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「大いに」と「多いに」の違いと使い方・類語

更新日:2024年07月25日

「大いに」という表現は、「大いに結構・大いに期待する・大いに唄う」などの使い方をします。混同されやすい「多いに」という表記がありますが、これは「大いに」と同じ扱いをしても良いのでしょうか。「大いに」の意味や使い方、「多いに」との違いなどを説明しています。

「大いに」と「多いに」の違いは?

「大いに」と「多いに」は同じ読みですが、違いが存在します。

大いに

「大いに」の意味は、「程度が甚だしいこと」です。「程度」には3つほどの意味が存在していますが、ここで使用する「程度」には「他の物と比べた時の高低・多少・優劣などの度合い」の意味が用いられています。「甚だしい」の意味が「程度が普通の状態を遥かに超えている」ことですので、「大いに」が表すことは「他の物と比べて高低・多少・優劣などの状態が遥かに高い」になります。

多いに

辞書などで調べてみると分かりますが、「多いに」という言葉は存在しません。「多いに」は「多い」と「に」に分かれる表現であり、表すことは「多い」が持つ意味のとおりになります。「多い」の意味は、「物の数や量がたくさんある(豊富)・一定分量の中で占める割合が大(大半)・数量や度数が相対的に大」の3つです。

「多いに」の語は無いため通常は「大いに」

「多いに」という言葉は見当たらないため、通常は「大いに」を使用します。しかしながら、示す内容や文脈によっては「大いに」とも「多いに」とも表記できるような場合もあります。そこで、目を通しておきたいのは「漢字の意味」です。「大」と「多」のそれぞれが持つ意味を見ることで、使い分け方が見えてきます。

「多」は「数や量」「大」は「程度やサイズ」

古い時代、「多」と「大」は同じ「おほし」の言葉で表現をされていました。時代が流れて言葉に変化が起きる中で、「多」は「多し」、「大」は「大きなり」に分かれました。

現代では、「多」=「数・量」の「おおい」、「大」=「程度・サイズ」の「おおい」を表す漢字になっています。また、「大」は「非常に・甚だしい」といった「通常の度を超して」の意味で用いられることもあります。

「多・多い・多いに」は「数や量がおおいこと」を表す時に使用し、「大・大きい・大いに」は「程度やサイズがおおきいこと」を表す時に使用するということです。「おおいに助かる・おおいに歓迎する」などは、「程度」の表現になるため「大いに」を使います。「多いに」は通常では使わない形なので、「実りが多い・指数が多い」など「数や量」の表現に使います。

「大いに」の使い方!

「大いに」の使い方をご紹介します。

唄う

「大いに」と組み合わせると「大いに唄う」になりますが、この意味は「大きな声で唄う」または「堂々と唄う」と言えます。「大いに唄え」などのように、命令形の台詞が用いられることもあります。

「唄う」の意味は「歌う」などの同音語と同一視されますが、「人以外のものが快い音や美しい声を出す」の意味における「うたう」に当てられる漢字であり、広く用いられる漢字表記ではありません。また、「唄」は訓読みで「うた」とは読みますが「うたう」とは読みません。

漢字としての意味は「仏の良い行いを讃め称える歌」ですが、日本では「音楽に合わせて歌うように作った韻文(一定規則に従って書い表した文)・詩の一体(古詩の一種)」の意味でも用いられます。この意味は「歌」と同語源であり、使い分け方が紛らわしくなりますが、「唄う」は常用漢字の読みではないため、公用では使わない方が良いでしょう。

盛り上がる

「盛り上がる」の意味は、「盛ったように高くなる」と「物事の勢いが高まってくる」の2つです。どちらの意味でも、「大いに」を使うことができます。

「大いに」と「盛り上がる」を組み合わせると「大いに盛り上がる」という文が完成しますが、この意味は表す内容により「盛ったように非常に高くなる」になるのか「物事の勢いが非常に高まってくる」になるのかが違ってきます。一般的には、「物事の勢い」を表す意味で用いられることが多いです。

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初回公開日:2018年04月13日

記載されている内容は2018年04月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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