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「徹する」の意味と使い方・類語・例文・活用方法|ことわざ

更新日:2024年04月06日

話し言葉としては使うことの少ない「徹する」という言葉。具体的にはどのような使い方をするのが適切なのでしょうか。この記事では、「徹する」の使い方や類語などについて紹介します。知っているつもりになりがちな言葉を学び直したい方は、ぜひご覧ください。

意味や使い方を確認したところで、ここからは、「徹する」を使った例文を紹介していきます。

夜を徹して

「徹夜」という言葉を耳にすることも多いでしょうが、その言い方を変えたものに「夜を徹する」という表現があります。この言葉を組み入れた例文を以下にいくつか紹介します。

・先日、母が夜を徹して編んでくれた手袋が故郷から届けられた。
・急な納期変更に社員はてんやわんやだったが、力を合わせ、夜を徹して作業したことで何とか間に合わせることができた。
・彼は昼間に観た舞台から受けた衝撃を忘れないうちにと、夜を徹して原稿を書き、翌朝には見事な喜劇を書き上げてみせた。
・村を救った英雄を讃えて祝杯をあげ、人々は夜を徹して歌い踊った。
・レポート課題に直前まで手付かずだったため、最終的には夜を徹して取り組むはめになり、大変な思いをして提出した。

役目に徹する

務めや役目に集中して取り組むことを言い表すとき、「~に徹する」という言い方をすることがあります。「徹する」という言葉を用いることで、自分の仕事に集中しきちんとやり遂げる印象を与えることができるため、真剣に取り組んでいる雰囲気を醸し出したいときにおすすめです。

・彼女は、その華やかな容姿から何度もキャストとしての出演を持ち掛けられていたが、最後まで裏方としての役目に徹した。
・弟の学校で行われる定期試験までの一ヵ月は、自分の楽しみは我慢して家庭教師役に徹することにしている。
・部長が温厚で懐深いキャラクターのため、副部長として叱り役に徹することにした。
・彼は、仲間が応援に駆けつけるまでの間、教師に対して曖昧な態度をとり続けることで時間稼ぎに徹した。
・AIが単純作業を担うようになったことで、我々はクリエイティブ業務に徹することができるようになった。

「徹する」の活用方法

「徹する」という言葉は、「徹底する」「徹底的」「~に徹する」「徹夜」「夜を徹する」など、さまざまな言葉に活用することができます。「徹」という字が入ることで、最初から最後までやり通すという意味が付加されるため、「最後まで」「変わらずに」ということを言外に強調しながら物事に取り組むさまを表現できます。

たとえば、「案内係を務める」というところを「案内係に徹する」と変えるだけで、その人は最初から最後まで案内係を務めたことが言外に伝わるようになります。また、「その日は縄跳びの練習をした」という文を「その日は徹底的に縄跳びの練習をした」とすると、他のことはせずに縄跳びの練習に専念したということを示すことができます。

このように、「徹する」やこれに類する言葉を入れるだけで、「最初から最後までそれだけに集中した」ということを伝えられると覚えておくと、さまざまな言い方に活用することができるでしょう。

聞き役に徹する人の特徴とは?

「徹する」といえば「聞き役」という言葉を思い浮かべる人も多いでしょう。自分の話をしてばかりよりは人の話に耳を傾けられる聞き上手な人の方が好かれやすいものですが、聞き役に徹することができる人にはどのような特徴があるでしょうか。

相手の気持ちに共感できる

聞き役に徹することができる人は、相手の話を聞きながら適度に共感を示します。これによって、話す人は自分の気持ちをわかってもらえているという安心感を感じて、より饒舌になります。

相談事であれ愚痴であれ嬉しかったことであれ、誰でもそのときの自分の気持ちに「大変だったよね」「それはよかったね」など、共感を示す言葉を寄せられると嬉しくなるでしょう。これが、自分にとっての一大事を話したのに「ごめん、よくわからない」などという反応を返されると、テンションは急降下して「話さなければ良かった」とすら思う人がほとんどではないでしょうか。

そうかといって、事あるごとに共感を示す相槌ばかりを打っていると何だか嘘くさくなり、話す側は白けてしまいます。聞き役に徹する人はここのバランス感覚に優れていて、話す人が一番わかってほしいというポイントでうまく共感を示すため、相手は興に乗って話すことができます。

話の腰を折ったり否定したりしない

聞き役に徹する人は、決して相手の話の腰を折ったり否定したりしません。

たとえば、友人が失恋話をしている途中で「実はわたしもこの間失恋したの」と割り込むと、相手のターンを強引に奪うことになります。また、「確かに彼の方が悪いけどあなたの言い方も悪かったんじゃないの」など、相手を否定するようなことを言うと、傷口に塩を塗られた相手はそれ以上話す勇気を失ってしまいます。

しかし、聞き上手はこれらのタブーを一切犯しません。たとえ話がわかりにくくても、内心意見を言いたくてうずうずしていても、相手の話がひととおり終わるまでは口を挟まずに最後まで聞きます。そして、聞き終えたら「そうだったんだね。それはお疲れさま」など、相手の気持ちに寄り添うような言葉をかけ、否定的なことは口にしません。

このように、とにかく聞くことだけに集中することで、相手に言いたいだけ話をさせるのが聞き役に徹する人の特徴です。

「徹する」の定義

「徹する」とは、辞書的な意味では最初から最後まで考え方などを変えずに貫き通すこととされていますが、使い方や活用法などを併せて考慮するとどのように定義できるでしょうか。

辞書的な意味や「徹底する」「夜を徹して行う」「~に徹する」などの使い方に共通するのは、何かに専念する姿勢や、一つのことを極めようとする心意気です。これらを総じると、「徹する」とは、「それだけに集中すること」と言うことができるでしょう。

「聞き役に徹する」とは「話を聞くことだけに集中する」ということであり、「夜を徹して作業する」とは「作業のためだけに一晩を使う」ということであり、「徹底的に掃除をする」とは「あらゆる作業の中でも特に掃除に集中する」ということでもあります。

このように、「徹する」というのは何か一つのことを集中して行うことと覚えておけば、どんな場面でも使い方を大きく誤ることはないでしょう。

次のページ:「徹する」とは一つのことに集中して貫き通すこと

初回公開日:2018年04月15日

記載されている内容は2018年04月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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