「造詣が深い」の意味と使い方・反対語・読み方・敬語・人の特徴
更新日:2024年10月04日
「造詣が深い」の意味と使い方・例文
「造詣が深い」という言葉を目にすることは多いですが、意外に意味や読み方や正しい意味が知られていない言葉です。「造詣が深い」の読み方や意味、使い方や例文をみていきましょう。
読み方と意味
造詣は、「ぞうけい」と読みます。「造詣が深い」の意味は、学問や芸術、技芸などある特定の分野について広い知識や見識があり、高い水準にあることを指します。
「よく知っている」「詳しい」「物知り」は目上の人に対して失礼にあたることがあるので気を付けましょう。「造詣が深い」は年配の識者に使いやすい言葉で、正しく使用すれば嫌な気分になる人はまずいない便利な言葉でもあります。
一点気を付けなくてはならないのは、「造詣が深い」は日本語では珍しい、尊敬を込めた誉め言葉という点です。
あなたが仮に知識に自信があっても、自分自身のことを「○○に造詣が深い」という言い方はしないようにしましょう。あくまでも相手から言われる言葉です。「僕はこの分野では造詣が深いから何でも聞いて」などと言ってしまうと高慢な印象を与えるので気を付けましょう。
例文
「造詣が深い」の例文としては、次のようなものが考えられます。「彼は歌舞伎や能などの古典芸能に造詣が深いようだ」「彼女は西洋文化に造詣が深いので、話を聞いてみると参考になるよ」「彼はフランス留学の経験があり、フランス文学への造詣が深い」などです。
すぐにネットなどで調べて分かることではなく、誰もが知っていることではない少々マイナーなことや、実際に経験がないと分からない深い知識であることが多いです。そのような知識を持っている人に対する褒め言葉として使うと、好印象を与えます。
「造詣が深い」の反対語・対義語
「造詣」という言葉には、「造詣」という語だけで、すでに高い水準に達していることを示します。あとに続く語は「深い」という言葉、あるいは「深める」という言葉のみになります。
したがって、「造詣がない」「造詣が浅い」という言葉は存在しません。ではどういった表現があるのでしょう。
シンプルに「知識が浅い」「知識がない」などが考えられます。または四字熟語で「浅学非才」などが該当します。「浅学非才」とは、学問や知識が浅く未熟で、才能が欠けていることを意味します。
「造詣が深い」の読み方
造詣の読みは、大変読み誤りの多い言葉です。正しい読み方と、他にも主にビジネスシーンで読み間違いやすい語を集めてみました。
ぞうしなど
造詣は、「ぞうし」と読まれることがありますがこれは間違った読み方ですので、注意しましょう。ビジネスシーンなどで相手を褒める場において重宝する言葉なので、間違えて使ってしまうと相手を褒めたつもりが恥をかいてしまいます。
上手に造詣を使えば、好印象を与えることができる言葉なのでぜひ正しい読み方で覚えることをおすずめします。
読み間違いの多い単語
読み間違いの多い単語を少し紹介します。次第に、だんだんという意味がある漸次(ぜんじ)を「ざんじ」と読んでしまったり、すさまじい勢いで勢力を広げるという意味の席巻(せっけん)を、「せっかん」と読んでしまったりすることが非常に多いです。
ビジネスマナーや常識として知っておきましょう。受験生の人は、読みの問題としても受験問題によく出題されるので、意味だけでなく読み方を覚えておきましょう。
「造詣が深い」の敬語
造詣が深いの敬語表現は、「造詣が深くていらっしゃる」になります。「造詣が深くいらっしゃる」でも会話は成立しますが、「て」を入れるのが一般的で、正しいとされています。
ビジネスにおいて、取引先の相手や上司などに「さすが、知識がおありですね」と言うよりも「さすが、造詣が深くていらっしゃいますね」と言った方が、スマートな印象を与えることができます。
しかし誉め言葉である「造詣が深い」に対し、さらに敬語を使っているので、相当のことをした人に対してでないと、ヨイショしているようなあざとい感じを与えてしまう可能性もあります。相手との関係性を考慮して使用しましょう。
さりげなく、これから歌舞伎を夫婦で見に行くという上司に対し、「ご夫婦でご観覧ですか。部長は歌舞伎に造詣が深くていらっしゃいますね」などと自然な感じで使うと、「若いのに言葉を知っているな」と、一目置かれる可能性もあります。
初回公開日:2018年05月27日
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