方言「じゃん」の持つ意味とは?語源や地域別の使い方も紹介
更新日:2024年11月09日
静岡では、「じゃん」は主に「○○でしょう・○○ではないか」という、相手に呼応や許可を求める言い回しの方言として使われています。
語尾に「じゃん」をつけて確認のために使うため、東京などでみられる使い方に近いですね。
ちなみに、同じような意味の静岡の方言では「だら」「ら」があり、ともに「○○だろう」「○○だよね」を意味します。
愛知における方言「じゃん」
愛知では、「じゃん」は「○○なんだけどね」をニュアンスで使い、主に過去の話をするときに使う三河弁として用いられています。
ちなみに、愛知県三河地方(岡崎市付近)は「じゃん」の発祥地とされ、代表的な三河弁には「じゃん」のほかに「だら」「りん」があります。
なお、同じ愛知でも尾張地方(名古屋周辺)では異なる使い方になります。たとえば、「風が強いじゃんね」というと「風が強いからね」という意味で、理由を説明するときに使います。
山梨における方言「じゃん」
山梨の方言では、「じゃん」は「○○でしょう?」という確認の意味合いで使われます。
地理的には、山梨は富士山を挟んで静岡と向かい合っていますが、「じゃん」の使い方も静岡と同じような意味で使われているようです。
島根における方言「じゃん」
島根では「じゃん」の使い方が特殊で、「たくさん」を意味する方言として使われています。
そのため、ここまでに見てきたような語尾につく使い方ではなく、副詞として文中に登場します。
東京における方言「じゃん」
東京では、「じゃん」は「○○ではないか」「○○でしょう」という意味の方言として使われています。
したがって、横浜の方言に近い意味で使われると言えます。
方言「じゃん」の使用例
方言「じゃん」は、地域によって使い方が異なります。
たとえば、標準語では、「あの犬かわいいじゃん」「あいつ足早いじゃん」のように、確認の意味合いで使います。
これに対し、「じゃん」の起源とされる愛知県三河地方では、「この前ナゴヤドームに野球を観に行ったじゃんね」という言い回しで「この前ナゴヤドームに野球を観に行ったんだよ」という意味を表します。
また、名古屋付近では、「雨が降ってきたじゃんね、走って帰ったんだがね」という表現で、「雨が降ってきたから、走って帰ったんだよ」という意味になります。
ちなみに、山梨や静岡では、「昨日メールを送ったじゃんか」で「昨日メールを送ったよね」という使い方をします。
したがって、方言「じゃん」は地域によって意味が若干変わり、使い方もさまざまであると言えます。
日本語における方言の種類
「方言を識別するための区分」として設けられる地方は、東日本方言、八丈方言、西日本方言、九州方言、琉球列島などに分けられ、これらに加えて「特殊な方言(流行によって生まれた言葉)」や「第三の言語」といった方言の識別があります。
ここでは、「第三の言語」「浜言葉」「特殊な方言」についてご紹介します。
第三の言葉
「第3の言葉」として認められるのは、現代の日本では常用語として使われず、その言葉の発祥がアイヌ語や多民族からの借用語として理解されがちな、暗号を含む方言などがあります。
山窩が使用していたとされる暗号を連想させる「サンカ語」や、山奥で狩猟を行なっていた者たちが常用語としていた「マタギ語」、外国との貿易のさなかで常用されていた言葉に見られた「ピジン言語」を発祥とする「小笠原語」、さらには岩手県気仙地方で聞かれた独立言語とされる「ケセン語」など、一般的にほとんど知られていない方言が認められます。
こうした「第3の言葉」なども人種間や特定の分野における方言として分類されるため、「じゃん」という表現がもしこの特定の分野の方言に使われていた場合、「じゃん」という方言の詳細な発祥地は益々もってわからなくなってしまいます。
浜言葉
「浜言葉」というのは主に日本の海岸地域、沿岸地方において、いわゆる港町とされる漁村やその他特定の地域で常用されていた「漁業にまつわる専門用語」としても理解され、特に漁師の間で頻繁に使用されていた言葉・方言として有名です。
青森県八戸市沿岸をはじめ、岩手県三陸海岸、宮城県の女川町、神奈川県相模湾沿い(三浦三崎~湯河原)、千葉県の外房地方、九十九里浜、静岡県駿河湾沿い、愛知県三河地方の沿岸部、和歌山県、大阪府泉州、北海道 、兵庫県播州など各地に浜言葉と呼ばれる言葉、方言がみられます。
その特徴としては「荒っぽい口調」や「気っ風(きっぷう)のよい言葉」として知られ、地方独特の流暢な言い回しによる方言に見られています。
特殊な方言
初回公開日:2018年02月13日
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