樹木医の年収は?目指し方や必要な資格など働き方についても解説
更新日:2024年12月01日
樹木医は専業として活躍するケースが少ないことから、そもそも独立開業して仕事をするというケース自体が珍しいとされています。もちろん専業として独立開業している人もいますが、多くの場合は別の本業を持っているようです。
特に造園業や林業など樹木に関連した仕事を本業としているケースが多いとされていて、そのような働き方をしている人は業務の一環として樹木の診断や治療を行っています。
また樹木に関連していない本業を持っている人も多いようで、そのような人は依頼があった時のみ樹木医としての仕事をこなしているというパターンになっています。
研究機関で働く
樹木医として直接樹木の診断や治療を行っている人ばかりではなく、中には大学および研究所の教職員として森林の保護を行ったり研究を行っている人も少なくありません。研究の内容としては、樹木の生態などを中心としたものとなっています。
ほかにも植物園や庭園などに常駐する形で研究をしている樹木医の人たちもいるようで、こちらは日々管理されている樹木たちの様子を観察しつつ、トラブルを未然に防ぐために活躍しているようです。
場合によっては農林高校などで教鞭を振るいながら樹木医として活躍する人もいるなど、幅広い形で研究を行っている樹木医もいます。
造園業に従事する
ほかにも樹木医の働き先として挙げられるのが、造園業や林業に関連した会社に就職する形です。造園業や林業に従事することで樹木や植物に関わる仕事をしながら経験を積むことができるため、樹木医としても造園業に従事する人間としてもスキルアップにつながります。
造園業や林業に関連した会社の方からしても、樹木医の資格を取得した社員がいることで顧客からの信頼を得やすくなるなど、大きなメリットがあります。
そのような背景から、会社側が樹木医の資格取得を推進・支援している場合もあるので、資格手当など年収面でメリットの大きい働き方としておすすめです。
異業種から樹木医へ転職するとき注意すること
異業種から樹木医に転職することは可能ですが、注意しておきたいのが待遇面です。異業種から樹木医を目指す場合、実務経験の年数がネックとなるのである程度年齢が高くなる場合もあります。それでも年齢に関係なく新卒と同じ扱いであり、給料も同等です。
ただ公園管理運営士や造園修景士など、樹木医に関連する資格を取得しておくと多少優遇されることがあるので、事前に取得しておくのも有効だとされています。
また転職前の仕事内容やスキルによっては給料や年収が下がってしまう可能性もあるので、年収を含めた待遇面はしっかりチェックしておくことが大切です。
樹木医の目指し方と必要な資格
樹木医を目指す場合、特別必要な資格や学歴はありません。ただ資格審査に応募するためには、実務経験の方が重要視されています。
具体的には、樹木の調査・研究、診断・治療、保護・育成・管理のほか、公園緑地の計画・設計・設計監理等に関する業務の経験が7年以上必要です。
ちなみに樹木医補であれば、認定を受けてからの実務経験が1年以上あれば応募資格を得ることが可能です。このためまずは応募資格を取得しなければならないため、樹木医補を目指せばある程度難易度は易しくなるものの、それ以外は難しいと言えます。
受験資格を得た後は、日本緑化センターの樹木医資格審査に応募し、第一次審査(筆記試験)・第二次審査(研修・面接・資格審査)を通過することで資格を取得できます。この合格率も20%程度と低いため、難易度は非常に高いです。
出典:樹木医制度|一般財団法人日本緑化センター
参照:http://www.jpgreen.or.jp/treedoctor/treedoctor2.html
樹木医に向いている人の特徴
樹木医を目指す場合、自分が樹木医に向いているのか、適性があるのかどうかを振り返って考える必要があります。
樹木医に向いている人の特徴としては、主に自然を守っていきたいという気持ちが強い人や虫が好きもしくは平気な人、高い場所に登れる・高い場所に上がっても平気な人などが挙げられているようです。
このような点から、樹木だけではなく自然全体に向き合い続けることに抵抗がない人や興味を持ち続けられるかどうかがポイントになっています。ほかにも、根気強く向き合い続けられる忍耐力や専門的な知識をわかりやすく伝えられる力も大切です。
ここからは、そんな樹木医に向いている人の特徴を3つ解説します。
- 自然を守っていく気持ちが強い
- 虫が好きである
- 高い場所に登れる
自然を守っていく気持ちが強い
樹木医は樹木の健康や生態を維持していく仕事をしており、樹木を守っていくことで緑地や森林の保護など自然を守っていくという重要な役割を担っています。樹木そのものが別に好きではないという人であっても、自然を守りたいという気持ちを持っていることが大切です。
このような点から、樹木や植物などの自然が好きだという人はもちろんですが、自然を守っていこうという気持ちが強い人が樹木医に向いていると考えられています。
また自然を守るという気持ちから樹木や植物に寄り添っていこう、負担の少ない処置をしていこうという、どのような相手にも誠実に対応できる部分も必要です。
虫が好きである
樹木や自然と関わっていくことが多い樹木医という仕事は、虫との関わりを避けることが難しくなっています。樹木は好きでも虫は苦手という人もいますが、そもそも樹木の病気の原因として挙げられやすいのが虫の類です。
このため樹木の診察をしている時に虫と遭遇してしまうことは多くなるので、大量の虫と遭遇しても平気な人やむしろ虫が好きで触っても平気だという人でなければ、診察や処置ができなくなってしまいかねません。
このような点から、樹木医を目指すのであれば虫が好きな人が適していると考えられていて、好きでなくても触れる程度でなければ難しいです。
高い場所に登れる
初回公開日:2022年10月03日
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