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鑑識・鑑識官になるには(大学/学部)|鑑識の仕事内容・資格・給料

更新日:2024年04月13日

身近なところでは見かけない職業である鑑識についてまとめてみました。この記事では鑑識官以外にも鑑識と関わりのある鑑定についても取り上げています。将来、鑑識や鑑識との関係のある職種で働きたいと興味のあるかたは是非読んでみてください。

鑑識とは

鑑識は殺人事件や交通事故、窃盗事件などの犯罪行為が疑われる案件において現場より事件に関する手がかりを収集する専門家です。

ここで収集された証拠は、警察や検察の捜査に必要な証拠であり、裁判所が判決を下すのに必要な判断材料の一つとなる証拠でもあります。また、刑事が張り込みや聞き込みで手にする目撃情報などの人的証拠とは違い、鑑識が収集する証拠は物的証拠となります。

この物的証拠は、揺るぎない事実となるため被疑者や加害者が語る真実をより明らかにするものと言えます。さらに、ここで得られた物的証拠によっては、人的証拠である証言や自供を補強することにもなるので収集する証拠を扱う鑑識の重要性が高いことは明らかです。

鑑識と鑑定

鑑識は、警察や関係者が保存した現場において事件・事故と関係のあるものを押収します。また、指紋や下足痕の照合なども行います。

しかし、押収した体液や毛髪、塗料などについては科学的な専門知識をもつ人によって分析してもらわなければならないので、各都道府県にある科学捜査研究所で鑑定します。この科学捜査研究所で行われる鑑定は裁判所の判断を補助するものとなります。

ですので、鑑識とは現場の残留物などを押収することで、鑑定とは押収物から分析することを指します。

鑑定には以下のようなものがあります。

DNA鑑定

現場に残された体液や毛髪、爪などを現場より鑑識が押収します。

この体液や爪などには細胞が付着している場合があります。ここで採取された細胞からDNAを抽出し解析することができます。DNAはデオキシリボースと塩基、リン酸から成り立っています。このうち塩基は4種類あり、この塩基の配列の違いから個人を特定することができます。

筆跡・印刷物鑑定

署名や通貨など、私たちの生活の中では様々な公文書がやり取りされています。こういった文書を偽ることは許されません。

筆跡鑑定であれば、一人一人違う文字の特徴から個人を特定することができます。また、印刷物の鑑定においては、インクや紙に使われている化学物質を分析することで個人の特定を進められます。

鑑識の押収物から導かれる筆跡・印刷物の鑑定は犯罪捜査や裁判において重要な証拠となります。

交通事故鑑定

私たちが生活する中で、身近な事故と考えられるのは交通事故です。

近年は交通事故件数が減少しているといわれています。大小様々な交通事故がありますが、交通事故の発生に繋がる原因を明らかにすることで後の加害者、被害者を無くすことにも繋がります。

この時に行う鑑定では事故の要因以外にも、ひき逃げや当て逃げ等の事件において車両のガラス片やヘッドライト片、塗料の鑑定などから被疑者を特定します。

薬物鑑定

日本に限らず世界中で蔓延している薬物問題ですが、最近では危険ドラッグがメディアで取り上げられていました。この危険ドラッグは、覚せい剤や麻薬、コカインなどと同じような成分を含むため、覚せい剤や麻薬、コカインなどと同等かそれ以上の有害な作用を示すといわれています。

しかし、脱法ハーブといった名前で市場に出回っていたため、その危険性を知らずに薬物中毒へと陥っていった一般人は多かったようです。現在では、法改正によって脱法と名の付くような危険ドラッグは存在しません。それでも、一度薬物中毒となった人々や覚せい剤や麻薬、コカインなどから危険ドラッグに切り替えた人々などが手に入れようとしています。

手に渡らないように未然に防ぐことも大切ですが、薬物使用者を見つけて薬物依存から起こる事件や事故。また、薬物中毒からくる事件や事故を防ぐことも重要です。

鑑識では、薬物の簡易検査キットを用いて違法薬物を所持していないか調べます。また、危険ドラッグなどの簡易検査キットでは判別しづらいものに関しては、科学捜査研究所や科学警察研究所などで鑑定を行います。

鑑識になるには

主に事故・事件現場から事故・事件と関係のある証拠品を押収するのが鑑識の役割ですが、そんな鑑識になるための方法を紹介します。

ドラマや小説に出てくる鑑識のほとんどは警察に所属していますが、現実もほとんどが同じです。

まずは、警察官採用試験を目指しましょう。警察官採用試験には地方公務員採用試験と国家公務員採用試験の二つがあります。このうちテレビでよく目にする鑑識官は、地方公務員採用試験を合格し各都道府県に配属されている地方公務員の警察官です。国家公務員採用試験で合格した警察官は、一般的に「キャリア」と呼ばれる警察庁勤務の警察官ですので鑑識などの業務にはつけないと考えてください。

地方公務員採用試験

各都道府県が実施する地方公務員採用試験にはa区分とb区分の二つの区分があります。a区分は、大学卒業程度の学力を有する人が受けられる試験でb区分は大学卒業程度の学力を有する人以外が受けられる試験です。

警察官へと進んでからが大変です。希望や配属先の空き状況などの条件が整わなければ鑑識官になることはできないからです。ですので、鑑識官になるために大学を卒業する必要がないように思います。いずれにしても各都道府県によって鑑識課への配属のされ方に違いがあるので、希望する各都道府県の警察官職員採用窓口にお問い合わせください。

以上から、地方公務員採用試験の対策が充実している高校や専門学校、短期大学、大学に進学することをお勧めします。

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初回公開日:2017年07月23日

記載されている内容は2017年07月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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