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「呈する」の意味と使い方・読み方・類語・「 挺する」との違い

初回公開日:2018年06月04日

更新日:2020年02月08日

記載されている内容は2018年06月04日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

「呈する」という言葉は、教科書や本の中ではよく聞かれる言葉です。会話表現の中では少ない言葉なので、あまり文章に親しんでいないと意味が分からないこともあるでしょう。「呈する」の正しい意味や、正しい使い方についてご紹介します。

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「呈する」の意味と使い方・例文

「呈する」とは、「差し出す」「贈る」などと相手に何かを上げるような意味合いと、「ある状態をあらわす」という何かを指し示す意味合いがあります。「呈」という漢字自体に、しめす・さしだす・あらわすという意味があります。尊前後にどのような言葉をつけるかによって、含む意味が変化していきます。

苦言を呈する

「苦言を呈する」といった使い方は、「呈する」という言葉の使い方で最もよく使われるでしょう。苦言はその文字どおり、その相手にとって苦い言葉、聞きづらい言葉ということになります。つまり、忠告をしたり相手はいい気はしない言葉であっても、アドバイスや注意をすることが「苦言を呈する」という意味です。

他の表現で、これを「文句を言う」「苦情を伝える」という表現がありますが、この表現は自分が感じた不快感に対して単純に不満を発する印象があります。「苦言を呈する」という言い方になると、相手のことも考え相手が少しでも良くなって欲しいと考えて、敢えてアドバイスするような場合も含まれます。

「呈色」や呈色反応という色の表現があります。これは、ある元素やイオン、化合物が特定の試薬(呈色試薬)に対して、色を発したり色味を変えたりする反応のことです。試料の構成成分を調べたり、試料中に特定の元素・物質が含まれているかどうかを確認する定性分析という実験の中で、この呈色反応が起こるかどうかを調べます。

別名で発色反応とも言われますが、「呈」という漢字の意味として「あらわす」という意味もあります。ある色をしめす、あらわすという意味になります。

褒め言葉など

「呈する」をつけられる言葉として多いのは「苦言を呈する」などですが、褒め言葉として「賛辞を呈する」という表現もできます。批評など、ある程度堅い文章表現のなかで「このような賛辞を呈している」と使われます。あまり、一般的な会話表現の中での褒め言葉として、呈するが出てくることは少ないでしょう。文章で表現する時などに使われる褒め言葉です。

「呈する」の例文

「若い女性中心の花見は、まるで花畑のような賑わいを呈していた。」
その様子を「あらわす」という意味で使います。呈するという言葉を使うことで、花畑の様だっただけよりも印象に残る文章になります。

「まるでコーヒーを飲んだような感覚を呈した。」
意外な飲み物から、コーヒーを飲んだ時のような爽快感や苦みを得ることができた時「呈する」を使うことで、その感触が伝わる表現になります。

「呈する」の読み方

「呈する」は「ていする」と読みます。「呈」の差し出したり、しめすという意味から「する」という言葉が付いてきます。「呈」には熟語として「謹呈」などといって差し上げるというだけでなく、つつしんで敬意を持って差し上げるという言葉もありますが、その場合も「きんてい」と「てい」と読みます。「てい」以外の読み方は、一般的にはありません。

「呈する」の類語・言い換え

「呈する」には、類語や言いかえができる漢字や熟語があります。ただ、使い方や使い道を間違えると、誤解を生むことにもなりますので注意しましょう。

示すなど

「呈する」自体が示す、あらわすなどの意味があるので、そのまま「示す」という言いかえもできます。しかし、「呈する」のなかには、ある程度かしこまっている表現もあります。「苦言を呈する」という場合も、相手をある程度慮った表現をしながら苦言をしめす、あらわしています。

これをそのまま「苦言を示す」という表現に言い換えてしまうと、やや短絡的な印象になります。そこで、「示す」と言い換える場合には、その状況や立場、位置関係が適切かどうかを判断して使いましょう。

顕わす

「呈する」には「あらわす」という意味があります。何かの事象を見えるようにしたり、言葉や文章で表現してあらわすことです。この「あらわす」には、さまざまな漢字表現があります。「表す」「現す」「顕わす」などです。これらは、全て隠れていた物、様子、事象、または感情や考え、芸術表現なども含めて見えるようにするという意味があります。(何をあらわすかによって、漢字は使い分ける必要はあります。)

なので、「呈する」の言いかえに「あらわす」を使うのは適しています。ただ、「呈する」に含まれるある程度格式ばった表現を継承するには「その功績を後世に顕わす」などに使われるこの「顕わす」が適していることが多いでしょう。

提出

「呈する」と同じ「てい」と読む漢字で作られる「提出」ですが、一般的によく知られた熟語です。意味としては、しかるべきところへ文書などを差し出すことになります。「呈」によって作られる熟語で、提出を意味する言葉は「謹呈」や「贈呈」となり、特別な場や特別な相手に対する差し出しものという意味になります。

