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「ご無沙汰しております」を使った手紙|書き方/場面/例文

更新日:2023年12月29日

「ご無沙汰しております」という挨拶文は、手紙文の冒頭において気軽に使うものです。この「ご無沙汰しております」の本来の意味とは何か、どのような手紙の中で、どのような相手に使うのか、さらに「お久しぶり」との違いを実例を交えて詳しく紹介します。

「ご無沙汰」の意味

「沙汰」とは?

「沙」は砂、「汰」は選らび分ける意味があり、水の中で揺すって砂を捨て米或いは砂金を選び分けること、つまり物事の是非・善悪などを論じて定めて、それに従って「処理すること」或いは「裁定すること」を「沙汰」というようになりました。

さらに、この「裁定結果」を知らせることから転じて、「沙汰」は、「便り、知らせ」という意味をも持つようになりました。テレビの時代劇では、「追って沙汰する」「沙汰のあるまで待て」という言い回しが良く登場します。これらは、「裁定結果の知らせ」を待つようにという意味です。

「ご無沙汰しております」とは?

「沙汰」とは「便り、知らせ」ですから、「便りや知らせが無い」ことは「無沙汰」と表現します。さらに、相手に対して、長い間会わなかった場合或いは、便りを出さない状態が続いた際に、そのことに対して、相手に申し訳ない気持ちを表現するために、「ご無沙汰しております」と言います。「ご無沙汰」は、相手を敬う意味合いから「ご」をつけ、さらに「おります」によって謙り、全体として謙譲表現になっています。

「ご無沙汰しております」を使う場面と手紙

メール文化が発達した現代において、手紙をやり取りする機会はひと昔前と比べると極端に減っています。そんな中、年賀状という手紙の手段だけは、年々少しずつ減ってはいるものの多くの日本人がやり取りをしています。久しく会ってない人や、しばらく連絡を取っていない人の中には、今後とも関係を維持したい人も存在します。

そのような人々には、年賀状という手紙の中で「ご無沙汰しております」を使った挨拶によって、その関係を維持することができます。さらには、年賀状ほどの利用者はいませんが、「暑中見舞い」「残暑見舞い」「寒中見舞い」という手紙によってもその関係を維持することができます。

年賀状という手紙

年賀状という慣習の歴史は古く、平安時代までさかのぼります。現代のような葉書形式になったのは、明治になり郵便制度が始まった頃です。年賀状という手紙には、人とのつながりを大切にしながら、相手を思いやる日本人の心が表現されています。

ひと昔前は、ほとんどの人が、手書きにより作成していました。しかしかながら、現代においては、家庭にもパソコンやプリンターが完全普及しており、きれいな写真、きれいなイラストときれいな活字による年賀状が簡単に作成できるようになりました。

手書きをしていた時代の1/10程度の労力で済むようになり、受け取った側も、昔と比べると有難みが減った感があります。でも、そのような中で、手書きで「ご無沙汰しております。お元気でしょうか。」と添えてあると、受け取った側にはきれな活字の10倍程度の気持ちが伝わることになります。

きれいな活字が溢れている現代において、達筆である必要は全くなく、「手書き」というところに価値があります。手で書くから「手紙」というのです。作成枚数にもよりますが、年賀状という手紙は可能な限り、手書き部分が多いほど、受け取り側に気持ちが伝わります。

「暑中見舞い」「残暑見舞い」「寒中見舞い」という手紙

日本には四季があり、暑さ・寒さが厳しい時期に親しい人の安否を気遣い、家を訪問したり手紙を出す慣習が古くから存在します。それが「暑中見舞い」「残暑見舞い」「寒中見舞い」であり、現代でも葉書により取り交わされています。

時期としては、暑さが徐々に強くなる暦の「小暑」から「立秋」までが、「暑中見舞い」であり、それ以降が「残暑見舞い」となります。「寒中見舞い」は、小寒から立春までに取り交わすことになります。

これらの見舞いの手紙の中に、年賀状と同様に「手書き」で「ご無沙汰しております。お元気でしょうか。」と、一言添えてあると受け取り側は、大変嬉しいものです。特に、「寒中見舞い」は、喪中で年賀状が出せなかった場合、或いは年賀状を出しそびれた際には、非常に効果的に相手に気持ちが伝わる手紙と言えます。

「ご無沙汰」の期間はどのくらい?


「ご無沙汰しております」は、前述しましたように敬語(謙譲語)表現として使用されます。従って、ビジネスの世界においては、久しぶりに訪問する際の取引先、或いは上司・先輩への冒頭の挨拶として「ご無沙汰しております」を使います。久しぶりの期間としては、決まったものはありませんが、大まかな目安としては、2、3ヶ月以上とされています。

それ以上の時間が経過している際には、「大変ご無沙汰しております」とすれば良いでしょう。また、目上の相手から先に「お久しぶり」「久しぶり」と声をかけられた際には「こちらこそご無沙汰しております」と応えましょう。「こちらこそお久しぶりです」と応えるのは、相手によっては失礼になる場合があります。

「ご無沙汰しております」の後に続く文章

手紙の冒頭は、書き出し難いものですが、まずは「ご無沙汰しております」で書き出すと、あとの文章がスムーズに出てきます。手紙作成の目的、手紙を出す相手に合わせて、以下のような文章を続けることでさらにスラスラと筆が進みます。

詫びの言葉

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初回公開日:2017年10月25日

記載されている内容は2017年10月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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