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2017年10月09日

引用文献の書き方・参考文献との違い・書誌情報の書き方

引用文献や参照文献というものの定義および形式を説明しています。そして利用の際に必要となる書誌情報というものはどのようなものか、引用文献や参照文献に利用する際その明記の仕方といったものを書いています。くわえて文献を利用する際の注意点も記載しました。

引用や参照を行う意義

大学でレポートや論文を書く際、引用文献や参考文献を明記することを求められます。理由としては、研究上文献での調査を行わなかったという場合、何も調べずに机上の空論を並べ立てただけと言っているのと同義になってしまうからです。

とはいえ、基本的には書物には著作権というものが存在します。それでは引用文献や参考文献の利用は著作権違反になるのではという声も聞こえます。しかし、著作権法は例外を設け、著作権者に許しを得なくても公表された著作物を利用することができる例外を設けています。引用はその中の一つです。

ですが、レポートを書くのが初めてだったりすると、引用というものはどのように記述し、そして文献の記載もどのように行うのかがいまいち分からないという人も少なくないでしょう。

この文章では、引用文献および参考文献の解説と、それらの違いや具体的な記述方法を解説しています。

引用文献とは

まず引用文献の解説になりますが、文献の文言をそのままのかたちで利用することを引用と言います。そして、その文献が掲載されている文献を引用文献といいます。これには、他人の見解および研究結果といったものを根拠として使用する場合の他、先行研究の図表を掲載するときも引用に含まれるため明記することが必要になります。

正式な学術論文では引用を行う場合、引用文献の著者名は当然ながら出版年次、タイトル、出版社を明記した他、その本の何ページ目から引用をしたかまでを書いてはじめて引用と認められます。

なお、パブリックドメイン(特許権や著作権がなくなり、誰でも自由に利用できる状態になっているもの)からの引用だったとしても、出典を明記する必要があります。

引用文献の記述を怠った場合

なお、引用文献の記載を怠ると無断引用ということで、剽窃(ひょうせつ)という扱いになります。これは、文章の表現および内容を盗むという意味です。丸写しのコピーでないにせよ、他人の文章を自分の言葉で言い換えて文章を作っている場合もその文章は剽窃ということになります。

アメリカなど、海外の大学では剽窃に対する扱いは厳しく、学問に対する基本的姿勢に問題があるとみなされ、退学も含めた懲罰対象になります。学術世界では重大な犯罪なのです。

ところが日本は、学生に剽窃という行為に対して学生側に罪の意識が薄いということもあり、頻繁に行われているのが現状です(それでも大学によってはその科目の単位認定が認められなくなったりはします)。

引用文献の書き方

それでは、引用文献の具体的な書き方を記載しておきたいと思います。

引用の基本的な書き方

他人の書いた文章をそのまま書き写して論文等に使用することを直接引用と言います。

文中での引用の書き方は、書籍の場合引用部分を「」(かぎかっこ)または””(ダブルクオーテーション)にて囲んで示します。そして末尾に著者の姓、出版年(その版の第1版のものを書きます)、所在ページを()内に書いていきます。

なお、引用が複数ページに渡っているときは、引用「pp.104-105」といった書き方になります。そして単ページの引用でも、複数ページの引用でも、引用は必要な部分のみに絞り込んで無駄に長くならないよう絞り込みます。

筆頭著者の扱いについて

引用文献の書き方ですが、原則として引用文献は著者の姓のアルファベット順に配列していきます。共著という形で複数の人間によって書かれた文献の場合は、筆頭著者の姓を先頭にして「第2著者の姓」と続けて書いていきます。

そして、文献を中心になって執筆した人物のことを筆頭著者と言います。複数の著者が筆頭著者の扱いを受けている場合、「○○と△△は筆頭著者として同等に貢献した」と脚注で示したり、論文冒頭の執筆者に注をつけ、『Authors' names appear alphabetically』もしくは『The authors' names are in alphabetical order』と記載することもあります。

とはいえ、筆頭著者の扱いはかなり重要なものであるため、筆頭著者はきちんと調べてから記載するべきです。なお論文の提出先によって、こういった扱いや表記も変わってくることがあります。事前にきちんと調べてから提出してください。

引用文献と参考文献の違い

参考文献というものもありますが、まず引用文献とはどのような違いがあるのかを解説したいと思います。参考文献とは、レポートや論文といったものを著述する際に参考にした図書や新聞記事、くわえて本を探すための情報のことである書誌事項が記載されていたものもこれに含まれます。

引用文献は、そのままの形で使った文章が記載されている文献を指しますが、参考文献とは自分の著作として文章を書くにあたり、漠然と参考になった文献のことを指し示します。

