「安らかに眠る」の意味と使い方・類語・花言葉|お悔やみ
更新日:2024年06月11日
「安らかに眠る」の語源についてや背景について
よくお葬式や訃報などのニュースを聞いた時に「安らかに眠る」という表現が使われていることを目にすることが多いです。ニュースや新聞、手紙などで頻出する表現ではありますが、実際にどういった語源から、「安らかに眠る」という表現が人の死を意味するようになったかについてはあまり知られてはいません。
こちらでは、「安らかに眠る」という表現を題材に、訃報やお悔やみの場面で用いられる文章表現について紹介していきましょう。
安らかに眠るの語源
お悔み、とりわけテレビ番組などの訃報などで用いられる「安らかに眠る」という表現についてですが、そもそも、この単語には一体どういった語源があるのでしょうか。
「安らかに眠る」という表現については、主に仏教やキリスト教の教えに由来するとも言われています。仏教やキリスト教における死後の世界の考え方がベースになって「安らかに眠る」という表現になったといわれています。
仏教の考え方
仏教における現世の考え方としては、お釈迦さまは、「現世を生きることは苦しみである」と言ったとされたといわれています。そしてそういった考え方がもとになり、死は仏教でいうところの「苦しみからの解放」と考えることがあります。
「安らかに眠る」とい表現についても、苦しみだらけだった現世を離れ、ゆっくりとお休み下さいという考えが元になっているともいわれています。
キリスト教的な考え方
キリスト教の死後の考え方と、仏教における死後の考え方には異なる点があります。仏教においては、現世は修行の場所であり、現世で生きることは厳しくも苦しいことがであると考えられています。
キリスト教やキリスト教に影響を受けた他の宗教では、死後に地獄か天国に行くかが決められていると考えられています。これがいわゆる「最後の審判」であるともいわれています。
特にプロテスタントにおける教えにおいては、人間の生涯は三段階に分けられ、肉体を伴う現世の状態、死から復活までの肉体を持たない期間、そして再臨後の復活した肉体を持つ期間ががるといわれています。
これらの段階の中でも、二つ目の死から復活までの肉体を持たない期間については、再臨までの眠りの期間と考える場合があります。こういったことから、「安らかに眠る」という表現が定着した可能性があるといわれています。
「安らかに眠る」の意味と使い方について
先述のとおり、「安らかに眠る」という表現は、故人の死に対してのお疲れ様といった意味合いで使われるのは仏教的な考え方であるということが考えらえます。
こちらでは、実際に「安らかに眠る」という表現がどのように使われるのかについて簡単に紹介していきましょう。
葬式やお悔み
「安らかに眠る」という表現を聞くのは、ほとんど葬式や訃報を告げる場面であるといえるでしょう。
また故人のお墓のメッセージとして「○○ここに安らかに眠る」という文面が追記されている場合もあります。
しかしながら、「安らかに眠る」という表現は、実際の弔辞や手紙などで用いられることはあまりないともいえます。この表現が見かけられるのは、主にテレビ番組などで、芸能人の訃報やドキュメンタリーなどの番組が多いともいえるでしょう。
永眠
「安らかに眠る」に近い表現として、永眠という表現方法も故人の死を指し示す時に用いられます。永眠という表現は、「安らかに眠る」とほとんど同じ使われ方をされますが、永眠の方がどちらかというとキリスト教の死生観に近いと考えられています。
特に永眠は、キリスト教の宗派の中でも、正教会でよく使われる表現です。またキリスト教のプロテスタント派でも用いられることがあるともいわれています。
そのため、永眠の表現一つとっても、キリスト教の宗派によっても使われ方が異なるため、こういった表現を用いる場合には、正しく用いることができているかについては常に確認する必要があります。
安らかにお眠りください
よくテレビ番組のドキュメンタリーなどでは、「安らかにお眠りください」という表現で、使われることがあります。
こういった表現が使われる背景で一般的なのが、故人の苦労や苦しみ、頑張りをねぎらうといった理由で用いられることがあるといえるでしょう。
特に闘病生活が長い芸能人などの訃報を伝えるドキュメンタリーなどが放送される時には多く用いられる表現です。この考え方は、現世を修行ととらえている仏教の死生観に由来した表現であるともいえるでしょう。
また、祟りや幽霊を恐れる場合に、その魂を鎮めるという意味合いで「安らかにお眠りください」という表現が使われることがあります。
初回公開日:2018年04月08日
記載されている内容は2018年04月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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