査研究所とは違い警察庁の附属機関として設置されている中央官庁です。科学捜査研究所よりも高い鑑定能力をもつ科学警察研究所は科学捜査についての研究や実験を応用した鑑定方法の研究を行っています。また、科学捜査から犯罪の防止につながるような研究なども行っています。この高い鑑定能力から、全国の科学捜査研究所で分析できないようなものを嘱託されて鑑定します。

この科学警察研究所の研究員になりたい場合は、生物学、医学、化学、薬学、物理学、農学、工学、社会学、教育学、心理学などの専門性の高い知識や技術が必要とされているため、学部卒以上の学力が必要です。また、警察庁の附属機関であることから国家公務員採用試験を受験しなければなりません。かなり難易度の高い試験です。

民間の鑑定研究所

民間の鑑定研究所では、近年話題になっている親子間のDNA鑑定や遺言書の筆跡鑑定などの民事訴訟につながる鑑定を行っている業者や研究所があります。この中には、特定の分野の高度な解析を行い鑑定できる民間の研究所があり、鑑識によって押収された証拠品の中でも科捜研や科警研で鑑定できない特殊なものについての鑑定嘱託があります。

また、一度鑑識などによって警察が断定した事故・事件などに関して、当事者が納得いかなかった場合に民間の鑑定研究所へ鑑定の依頼をするケースもあります。こういったケースでは、交通事故鑑定や火災鑑定などがあります。民間の鑑定研究所の規模によって行える鑑定や精度が異なるので注意しましょう。

こういった民間の鑑定研究所の研究員になるには、民間ですので希望する研究所の採用試験を受けなければなりません。自分がやりたいと思う内容の研究所の採用窓口で確認しましょう。

給料

警察官として採用される鑑識の給料は、地方公務員の規定されている給料と同じものです。地方公務員の給料は国家公務員に準拠した形で、基本給に諸手当が加算されたものです。各都道府県によって基本給と諸手当には違いがあるので、各都道府県にお問い合わせをするのが確実ですが、平均給料は月50万円前後だと思われます。しかし、勤続年数や階級によって給料は大きく変わるので注意して下さい。

真実はいつも一つ

鑑識・鑑識官になるには(大学/学部)|鑑識の仕事内容・資格・給料

鑑識は、事件・事故での証拠品だと判断する高い能力が必要です。一方で、特化した専門知識で証拠品を鑑定するのにも高い能力が必要です。鑑識と鑑定は、どちらかがミスをするだけで、必要のない被疑者を増やしてしまいます。一度でも被疑者となれば、世間からの眼差しが変わり、生活が一変します。そういった方々を生み出さないように鑑識や研究員を目指しましょう。

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