ことわざ「努力に勝る天才なし」の意味と使い方・言った人
更新日:2024年10月31日
「どばじゅうが」と読みます。才能の乏しい者も、たえず努力すれば、やがて才能のある者と肩を並べることが出来るという意味です。
中国が趙の時代(紀元前4世紀ごろ)に書かれた儒学の書物「荀子(ジュンシ)」の中に書かれている、1日で4000キロ走れる駿馬がいるけれど、それに劣る馬でも10日も歩けばその駿馬と同じ4000キロに到達できるという内容の文章から生まれた言葉です。
大器晩成
「努力に勝る天才なし」の英語のことわざ“Slow and steady wins the race”「ゆっくりと着実にやれば、競走に勝つ」の類義語としてこの四字熟語が当てはまります。意味は「本当の大人物は、若いころは目立たず、徐々に実力を養っていって後に大成する」ということです。
ことわざ
「努力に勝る天才なし」は努力を続けることを称賛する言葉ですが、逆を言えば天才と呼ばれる人でも努力なしに成功しないとも取れます。そういう意味では次にあげることわざは「努力に勝る天才なし」の類義語と言えます。
ローマは一日にして成らず
有名なことわざですのでご存知の方は多いでしょう。大繁栄したローマ帝国も「すべての道はローマ通じる」と言われるまでは実に700年もの時間がかかっています。長年に渡る努力があったからこそ大発展を遂げることができたのだという事です。
名言「努力に勝る天才なし」は誰が言ったの?
ことわざが由来である「努力に勝る天才なし」を名言として世に知らしめたのが、誰であるのかは定かではありません。ですが、「努力に勝る天才なし」とほぼ同意の名言を語った人物は大勢います。
野村 克也
野村克也氏は元プロ野球選手で、現役時代は歴代第2位の通算657本塁打をはじめ数々の記録を打ち立て、南海ホークス時代にプレイングマネージャーとしてチームを指揮しました。引退後はヤクルトスワローズを優勝に導くなど監督としていくつものプロ野球チームを率いてきた人物です。
その野村氏がテレビの企画で野球少年に「野球をする上で一番大切なことは何ですか。」と質問されたときにこのように答えています。
「まず基礎づくり。単純すぎておもしろくないからみんなやらない。コツコツやるしかない。必ず答えは出る。努力に勝る才能なし」
稀勢の里
今、不祥事に揺れている大相撲ですが、若貴時代以来の4横綱時代の1翼を担っている日本人横綱稀勢の里が、中学時代の卒業文集に次のような文章を書いています。
「天才は生まれつきです。 もうなれません。努力です。努力で天才に勝ちます。」
大関に昇進して以来何度もその機会があったものの、横綱になるまで苦労をした稀勢の里です。中学時代に努力で天才に勝つと公言し、苦心の末天才たちと同じ地位に並んでいる現在、まさに努力に勝る天才なしを体現したという事でしょう。
初回公開日:2018年05月11日
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