「緩衝」の意味と使い方｜例文５例・類語・干渉との違い

「緩衝役」とは、人と人の間を取り持つ役割を果たす人のことです。考え方が異なる人どうしはときとしてぶつかり合ってしまい、人間関係が悪化してしまう場合があります。

「緩衝役」となる人が間に入ることで、これがうまくいく場合もあります。「緩衝役」は人どうしの架け橋の役割を担う人であると言えるでしょう。友達グループでも、まったく違うタイプの人間が同じグループにいられるのは「緩衝役」の存在によることが多いです。

例文４：緩衝液

「緩衝液」とは、pHが変わりにくい溶液のことです。生物を用いた理系の研究でよく用いられます。

また、生物体内にも緩衝液は標準的に備わっています。なぜなら、外界の影響を受けて体液のpHが大きく変わってしまうと、命に係わる危険な状態に陥る可能性があるからです。私たち動物は、緩衝液の働きによってどんなものを食べても、どんな環境で生活をしても、生きていくことができるようになっています。

例文５：緩衝地帯

「緩衝地帯」とは、国どうしの衝突を避けるため、国境沿いをどちらの持ち物でもない中間の土地とすることです。国どうしの衝突とは、すなわち「戦争」のことです。

日本は島国なので想像しづらいですが、大陸にある国々は互いに接し合っているため衝突が起こりやすくなっています。あまりにも衝突が激しいとその国に住む人たちの生活が脅かされてしまいますので、「緩衝地帯」を設けて衝突を避けることがあります。

干渉との違い

「かんしょう」という読み方をする単語に、「干渉」という言葉もありますが、「緩衝」との違いは何なのでしょうか。この2つの「かんしょう」は読み方は同じでも全く異なる意味を持ちます。

以下に、「干渉」の意味と使われ方の例を紹介していきます。「干渉」という言葉も「緩衝」と同じように幅広くいろいろな分野で用いられる言葉です。ぜひ使い方を覚えておきましょう。

読み方

先に述べたとおり、「緩衝」と「干渉」の読み方は「かんしょう」であり、まったく同じです。アクセントも全く同じなので、この単語だけを発話したときにはどちらなのか判断することができないでしょう。

ただし、文脈上であれば簡単にどちらであるか判断することができます。この2つの「かんしょう」は似ても似つかないまったく違う意味を持ちます。以下に「干渉」の意味を説明します。

意味

「干渉」の意味を簡単に説明すると、他人のことに立ち入ったり口出しをすることを言います。「過干渉」はさらに必要以上に干渉することです。これは子供への虐待の一種でもあり、一度は耳にしたことのある言葉ではないでしょうか。

以下の記事では、その「干渉」について意味や使い方などを説明しています。知っているようで案外詳しく考えたことがない方が多い「干渉」の意味について、この機会にぜひきちんと覚えておきましょう。

例文１：干渉する

「干渉する」とは、「他人の事情に立ち入る」「口出しをする」「割り入る」という意味です。自分には関係ないことにも首を突っ込むことに対して使われることもあります。

ただし、「干渉」という言葉自体は「他人に関わる」という意味であり、「余計なお世話」という意味は含まれていません。しかし、使う人のニュアンスや、状況によって「首を突っ込んでくる」「うるさい」「邪魔くさい」という意味になることもあります。

例文２：過干渉

「過干渉」とは、「干渉」の度が過ぎている、つまり「干渉しすぎている」ことを表す言葉です。「過干渉」は明らかにマイナスのイメージをまとった言葉です。

親が愛ゆえに子供のことを心配し、「干渉」するのはごくごく普通のことですが、「一時も離れられない」「友達関係すべてに口出しする」「年齢に見合わない門限を強いる」など、「やりすぎだ」と思われるようなことまでしてしまうのは「過干渉」に当たります。

例文３：内部干渉

「内部干渉」とは、相手の内部に入り込んでこちらの意思を紛れ込ませる「干渉」のことであり、主に政治の場やビジネスシーンで使われる言葉です。

言ってしまえば「スパイ」のような形で相手の意思を操作する戦略のことです。内部から相手の意思に「干渉」するので「内部干渉」です。ビジネスシーンでは、競合相手に勝つために相手の不利益になるような路線に誘導していくために「内部干渉」が行われることもあります。

日本語には似ている言葉がいっぱい

日本語には、読み方が似ている言葉、意味が似ている言葉がたくさんあります。「微妙なニュアンスを表す言葉」が多いのが日本語の特徴だと言われることもあります。

外国人だけでなく、ネイティブであるはずの日本人も時には混乱してしまうこともあるでしょう。この本は、「そういえばこの違いは何なのだろう」と疑問を持つような言葉が多数集められ、クイズ形式で楽しむことができます。お手に取ってみてはいかがでしょうか。