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「聲」の意味と使い方・由来・読み方・声との違い・画数

更新日:2023年12月07日

「聲」はあまり見慣れない漢字ですが、これは「声」の旧字体です。画数が多くて、一見意味が難しそうですが、古風な趣が感じられませんでしょうか。「聲」ななぜ「声」になったのでしょう。今回は「聲」の意味や由来と、合わせて「声」の意味などもご紹介させていただきます。

「聲」の意味と使い方は?

「聲」という言葉をみなさんはご存じでしょうか。見たことない漢字だなあという方がほとんどではないでしょうか。なんて読むのだろう、書くのが難しそうと感じる人も多いでしょう。しかしこの漢字が「こえ」と読むと知ったらああ、声の事かと気付かれるでしょう。

「聲」は日常では、一般の文章で使用されることはありません。だからといって全く使ってはいけない訳ではありません。一般的に公式な文書などでは認められませんし、使用できる範囲は限定されてはきます。今回はこのあまり見慣れない「聲」の意味や語源、画数などをご紹介させていただきます。

「聲」の意味の由来は?

「聲」は、「耳」と「殸」(けい)の会意文字で、打楽器「殸」の形をあらわす文字と、木製の棒を手にしている意味をあらわす文字で、打楽器「殸」とそれを打ち鳴らして耳に届く音である「こえ」から、そのまま言い表すようになりました。

「殸」の読みは「けい、きょう、せい」で、部首は「殳」(るまた、ほこづくり)です。「殸」は大昔の中国の打楽器で、板状に作った石を吊り下げ、音を打ち鳴らして演奏します。

「磬」(けい、うちいし)は、「石」と「殸」の会意文字と形声文字で、「殸」は元の字になります。「磬」は、打楽器「殸」であることを強めるために、さらに石を付け加えてできた漢字です。

会意文字と形声文字

「会意文字」は漢字の六書の中の一つで、2個以上の漢字が合成されて違う意味を持った新しい漢字をいいます。「木」を二つ合わせて木々の生え方をあらわす「林」、「人」と「皆」で「偕」などです。

「形声文字」は、音読みであらわす文字と、意味を示す部首などの文字を合成してできた違う意味を持つ新しい漢字をいいます。「紛」「個」「枯」「鈴」などです。「諧声(かいせい)」は形声の異称で、「象声」も形声と同義語です。

「六書(りくしょ)」は漢字の文字構成と使い方に関連した六つの種類のことをいいます。「象形」「指事」「会意」「形声」「転注」「仮借」(かしゃ)の6種類があります。

「象形」と「指事」

「象形」は、表意文字のことで、山や川、田、鳥などの自然物や、人が何かをしている姿などを一字一単語で単純に描かれた絵文字です。

「指事」は場所の位置や数、状態など、実際に詳しく取り上げられる物事やできごとではなく、そこから共通の性質を捉えたものをいいます。たとえば「一、二、上、下、凹、末」などです。

「転注」と「仮借」

「殸」のつく言葉

「磬鍾」(けいしょう)とは、「磬」と寺の鐘楼に吊るされている鐘を意味します。また「磬声」(けいせい)は、「磬」を打ち鳴らして出す音のことで、「編磬」(へんけい)は、磬を何枚も並べて作った楽器です。「磬折」(けいせつ)は、くの字の形状をした「磬」のように、体を曲げてお辞儀をする様子を表現した漢字です。

「馨」は「香」(かおり)と「殸」(伝える、伝わる)の会意文字、形声文字で馨(かおる)、馨しい(かぐわしい)などの意味があります。「馨香」(けいこう)は遠方まで香りがすることで、「馨聞」(けいぶん)は世間の批評が良いことを意味します。

「聲」の意味の読み方は?

「聲」は訓読みは「こえ、こわ」で、音読みは「しょう、せい」です。耳と石でできた打楽器「殸」を打って音を鳴らす意味の会意文字です。人や動物が発する聲や、自然や物から聞こえる音の響きなどを意味します。

「聲」の意味と画数は?

「聲」の画数は17画で部首は「耳(みみ、みみへん、耳偏)」です。「聲」は、第二次大戦中まで学校教育で定められ使用されていた旧字体という古い漢字です。

漢字はそれ自体意味があり、姓名や土地の地名には歴史があります。旧字体は昔の漢字だから必要はないというわけではなく、その由来には文化があり、中国大陸から伝来したものも含めて深く長い歴史が秘められています。

「聲」などの古い漢字を残していく理由の一つには、旧字体がわからないと旧字体が使われていた文学書など出版物が理解できません。昔の人は新旧の漢字をいり交ぜて書いたり読んだりしていました。

「聲」を使った俳句など

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初回公開日:2018年01月27日

記載されている内容は2018年01月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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