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「低減」の意味と使い方・「軽減」「削減」との違い・対義語

更新日:2024年06月16日

「低減」は「軽減」や「削減」といった言葉とよく似ていますが、どういった違いがあるのでしょうか。「軽減・削減」の方が一般的によく用いられることから隠れがちな「低減」の意味・使い方を確認し、「軽減」など類語たちとの違いを把握しておきましょう!

「低減率」は、「放射性能が低下する場合の許容電流を算出する」時に必要となる数値です。「許容電流」というのは「ケーブル内に流せる最大電力量」のことで、電力は使用時に熱を生じさせることから、許容電流以上の電力を流すと発熱による事故が発生します。そのため、許容電流を知り、その数値に合わせた使用量にする必要があります。

「放射性能」は「発熱を逃す率」のことで、これの数値が下がると発熱しやすくなるため、許容電流(流せる最大電力量)も低下します。重量のあるケーブルを密接に配線する場合には、放射性能と許容電流が低下します。その低下した数値を示すものが、低減率です。要するに、「ケーブルの種類・配管方法・発熱量・逃がせる熱の量」によって生じる「許容電流の低下率」=「低減率」とされます。

計算方法の例

基本となる許容電流と低減率は、ケーブルや配管方法によって定められています。一部ご紹介すると、CVT100sqは許容電流290A、CVD100sqは許容電流310Aとされています。一例になりますので、計算したいケーブルの種類・メーカーが提示する情報を参考にしてください。

計算方法の例ですが、CVT100sqとCVD100sqの低減した許容電流を算出してみます。CVT100sqの許容電流は290A、これをケーブルラック1段積に敷設した時の低減率0.7%です。「290Aから0.7%低減した」ので、式は「290-0.70」です。よって、答えは「203A」になります。「CVT100sqを密接に敷設しなければ290A流せるが、密接に敷設すると発熱の影響で203Aになるよ」ということです。

低減率の計算法まとめ

以上を踏まえて、簡単にまとめます。

低減した許容電流を知るために重要な情報は、「ケーブルの種類ごとに定められる許容電流」と「ケーブルの配列方法ごとに定められる低減率」です。式は、「ケーブルの許容電流」-「そのケーブルの配列方法により生じる低減率」=「低減したケーブルの許容電流」になります。

「低減」の類語になるのは?

「低減」には「減る・減らす」の意味と「値段が安くなる・値段を安くする」の意味がありましたが、類語になる語は「減る・減らす」の意味と似た意味を持つものが多いです。類語といっても表すことには多少の違いがあるため、その時々に合った適切な表現を使えるように、類語になる語を確認しておきましょう。

軽減

「軽減(けいげん)」の意味は「負担や苦痛などを減らして軽くする」こと、または「減って軽くなる」ことです。「軽減」の使い方としては、「税額の軽減」や「痛みを軽減させる薬」などがあります。「税額の軽減」では「負担を減らして軽くする」意味で「軽減」が用いられており、「痛みを軽減させる薬」では「痛みを減らして軽くする」意味で「軽減」を使用しています。

削減

「削減(さくげん)」の意味は、「現にあるものを削って減らす」ことです。「削る」にはいくつかの意味が存在しますが、ここでは「全体の中から一部を減らす」の意味が用いられています。「木を削る」ように、「現にあるものの一部を(削るように)減らす」ことを「削減」と言います。

「重みを減らす(軽減)」や「高さを減らす(低減)」のように対照的な状態にする意味はなく、単に「そこから一部減らす」といった表現です。よく用いられる使い方としては、「予算を削減する」があります。「予算」は現に存在する「使用可能金額」のことで、「予算を削減」は「予算全体の一部を減らす」=「予算金額を下げる」ことの実施を意味します。

節減

「節減(せつげん)」の意味は、「数量や経費などを切り詰める」ことです。一般的には、同義語になる「節約」がよく用いられています。「節約」の意味は「無駄を省いて切り詰める」ですので、「無駄を省いて」の点が「節減」との違いになります。

しかしながら「切り詰める」には「経費などを節約する」の意味があるため、「節減」と「節約」が表すことには大きな違いがありません。「節減」と「節約」の使い分けは、「意味の主体を何にするのか」という点にあります。

「電力を節減」とした場合は「電力使用量とそれに伴う経費を減らす」の意味合いになり、意味の主体は「電力の量」です。「電力を節約」とした場合は「電力を無駄に使わない」の意味合いになるため、「電力の使い方」が意味の主体になっています。つまり、「節減=量を減らす・節約=必要最低限でしか使わない」ということです。

半減

「半減(はんげん)」の意味は「半分に減る」こと、または「半分に減らす」ことです。「全体のいくらか減る」といった曖昧な表現ではなく、「全体のちょうど半分くらいに減る」という明確な量を示す表現として使うため、「低減」よりも限定的な表現になると言えます。

「低減」と「軽減」はどう違う?

「低減」の意味は「減る・減らす」こと、「軽減」の意味は「負担や苦痛などを減らして軽くする」ことでした。「軽くする」という点が「低減」との違いで、「軽減」は「負担や苦痛など」といった「心身的に重いもの」を「減らす」ことで「その重みを軽くする」意味を表します。

「低減」は「低くなるよう減らす」であり、「重いものを軽く」ではなく「高いものを低く」という意味での「減らす」を表しています。つまり、「軽減」は「重みのあるものを軽くする」意味での「減らす」を表現する時に使用し、「低減」は「高い程度を低くする」意味での「減らす」を表現する時に使用します。

「低減」と「削減」はどう違う?

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初回公開日:2018年04月05日

記載されている内容は2018年04月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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