「重きを置く」の意味と使い方・類語・「趣を置く」との違い
更新日:2024年08月07日
「趣を置く」の意味
「趣を置く」という言葉は本来日本語に存在しない間違った表現です。「趣」とは「風情」や「情緒」といった意味を持つ言葉であり、「趣がある」と表現します。
したがって、「趣を置く」という言葉自体が「風情を置く」という意味となってしまいます。これでは意味が通らない文章になってしまいますので、「趣きを置く」という表現は誤ったものであることがおわかりいただけるでしょう。
なぜこのような間違いが起きてしまったのかというと、「趣(おもむき)」という読みが「重き(おもき)」に似ていたため、「重きを置く」という言葉と間違って覚えられたことが原因です。
「趣を置く」の間違った使用例
「趣を置く」という表現が間違ったものである以上、「仕事に趣を置く」という表現はしてはいけません。「仕事に風情を置く」では意味がとおりません。正確には「重きを置く」を使用して、「仕事に重きを置く」という表現をしましょう。
また、「趣」という言葉を正しく使うなら、「桜の下での食事は風情がある」という意味で「桜の下での食事は趣がある」という表現をするのが望ましいです。趣という言葉自体の意味や使い方もしっかりと抑えることで「重きを置く」という表現を間違えないようにすることもできます。
「重きを置く」の漢字の読み方
「重きを置く」の漢字の読み方は「おも」きを「お」くです。また先ほども説明しましたが、「おもむ」きを置くでもないので注意しましょう。この読みの間違えから「趣きを置く」という誤った表現が生まれてしまいましたので、自分が「重きを置く」を使う時は読みを間違えないように気を配ることが重要です。
「重きを置く」の敬語
「重きを置く」の敬語表現については、「重き」と「置く」に分割して考えるといいでしょう。この場合動詞は「置く」ですから、「置く」の敬語表現をすれば大丈夫です。
まず尊敬語としての置くは「置かれる」です。つまり、「重きを置く」の尊敬語は「重きを置かれる」になります。そして謙譲語では「置かせていただく」が正しい敬語であるため、「重きを置かせていただく」になります。最後に丁寧語では単純に「置きます」なので、「重きを置きます」と表現しましょう。
「重きを置く」の敬語表現の用例
では、「重きを置く」の敬語表現について具体的な使用例を紹介していきます。
尊敬語「重きを置かれる」の用例
「社長は経営戦略に重きを置かれていますので、社員も社長の理念に賛同しています。」
この場合、重きを置いているのは社長です。目上の人が重きを置くので、尊敬語での表現をするのがふさわしいでしょう。
謙譲語「重きを置かせていただく」の用例
「課長、現在は部長からの指示で、資格取得の勉強に重きを置かせていただいています。」
この場合、重きを置いているのは自分で、課長への言葉であるので、謙譲語「重きを置かせていただいています」を使うのが適切です。また、あくまで目上の人への言葉ですので、同僚や後輩には「重きを置かせていただく」という表現をする必要はありません。
丁寧語「重きを置きます」の用例
「現在、育児に重きを置いています。」
この場合、話しかける相手は同僚や後輩といった同格以下の人に対しては丁寧語「重きを置いています」を使用するのがふさわしいです。ただ、書面などの正式な場ではより硬い表現をするべき場合もあるので、そういった場合は丁寧語ではなく、謙譲語を使う方がいい場合もあります。
初回公開日:2018年05月24日
記載されている内容は2018年05月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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