「おおきに」の意味|方言や語源・「おおきに」の真逆使い方2例
更新日:2024年07月17日
100年以上も前に書かれた、福澤諭吉の名著『学問のすゝめ』を、関西弁でコミカルに翻訳したのが本著です。難しい内容も、関西弁ならスーッと頭に入って来るかも!? 大阪出身の福澤諭吉の語り口調を楽しみながら、名著に親しみましょう。
「おおきに」と同義の方言
方言にもかかわらず、「おおきに」は全国的に知れ渡っています。しかし、日本各地には「おおきに」と同じような意味を持つ個性的な言葉がたくさんあります。ここで一部を紹介します。あなたはご存知でしたか。
めやぐ
「めやぐ」は、津軽弁で「ありがとう」など感謝の意を表すときに使う言葉です。「迷惑」がなまった言葉と考えられますが、ここで言う「めやぐ」は標準語の「迷惑」の意味ではなく、「申し訳ない」という意味から「ありがとう」に転じた意味を持っています。
「こした良い品もらって、めやぐだじゃ」
例えば、めやぐだはこんなふうに用います。標準語にすると「こんな良い品をもらって、申し訳ない(→ありがとう)」となります。
だんだん
「だんだん」は、島根県出雲地方で「ありがとう」を意味する方言です。もともとは「だんだんありがとう」でしたが、「ありがとう」が省略されて「だんだん」になったとされています。
「だんだん」とは、「少しずつ」「徐々に」といった意味ですが、かつては「いろいろと」「重ね重ね」の意味もありました。「だんだんありがとう」は「いろいろとありがとう」ということです。
たえがたい
「耐え難い」は、標準語なら「我慢ができない」という意味ですが、山口弁の「たえがたい」は意味が異なります。
「そこまでしてもろーたら、たえがたい」
例えば、誰かによくしてもらったとき、このように言います。「そこまでしてもらったら、恐縮です」という意味です。「たえがたい」は、別の言葉に置き換えると「恐縮だ」「申し訳ない」「すまない」になりますが、謝罪するときに使うのではなく、感謝を表すときに使います。
きのどく
「気の毒」というと、標準語では慰や同情の意味で使いますが、「ありがとう」の意味で「きのどく」を使う地方もあります。
「そんなにたくさんのお土産をもらって、きのどくなぁ」
例えば、富山県では、誰かからたくさんのお土産をいただき、「うわっ、ありがとう」と感謝を表すのに、上記のような表現をします。同様に福井県や石川県でも「きのどく」を「ありがとう」の意味で使います。
ごちそうさま
「ごちそうさま」は、食べ物をもらったり、食事をご馳走になったときに使う言葉です。「ありがとう」の意味が込められていますが、食べ物以外のものをもらったときには使いません。
ところが、新潟では、どんなものをもらっても、お礼に「ごちそうさま」の方言「ごっつぉさん」を使います。
「そこにある本、どうせ処分するのだから、好きなだけ持って行きなさいよ
「ほんと!? ごっつぉさん」
例えば、こんなふうに使います。
「おおきに」の用例や類語の表現をゲットしよう
「おおきに」は「大阪弁の万能語」と呼ばれるように、使いこなせれば、とても重宝する言葉です。どんなときに使うのか、また、似たような言葉はどう使うのか、用例、そして、類語の使い方をマスターしておきましょう。
対語「どういたしまして」も極め尽くそう
「おおきに」は「ありがとう」の意味を持つ言葉ですから、対語は「どういたしまして」です。とはいえ、「おおきに」と関西弁で言われたとき、「どういたしまして」と標準語で返すのも面白みに欠けます。この際ですから、「どういたしまして」も関西弁を覚えておくといいでしょう。
初回公開日:2017年12月23日
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