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「一環」の意味と使い方|例文7つ・「一貫」との使い分け

更新日:2025年03月05日

「一環」とは、どのような意味なのでしょうか?また、同じ響きを持つ「一貫」とはどう違うのでしょうか?このぺージでは、「一環」の意味や使い方、語源などをご紹介しています。また、「一貫」との違いについても考察しているので、参考にしてみて下さい。
「一環として考える」と使う時は、主目的とは似ているが本来そうではないものを、主軸の1つとして考えると言う意味です。例えば、会社の利益をあげるという目的に対しては、本来の事業を行うのが一般的です。ただし、会社の資金を増やす、と言う意味では「投資」も会社に利益をもたらす似て非なるもの、と言う使い方をします。

「ビジネスでは投資も事業の一環として考えるべきです」

例文6:一環に過ぎない

「一環に過ぎない」と使う場合には、他の使い方よりもネガティブで、全体を構成する1つでしかない、といったように重要度を下げて使います。この場合には、大きな主軸のものの1つでしかなく、さほど重要ではないと言うニュアンスが強くなります。

「この新規事業は会社の中で、社員の能力を確かめる一環に過ぎない」

例文7:一環に合体する

「一環に合体する」と使うと、全体を構成している主軸のものと一緒になる、吸収されると言う意味が出てきます。「一環」には、鎖のように同じ材質がいくつも繋がった状態を意味する場合があります。イメージとしては別々になった1つ1つの鎖の輪を、本体の鎖に戻し、1つの輪を作ると言ったことです。

「解散した事業を、一環に合体する予定です」

間違いやすい同音異義語

「一環」と間違いやすい漢字に「一貫(いっかん)」「一巻(いっかん)」があります。それぞれの意味、使い方も異なりますので、使用する際には留意しましょう。

「一貫」とは、1つの方針や目標などを貫き通すこと、またひと続きのものを指すことです。また「一巻」とは話や事件の最初から最後、一族、巻物や書物を数える単位になります。

「一環」と「一貫」の違い

「一環」と「一貫」の意味の違いは、全体の中の1部なのか、1つのみなのか、で異なります。「一環」の環は鎖の輪のようにいくつか連なったものを表しますが、「一貫」の貫は「つらぬく」という意味です。「一貫」は、1つの態度や方針などを崩さず、終始同じことを続けるのが本来の意味です。

「一環」と「一貫」は、音の響きは同じ言葉であっても、含まれている意味やニュアンスで使い方は大きく異なる表現になります。

仕事の「一環」と「一貫」した仕事の意味の違い

仕事の「一環」と使う場合には、本来の仕事の他のことだが仕事として扱うこと、「一貫」した仕事は、その仕事を行う質などが均一であることを言います。

「一環」とは複数あるものの1つ、全体のうちの1つというニュアンスが強い言葉です。「一貫」とは貫き通すこと、初めから終わりまで同じ姿勢で取り組むことなどに使います。仕事で使う場合には「一環」は全体の一部、「一貫」は最初から最後まで同じと言う意味です。

寿司「一貫」

1つ気をつけたいのは、寿司「一貫」という数え方です。これは貫くと言う意味よりも、「一貫」が単位として使われていたのが由来と言われています。

「一貫」とは約40グラム程度の重さのことだったと言われており、当時の寿司がこの「一貫」の重さだったと伝えられています。また別には「一貫」は2個1組あるいは1個を言うこともあり、それが由来という説です。

重さ「一貫」

重さに対して「一貫」と使う場合には、元来使われていた単位を示す言葉になります。一貫の重さは約3.7キログラムだったと言われております。

江戸時代には、「一貫」は1000匁(もんめ)であり、1000匁が約3.7キログラムに相当したということです。匁は、当時の貨幣の単位になります。江戸時代の貨幣は重さにより価値が決まっていたため、重量はおおよその重さになります。

「一巻」の終わり

「一巻」を使った表現では、死ぬこと、結末がわかっていて手遅れなことを「一巻」の終わりと言います。マンガや長編作品などは巻数が続いていることが多いですが、それが1つだけで終わってしまうことに由来します。すでに物語の結末がわかっており変えられない、手遅れの時のことを言います。

意味を理解して使えば間違えない

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初回公開日:2018年01月11日

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