「猿も木から落ちる」の意味と使い方・同じ意味のことわざ・類語
更新日:2024年07月24日
ことわざについて
きっと誰しもが、小学校の時に、ことわざについて習った経験があるのではないでしょうか。
ことわざとは、人が生活する上での経験と観察を元に得た知識を、簡潔に言い表した文章です。長い歴史の中で、先人たちが見出してきた知恵が集約されてます。全世界でことわざの概念があり、日本では、平安時代からことわざが用いられていました。短い文章で真実を簡潔に表す事ができるため詳細な説明の代わりとして、過去から現代に至るまで、私たちの生活に定着しています。
ことわざの基本的な構造は、「○は△」や「○より△」といった偶数で構造されていると、多くの研究者から発表されています。また、ことわざがこの点で共通している部分が二つあります。一つは、二つの物や事柄を比べる事、でお互いを際立たせて見せている事です。二つ目は、限界な状態を表すことわざは、その状況の詳細の説明が切り取られているという事です。
「猿も木から落ちる」ということわざ
「猿も木から落ちる」ということわざを覚えていますか?きっと誰しもが、小学生の時に、国語の授業で習った記憶があるでしょう。また、慣れ親しんだ動物が登場し、非常に意味が分かり易いことわざなので、子供の頃から実生活の中で引用した経験がある方も多いのではないでしょうか。
今回は、この「猿も木から落ちる」ということわざに焦点を当てて、意味や同義語、使い方などについて詳しく紹介します。
「猿も木から落ちる」の意味
ここでは、「猿も木から落ちる」の意味について解説します。
「猿も木から落ちる」とは、「木登り名人である猿でも、時には木から落ちてしまう事がある」という表現をする事で、「どんなにその道に優れた者でも、時には失敗してしまう事がある」という意味を表しています。
その道に優れている者が、その道で失敗した際に、「そんな木登り名人の猿でも、時と場合によっては、失敗して木から落ちてしまう事もあるから、異常な事ではない」と言いたい場合に、適切なことわざと言えるでしょう。
「猿も木から落ちる」の由来
ここでは、「猿も木から落ちる」ということわざができた由来について紹介します。
猿の生活場所は、山や森林などです。その中で木の上に登って食べ物を採ったり、食事をしたり、遊んだりと木を中心にして生活するものも多くいます。よって、木に登る事は猿にとって生活の一部とされ、昔から人々の中では、「木登りと言えば猿」という感覚が定着していると言えます。
この事から、その道に優れた者を木登り名人である「猿」と例えて表現するようになったと言えます。
「猿も木から落ちる」の使い方
ここでは、「猿も木から落ちる」ということわざを実際に使う場合の方法について詳しく紹介します。
上記で意味について解説しましたが、「猿も木から落ちる」とは、「木登り名人である猿でも、時には失敗してしまう事がある」という場面を表現する事で、名人の失敗も無い事では無いという意味を表しています。つまり、使える状況としては、ある物事に対して、普段は上手にこなせる人が失敗してしまった時と言えるでしょう。
この表現から、その道に優れた者を木登り上手な「猿」と例える事で、普段上手なのはわかっていると称えた上でのフォローとして使う事ができます。また、反対に失敗した自分自身が自分に対して使ってしまうと自画自賛や負け惜しみの意味になります。
次に、状況に合わせた使い方の例を挙げて紹介します。
「猿も木から落ちる」の使用例
ここでは、実際の状況を説明した上で、その状況に対して言える「猿も木から落ちる」の使用例を紹介します。
①優勝候補とされているピアニストが本番で失敗してしまった時に使える「猿も木から落ちる」
・彼ほどのピアニストが失敗してしまうなんて「猿も木から落ちる」です。
⓶合格間違いなしと言われていた○○君が、不合格だった時に使える「猿も木から落ちる」
・まさか○○君が不合格だったなんて、「猿も木から落ちる」という事です。
③料理上手で評判な○○さんが、失敗してしまった時に使える「猿も木から落ちる」
・いつもあんなに美味しい料理を作る○○さんが、失敗するなんて「猿も木から落ちる」とはこの事です。
④普段から運動が得意な○○が徒競走の種目で転んでしまい、最下位になってしまった時に使える「猿も木から落ちる」
・こんなに運動神経が良い○○が転ぶなんて「猿も木から落ちる」です。
「猿も木から落ちる」の類語
ここまで、「猿も木から落ちる」の意味や使い方について解説してきましたが、ここからは、「猿も木から落ちる」の類語について紹介します。
「猿も木から落ちる」に似通った意味をもつ類語として挙げられるのは、巧者の手から水が漏る、弘法にも筆の誤り、権者にも失念、上手の猿が手を焼く、上手の手から水が漏る、千慮の一失、知者の一失、知者も千慮に一失あり、天狗の飛び損ない、念者の不念などたくさんの言葉があります。
どれも、その道に優れた者が失敗してしまうという意味を持つという簡潔な文章です。「猿も木から落ちる」の使い方と同じように、普段はその分野で優れている者が、その分野で失敗した際に向ける言葉です。
初回公開日:2018年01月17日
記載されている内容は2018年01月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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