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「サンサーラ」の意味と使い方・由来|中孝介/サンスクリット語

更新日:2024年02月07日

皆さんは、「サンサーラ」という言葉を聞いたことがありますか。本のタイトルや、ゲームの題名、もしくは音楽のタイトルなどでも見かけたり、聞いたことがあるかもしれません。この記事では「サンサーラ」の意味と使われている作品などをご紹介します。

「サンサーラ」の意味って知ってる?

「サンサーラ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。小説やゲームのタイトル、もしくは映画で見かけたことがあるという人もいるでしょう。この記事では、「サンサーラ」の意味や由来、「サンサーラ」という言葉が使われている作品などもご紹介していきます。

「サンサーラ」は「輪廻転生」という意味

「サンサーラ」とは、 いわゆる「仏教用語」です。インドの代表的であり伝統的な転生観である「輪廻」を意味する言葉です。また、生まれ変わりの観念全般を意味する「転成」という意味も持っているので、広く「輪廻転生」という意味を示す言葉として使われています。

インドの古代宗教である「ジャイナ教」という宗教では、断食による入滅を輪廻への入り口としています。その入滅を「輪廻」という意味として扱い、「サンサーラ」と呼んでいました。

輪廻転生を意味する「サンサーラ」ですが、その輪廻から「解脱」することがインドの宗教の最高到達点として定めています。他にもインド宗教から派生し、仏教やヒンドゥー教でもこの「解脱」が最高の理想とされています。

「サンサーラ」の由来とは?

仏教用語である「サンサーラ」ですが、「サンサーラ」とは「サンスクリット語」にあたります。日本では「梵字」、または「梵語」としての言葉の方が、聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。「サンスクリット語」も少しだけご紹介します。

サンスクリット語とは?

サンスクリットとは、英語で「Sanskrit」とつづります。また、梵語では「संस्कृत」と書きます。サンスクリット語以前にインドやサウジアラビアの言葉になれていない日本人では、何処をどう読んだらいいのか全く分かりません。昔の日本語のように右から読んでいくそうですが、なかなか難しいです。

古代インド・アーリア語に属する言語である「サンスクリット語」は、インドなどアジア圏において用いられた古代語になります。文学、学術、宗教、哲学などの分野で広く用いられました。また、上記のように、ヒンドゥー教、仏教、シーク教、ジャイナ教の礼拝用言語でもあります。

その権威は現在でも大きく、母語話者は少ないですが、現代インドの22の公用語の1つで、今も使われているきちんとした現代語です。

「完成された言語」を意味する

「サンスクリット」とは、「完成された・洗練された言語、雅語」を意味します。日本では、言語であることを示すべくサンスクリットに「語」をつけ「サンスクリット語」と呼ばれています。

漢字表記の梵語(ぼんご)は、中国や日本でのサンスクリットの異称になります。日本では近代以前からサンスクリットの原文を、漢字で翻訳したものなどを通して使われてきました。主に、「般若心経」などが代表的です。梵語は、サンスクリットの起源を「造物神ブラフマン」、つまり「梵天」とするインドの伝承を基にした言葉です。

「サンサーラ」が使われている場面とは?

先ほど例に出した音楽のタイトルや映画の題名以外で使われているというと、やはりヒンドゥー教や、仏教関係の書物、また、「真言」などで知られる「大日経」などの密教経典に由来する、多くの大乗仏教の宗派で用いられたりしています。

日本語に訳すのではなく、サンスクリット語の響きをそのまま使っている文献が多く、陰陽師などの作品で耳にする「オンアビラウンケンソワカ」という言葉も、実はサンスクリット語から派生した言葉です。

日本ではいつから使われるようになったのか?

日本では、サンスクリット語の見出しで少し触れたとおり、近代以前からサンスクリット語の原文を漢字に直して使われていました。「サンサーラ」という言葉もこの時から漢字に翻訳され日本でも使われるようになったといって良いでしょう。

日本へは中国からの経由で、仏教、仏典とともに、サンスクリットにまつわる知識や単語、意味などを取り入れてきました。その時期は、遅くとも真言宗の開祖空海まではさかのぼれることが分かっているので、もしかしたらそれ以前からどこかから伝わってきていた可能性もあります。

中孝介の「サンサーラ」

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初回公開日:2018年03月04日

記載されている内容は2018年03月04日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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