「詮無い」の意味と使い方・語源・類語・方言・読み方|仕方ない
更新日:2024年07月09日
「詮無いもの」が表すことは、「仕方ないもの」ならば「困るもの」、「甲斐のないもの」なら「意味のないもの」、「無益なもの」なら「無駄なもの」になると考えられます。以下は、例文になります。
「詮無いものと分かっているが捨てられない」
「生活にとって詮無いだろうと思い購入しなかった」
どちらの例文も、「詮無いもの」=「無駄なもの」という印象が強いです。そのことを踏まえると、以上の例文は「無駄なものと分かっているが捨てられない」「生活にとって無駄なものだろうと思い購入しなかった」ということを表しています。
詮無い人
「詮無い人」には、「仕方ない」=「困る」の意味が用いられています。「仕方ない」には「どうすることもできない」の意味もありましたが、「詮無い人」という表現では「仕方ない人」=「困る人」=「(こちらが)どうすることもできない人」といった意味合いになります。場合によっては、「詮無いやつ」とも言われます。以下は、例文です。
「いつまで経っても詮無いやつだ」
「詮無い人に情けは無用」
「詮無いやつ」と言う方が、「困った人でありどうしようもない人」感が強い表現になります。また、「やつ」という表現は丁寧な言葉遣いではないため、時と場合によっては使わない方が良いです。日頃から、「人・者」といった表現を使用しておいた方が良いと言えます。
「詮無い」の語源は?
「詮無い」という言葉がどのようにして生まれたのか、語源に関する言葉や説をご紹介します。
詮
「詮」には、「明らか・道理を解き明かす・物事の道理・その行為に見合う効果(しるし・甲斐)・手段・肝要な点」といった意味があります。意味の中に「甲斐」があるように、「その行為に見合う効果」の意味では「詮」と「甲斐」は同じ意味になります。つまり、「甲斐ない」と「詮無い」は同義語ということです。
詮ずる
「詮無い」の「詮」を使った、「詮ずる」という語もあります。この意味は「詳しく調べて考える」で、「詮」の意味にあった「道理を解き明かす」が濃い言葉だと言えます。「詮ずる所」といった表現は「所詮」と同義で、「あれこれ考えたりした結論として」の意味で使います。この意味および使い方は、「結局」と似ています。
せんかたない
「せんかたない」は、漢字で書くと「為ん方無い」になります。意味は「なすべき方法がない(仕方ない)」と「たまらなく悲しい(悲しみに耐え難い)」の2つで、「詮無い」に関するのは前者の意味です。
「せんかたない」と「せんない」は言葉の響きが似通っているため、「為ん方無い」の漢字が変化して「詮方無い」となり、そこから「詮無い」が誕生したのではないか、という説もあります。
「詮無い」の類語は?
「詮無い」の意味としてご紹介した「仕方ない・甲斐がない、無益」も類語になりますが、意味などに関して既にお伝えしているため、類語の項目では省きます。それら意味にある言葉たち以外にも類語が存在するするため、言い換えの参考に見ておきましょう。
やむを得ない
「やむを得ない」の「やむ」は「止む」または「已む」のことで、「続いてきたことがそこで終わりになる」意味を持ちます。「得ない」は「得る(できる)」の否定形ですので、「できない」の意味があります。
それらが組み合わさった「やむを得ない」は、「止まることができない」の意味になりますが、それから派生して「仕方がない・しようがない・他に手立てがない」ことも表す語になりました。「仕方がない」の意味と同義になると言えます。
果敢ない
「はかない」と読み、一般的には「儚い」の表記が主流てす。意味は7つほどありますが、その中で「詮無い」と同じ表現になる意味は「甲斐がない・無駄である」です。古文で見かける意味であり、現代では「虚しく消えていく」の意味で用いられることが多い「果敢ない」ですが、今でも「詮無い」と類語になる意味として使うことも可能です。
初回公開日:2018年04月17日
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