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耽美派文学の有名な作家一覧・特徴・小説・雑誌

更新日:2024年07月20日

美学を追求する耽美派文学は、美至上主義を貫く崇高な精神を語る小説です。オスカー・ワイルドを代表格とする耽美派文学は、日本の有名な純文学作家も多く輩出しました。今回は、誰もが一度は触れたことのある、耽美派文学についてご紹介していきます。

慶応大学文学部を中心に刊行された「三田文学」は、三田文学会の主催で現在も続いている、耽美派の作家も多く輩出した雑誌です。日本で一番長く存在している文芸雑誌でもあります。永井荷風を編集長に創刊された「三田文学」は、佐藤春夫などの優秀な塾性を多く輩出しました。谷崎潤一郎の作品も掲載されました。

耽美派文学の特徴は?

耽美派文学には芸術至上主義として美を最高峰に掲げる作品が多く見受けられます。そこに政治的思想やメッセージは特になく、あくまで唯美・審美主義としての小説が描かれています。美そのものに存在意義があるとする耽美派文学は、美を表現するための方法として、恋愛や性に関するエピソードが散りばめられています。

近代文学は?

近代文学は戦前と戦後に分けて論じられることが多いです。戦前は、明治維新後に行われた文明開化により言文一致運動が起こり、文学は漢文からです・ます調やだ・である調へと大きく改革されました。戦後は現代仮名遣いになり、さらに全国規模で近代文学が広まっていきました。

戦前の近代文学は?

坪内逍遥に代表される啓蒙思想は、西洋文明の思想や文学を日本に広めていきます。

二葉亭四迷をもって完成された写実主義的な近代文学は、反対に国粋主義の高まりと共に古典文学への再評価も生み出していきました。自由と解放を求めるロマン主義と、相反する反自然主義も続いて起こりました。夏目漱石や森鴎外がその代表格で、大正時代に入り、耽美派を生み出す源泉となりました。

戦後は?

戦後、反自然主義文学運動が起こるなか、谷崎潤一郎が後期ロマン主義と呼ばれる耽美派文学を生み出します。耽美派文学はスバル、三田文学という雑誌を中心に活動の幅を広げ、多くの著名人を輩出しました。

これに対し、自由・民主主義を背景に人道主義を貫いた白樺派が、純文学の基礎を作りあげます。これらは、新現実主義、大衆小説、モダニズム・プロレタリア文学と変遷を遂げていきます。

耽美派と白樺派の違いは?

白樺派は学習院大学の卒業生を中心とした小説家たちによって作られた文学思想のひとつの形態です。大正デモクラシーの自由な時代背景と共に、理想・人道・個人主義を謳った作品が多く排出されました。自然主義の流れをくむ白樺派は、美を追求する耽美派文学とは違い、泥くさい表現やエピソードにまみれた人間ドラマが描かれています。

耽美派文学の定義とは?

美学の真髄であう耽美派文学は常に、それぞれが渇望する美を主題としています。それがいかに美しく、手に入らないものであるのか。どうやってそれを見つけ出し、自分の中でどう折り合いをつけ、昇華していくのか。美を自分の中へ取り込むまでの過程が、いろいろな耽美派文学では一貫して語られています。

耽美派文学をたのしもう!

耽美派文学に馴染みがない人も、三島由紀夫や谷崎潤一郎は学校で習います。明治から昭和を代表する文豪たちは、美に対して異常なまでの執着を描き上げました。その純粋さ、探究心は、現代人の心にも共通する、美への憧れです。ぜひ、古き良き時代の耽美派文学を味わってみてください。

初回公開日:2018年04月16日

記載されている内容は2018年04月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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