スタイル別の引用記載方法

引用や参考文献の書き方ですが、これも様々なスタイルがあります。自分の書く論文のジャンルに合わせたスタイルを使用してください。なお、論文の中ではスタイルを統一します。

1.シカゴスタイル
人文系(歴史学・語学等)でよく用いられるスタイル

2.SIST02
主に日本語、特に科学技術を対象にしたスタイル

3.NLMスタイル
医学・生物学分野でよく用いられるスタイル

4.ACSスタイル
ACS(アメリカ化学会)で定められたスタイルで、化学文野でよく用いられる

5.IEEEスタイル
IEEE(電気電子学会)で定められたスタイル、電気・通信・電子・情報工学分野でよく用いられる

6.APAスタイル
APA(アメリカ心理学会)で定められたスタイル、社会化学分野(心理学・社会学等)でよく用いられる

7.MLAスタイル
MLA(アメリカ現代語学文学協会)で定められたスタイル、人文系でよく用いられる

書誌情報とは

書籍を特定するために明記する情報を「書誌要素」といいます。著者名やタイトル、出版社といったもののことです。参考文献も引用文献も、論文のジャンルによってこれらの記載スタイルは変わります。執筆する前にきちんと調べてください。

分かりやすく日本語の論文で使われることの多い形式である「SIST 02:2007」にて説明すると、記載する書誌要素は次のようなものになります。

1.書籍に関する書誌要素:著者名、編集者など
2.表題に関する書誌要素:署名、論文のタイトル、雑誌名など
3.出版・物理的特徴に関する書誌要素:出版者、出版年、雑誌の巻数・号数、ページなど
4.注記的な書誌情報:媒体表示、入手方法、入手日付など

出典: https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/2009gakusei-sien/researchin... |

文献リストでは、この書誌要素を数字の順番に記載していきます。なお、リスト内の集まりの間に区切りを入れる場合は「.」(ピリオド)を使って、書誌要素の間に区切りを入れる場合は「,」(コンマ)を原則使用します。

多数の書籍が出版されて流通されているわけですが、ここで著者名と署名しか記載がない場合だと、書籍の特定に時間がかかってしまいます。そのため「書誌要素」というものを記述する必要があるわけです。

書誌情報を明記する方法

引用文献も参照文献も文末に書誌情報を記載します。なお、引用文献と参考文献を分けて書くか書かないかは、学校や媒体により書式が指定されている場合がありますので、それに従います。なお、書誌情報ですが媒体の違いによって多少掲載情報が変わってきます。以下は、その例になっています。

【雑誌論文】
著者名(発表年).タイトル 雑誌名、巻数、 所在ページ
・なお雑誌論文の場合はpp.をつけません。そして巻数のみで、号数は示さなくていいことになっています。表記はボールド体で書きます。

【書籍】
著者名(出版年).タイトル 発行所

【外国の書籍】
著者名(出版年).タイトル 発行所
・日本の書籍と同じ情報を明記していきますが、書名は最初の1文字だけを大文字にして他はすべて小文字にし、イタリック体で表記します。

【翻訳書】
現著者英語名 (原書の出版年).タイトル 原書の出版社.(現著者カナ名 訳者(訳)(訳書の出版年).訳書のタイトル 訳書の出版社)
・これも一般の外国の書籍同様、署名は最初の1文字だけ大文字にしてあとは小文字で明記し、イタリック体で表記します。

【複数著者のいる書籍の一部を引用するケース】
章の著者名(出版年).章のタイトル 本の著者・編者名 本のタイトル 発行所 所在ページ
・その引用を行った章節レベルの著者をはっきり明記し、引用を行います。

【編集書】
著者名(編)(出版年).タイトル 発行所
・著者名のあとに(編)をつけます。外国語の文献の場合は(Ed.)編者が複数の場合は(Eds.)になります。

【修士論文】
著者名(執筆年).タイトル どの大学の学位論文であるか明記(未公刊)
・学位論文の利用の場合は「未公刊資料」であることを明記する。

今回は引用文献についてご紹介しました。

引用文献も参照文献も、その論文によって決まった形式があるため、執筆の前にきちんと調べてから論文に取りかかるということが一番大切なことです。引用文献を明記する意味ですが、これは著作権にのっとったものだと言えます。明記しないと著作権違反となり、それはすなわち盗用になってしまいます。

さらに参考文献の明記ですが、レポートでも論文でも、研究についての考え方、つまり自説が何もないところからいきなり出てくることはありえません。それは、先人の研究や思考を学んだがため生まれた産物であると言えます。

そして、引用文献も参考文献も先人の研究に敬意を払う意味を持っています。そのため、引用文献・参考文献は明記しなければならないのです。

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