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「ルフラン」の意味と使い方・由来|フランス語/魂のルフラン

更新日:2024年07月18日

『魂のルフラン』という楽曲などで使われている「ルフラン」という単語。あまり多く目にする機会はないかもしれませんが、この「ルフラン」という単語の意味を知っているでしょうか。今回は「ルフラン」という単語が持つ意味や使われ方を紹介していきます。

フランス語など

フランス語における「ルフラン」あるいは英語における「リフレイン」という単語の語源はいくつかあります。特に英語においての「リフレイン」には、自動詞の「抑える」や「我慢する」という意味と、名詞の「繰り返し」という意味があり、これらは多義を持つ単語ではなく、実は同音異義語です。そのため、それぞれの意味に対しての語源が存在しています。

たとえば、「抑える」や「我慢する」などの意味の語源はアングロノルマン語の「refraindre」、中期フランス語の「refreindre」やラテン語の「refrangere」などがあり、また「繰り返す」という意味では古フランス語である「refrain(「順序を乱す」という意味のrefraindreの過去分詞形)」があります。

これらの元となる語句から英語への変遷の内に同じ「refrain」という単語に統合され、同音異義語として成り立ちました。

エヴァンゲリオンでの「ルフラン」の意味

ここまでは「ルフラン」という単語が持つ意味とその成り立ちを紹介してきましたが、ここからの内容は1995年に放送が開始された『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメ作品の中で使われている「ルフラン」という言葉に注目していきます。

本作は20年以上もの間一定のファン層を持ち続け、ファンの中で作中に登場する謎の深い言葉や用語、あるいは作中描画の意味が考察され続けている作品です。

2007年には『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』として新たな劇場版シリーズが開始され、2012年には3作目の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が公開されています。シリーズ最終作と思われる『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の公開に備え、新たに明らかになった謎を含めた考察などがなされています。

そんな『新世紀エヴァンゲリオン』の作品内の描写を絡めて、この作品で使われた『魂のルフラン』という楽曲に注目していきましょう。

魂のルフラン

『魂のルフラン』は、テレビシリーズ終了後に公開された『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生』の主題歌として起用された高橋洋子氏が歌う楽曲を指します。

『魂のルフラン』は『エヴァンゲリオン』作品内でも非常にの高い楽曲のひとつであり、一般的ながある現在に比べて『エヴァンゲリオン』や高橋洋子氏の知名度がなかった当時、アニメソングとして発売された『魂のルフラン』は、オリコンシングルチャートの初週3位を飾りました。

その際には、当時一般的でないアニメソングのインに対して「意外な曲」という紹介をするなど、当時のオリコンチャートにおいて『魂のルフラン』のランクインが異例なものであることを示すものもありました。

曲のテーマ

『魂のルフラン』は、先述したように『新世紀エヴァンゲリオン』の劇場版での主題歌であり、楽曲の制作の際には、作品に合うテーマに沿って歌詞が書かれています。

『魂のルフラン』の作詞を担当したのは、数々のアニメソングの作詞を手掛けてきた及川眠子氏ですが、『魂のルフラン』の作詞に携わった際には、本編1話分のVTRをプロデューサーから渡され、その映像を見て及川氏が感じたことを詞に書き起こしてほしいという指定だったといいます。

その映像の中で及川氏が感じ取ったのは、「人が死んで、生き返る」こと。つまりは「輪廻転生」がテーマであるという結論に至り、『魂のルフラン』の歌詞ができあがったとのことです。

『エヴァンゲリオン』と『魂のルフラン』の関連部分

『新世紀エヴァンゲリオン』は難解なシナリオの中、大人達の都合と多感な思春期の少年少女らと間の描写が濃く描かれた作品です。その中で「人類補完計画」というひとつのキーワードが物語を通して語られます。

作中では専門用語が非常に多く会話の中に織り交ぜられており、難解に聞こえてしまいますが、「人類補完計画」を単純に説明するならば、「いがみ合う人類を個体ではなくひとつになることで争うを失くす」ことを目的にした計画です。

その過程で、作中に存在している「現人類」が一度「心の壁(=作中に出てくるATフィールド)」を取り払って自分であることをやめること、つまり「個体における死」を経て、ひとつになった新たな人類に「生まれ変わる」という「死と新生」が行われます。

劇場版にて「人類補完計画」の結末が見られますが、『魂のルフラン』の歌詞に描かれた内容は作中の「人類補完計画」にシンクロする部分が見られます。

心よ原始に戻れ

『魂のルフラン』のカップリング曲であり、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』のイメージソングになった『心よ原始に戻れ』という曲があります。こちらは作中で使用されることがなく、『魂のルフラン』よりも知名度は落ちますが、こちらもまた劇場版の内容を色濃く表した内容になります。

作中では、「人類補完計画」が「心の補完」が目的のひとつであることが語られます。「人類補完計画」を経て、生命の泉である「LCL」へと帰り融け合うことでひとつとなり新たな人類になります。

この「LCL」は作中に登場する「リリス」と呼ばれる現人類の母とも呼べる存在の体液であると明かされます。「LCL」に融け合う=「母体への帰還」を示しており、『心よ原始に戻れ』の歌詞はそれを示しています。

『魂のルフラン』と『心よ原始に戻れ』の1枚のCDで輪廻転生と母体への回帰を描いたひとつの作品になります。

ルフランという言葉の意味を知っていましたか?

この記事を読む以前に「ルフラン」という言葉の意味や使われ方を知っていた方はどれくらいいたでしょうか。「ルフラン」という言葉の響きは聞いたことがあったり、紹介した『魂のルフラン』などの作品内での言葉として認識されていた方もいるのではないでしょうか。

語源を辿れば古フランス語であったりしますが、現在では「リフレイン」という英語の方が多く使われています。「リフレイン」という単語の意味は知っていても、これと「ルフラン」が結びつかなかった人も多いのではないでしょうか。

日常生活の中で「ルフラン」という単語を使うことはあまり多くはないでしょうが、作品などで出てきた時に、「そういえばルフランの意味はこうだったな」と思い返していただければ幸いです。

初回公開日:2018年01月30日

記載されている内容は2018年01月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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