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「備考」の意味と使い方・「補足」「摘要」との違い・類語

更新日:2024年02月12日

ほとんどの方が聞いたことのあるであろう「備考」、なんとなく使っている方も多いでしょうがその意味や使い方について正確に理解できているでしょうか。そんな「備考」の意味や、数多くある似たような意味や語感の語句との違いや使い分け方とともにご紹介して参ります。

「備考」と「追記」「加筆」の意味の違い

「追記(ついき)」も前述の「付記」「補記」と同じように、本文に付け加えて書き足すことを意味しますが、「付記」「補記」とは違い、最初の構成では予定されていなかった部分で、「追加して」加えられるため「備考」とは意味合いが異なります。

また「加筆(かひつ)」も後から書き加えられるという点では「追記」と同じ意味になりますが、本文の校正時や改訂時に本文の文章そのものに手を加えるため全く別物であるといえます。

「備考」と「摘要」の意味の違い

「補足」よりは頻度は少なくとも時折耳にする「摘要」と言う言葉についてです。「摘要」は「てきよう」と読み、「全体の中の大事で重要な部分のみを抜き出したもの」「重要な箇所を抜き書きしたもの」を指します。条約や法律など本文の長いものに用いられ、伝票などには「摘要欄」が設けられていることもあります。

「摘要」は本題中の重要な部分そのもののことを指し、対して「備考」は本題の補足・付け足しであるのが大きな相違点です。つまり「摘要」は本文と同じ内容が形を変えて書かれており、一方「備考」は本文を補うための別の内容が書かれています。

それぞれそれのみを読んだ場合、「摘要」であればその本文が言わんとする内容や本題をおおよそ理解することができますが、「備考」だけを読んだとしても、その内容を理解することはできなくなっています。また、「概要」は文章の重要な部分だけでなく全体を要約するものです。

「備考」と「参考」「引用」の意味の違い

「参考」とは「何かの事柄を考える時、他人の意見、他の事例や資料などを引き合わせてみて、考えを決定する手がかりにすること」であり、そのための材料のことを言います。「参考にする」などのように使われます。

「備考」は「参考のために」添えられる補足であり、「参考」の一部であると考えて良いでしょう。文章に添付する場合の目次としては「備考」が使われることが多く、その文章を作成する上で参考にした資料を紹介する場合には「参考文献」「参考図書」などとして文末に添えられます。

近いニュアンスで「引用」「参照」とも混同されがちですが、「参照」は何かと「照らし合わせて参考にすること」ですので「参考」よりも若干狭義の意味合いとなります。「引用」は参考にしたものをそっくりそのまま使用することを言い、文章やHPで引用をする場合はその文献やURLを記載することが必要です。

「備考」と「注釈」の意味の違い

「注釈」は「既述の文章や専門用語についての記述」であり、「備考」のひとつですがかなり狭義の意味合いの語句です。わかりづらい業界用語や、専門的過ぎて理解が難しいものに対して付けられるもので、参考と言うよりかは「説明」といったニュアンスのものとなっています。

「注釈」として別記されている場合もあれば、文章中で「()」や「※」などを用いて説明する部分や段落の直後に付けられていることもあります。

「備考」と「特記事項」の意味の違い

勘違いしている方も多いですが、「特記事項」(とっきじこう)とは、特別重要なことや注意を要することなどを特別に書き出すことをいいます。

文書を読むうえで重要な事項や、読んだだけでは誤解が生じたり意味が理解されない恐れのある箇所がある場合に、それらについて文書の最初、または別紙にまとめて記載する項目のことを「特記事項」といます。「特記事項」は書くことで、読み手に注意喚起をすることができます。

「備考」は本文の内容を補足する内容を記載するため、「特記事項」とは意味合いが異なるものであり、言い換え語として使用することはできません。

「備考」の意味の類語

先に紹介した語句以外にも「備考」と同じような意味合いで使われているものは数多くあります。「備考」と同様に使えるものをご紹介していきますので、それぞれの意味やニュアンスを知り、用途に合わせて使い分けられるようにしておきましょう。

「備考」と近い意味の語句

・但し書き(ただしがき)
前文、本文の内容などについての説明、条件、例外などを書き添えた文のこと
・注記(ちゅうき)
本文の意味を理解させるために書き加えられた注意書きのこと
・注/註(ちゅう)
本文を詳しく説明するために本文や別の箇所に記する文句の総称
・冠注(かんちゅう)頭注(とうちゅう)
注のひとつ、本文の上欄に書き入れられる
・脚注(きゃくちゅう)後注(こうちゅう)
注のひとつ、本文ページの下部に書き入れられる
・側注(そくちゅう)傍注(ぼうちゅう)
注のひとつ、本文のわきに書き添えられる
・補注(ほちゅう)
注釈や説明が不足しているところを補うために加えた注記
・自注
自分の作品に自身で加えた注釈
・後記(こうき)あとがき
手紙や文章・著書などの終わりに書き添える言葉
・付言/附言(ふげん)付語(ふご)
述べ終わったあとで付け足して言う言葉

「備考欄」の使い方

エントリーシートや履歴書などに必ず設けられている「備考欄」、こちらは就職活動の人などは、白紙で提出する人が圧倒的多数となっています。履歴書は書式がある程度定型となっており、内容もほとんど変わらないため、学歴や職歴、資格が同等の場合、あまり他の人と差を付けにくい特徴があります。

そんな中で個性を出しやすいのが「備考欄」、また希望勤務地や出勤日など、定型の書式にはない項目も書くことができるので、積極的に使いましょう。

また、希望だけでなく「御社を第一希望に考えております。よろしくお願いいたします。」や「面接のお時間を頂きありがとうございます、何卒よろしくお願い申し上げます。」など書き添えることも可能です。「備考欄」は有効に活用しましょう。

「備考」の意味を理解して間違いなく活用しましょう

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初回公開日:2018年01月23日

記載されている内容は2018年01月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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