同じ差し出すという意味でも、「呈」を使うと特別な差し出しものという意味になり、「提出」だと一般的に使われる言葉と使い分けられるでしょう。

「呈する」と「挺する」の違い

「呈する」は、差し出す、贈る、ある状態をあらわすという意味がありました。同じ読み方で「挺(てい)する」と読む漢字もあります。時々間違って使っているのを見かけるこの「挺」という漢字には、どんな意味があるでしょうか。また、どんな使い方をするのでしょうか。

挺するの意味

「挺」の元々の意味は、「ずば抜けている」「進み出る」という意味があります。熟語や日常会話としてよく使われるのには、「身を挺して救う」などがあります。自分の身を進み出て、自ら投げ出して救い出すという意味です。子どもが事故にあう寸前だったので、身を挺して救い出したなどといいます。

呈するとどう違うか

自ら進み出たり、差し出したりという共通点は、ある意味で似通った言葉のようにも感じられます。しかし、「呈する」は自分の身体などではなく、言葉や贈り物などを差し出すことで相手に対する気持ちを表現する際に使われる漢字です。

「挺する」は差し出すものは、自分の身体や極論だと生命のように自分を大きく傷めてしまうものを差し出して、その代償に人などを助けるようなときに使われる漢字です。読み方や意味が似通っていると感じる方も多い言葉ですが、両者にはこのように大きな違いがあります。パソコンなどでの誤変換には、特に気をつけるべきでしょう。

「呈する」の敬語

「呈する」を敬語にすることは案外難しくなります。呈するという言葉自体は、比較的目上の人から目下の人へ向かって使うイメージが多いでしょう。またメディアから、不特定多数向けへ発信する時などによく聞きます。そんな「呈する」を敬語にするとしたら、どのような表現をすればよいか考えてみます。

目上の人に使ってよいか

「謹呈」など敬意を持って差し上げるというような場合は、特に問題ないでしょう。ただ、「苦言を呈する」というような、「呈する」という言葉はどうでしょうか。アドバイスのような意味合いがあるため、目上の人に使ってはいけないような気がしてしまいます。

基本的には、目上の人に使うことが直接失礼に当たることはありません。ただ、目上の人でもどうしても言わなければいけない時、言い方を丁寧にして言うようにしましょう。

進言(しんげん)

相手が目上であることを承知の上で、必要不可欠な状況があり物事を申し述べるという意味があります。元々目上の人にものをいうときに使う言葉、という意味が含まれているので「○○について進言いたします。」などという言い方は適しているでしょう。つい「ご進言申し上げます。」にすると、会話としては硬くなりすぎてかえって不快感を味あわせてしまうでしょう。

「進言」が謙譲語なので、「ご」や「申し上げます」は付けずに言うのが綺麗です。

諫言(かんげん)

これは、目上の人の間違いや過失を指摘して忠告することという意味があります。元は中国で君主を諌める5つの方法で、君主の心情に応じた臣下の還元が必要という意味でした。

ただ、「諫言いたします。」といっても何を言っているか分かりづらい言葉です。文章として使ったりメールとして使う場合に適しています。文章で伝えた方が良いのか、口頭で伝えた方が良いのか、その時々使い分けるようにしましょう。

「呈する」の対義語

「呈する」に対して、直接的に対義語になる言葉を言い当てるのは難しいことですが、文章にした時に違う意味合いになる言葉があります。

甘言に乗せる

「苦言を呈する」が、相手を思いやる故にいいづらいこともあえて言って相手のプラスになるように導くことだとすれば、「甘言に乗せる」は相手が嬉しくなるような甘い言葉を言って調子に乗せるようなことです。それによって、不毛な誘いに乗せたり、言いくるめたりする状態のことをいいます。

見てみぬふりをする

呈することはいろいろな気持ちを、きちんとあらわすことでもあります。しかし、それは時として勇気のいることでもあります。それをあえてすることなく「見てみぬふりをする」ということは、ある意味で賢く相手に対する思いやりであることもあるので、決して悪い意味ばかりではありません。

ただ、自分の保身のためだけに見てみぬふりをすることは「呈する」の意味に対して、反対といえる行為になるでしょう。

「呈する」は大事に使おう

「呈する」という言葉には、ただ自分本位に差し出したりあらわしたり、というより相手を慮った意味合いが込められています。空気を読むことが何より大切で人にアドバイスをするのは本当に難しい昨今、相手に少しでも良い状態になって欲しいから敢えて「苦言を呈する」や、相手を評価したり敬意をあらわしたいから「贈呈」したり「謹呈」したりします。

よく考えると、非常に素敵な意味合いをもった漢字であるといえるでしょう。そのような微妙な意味合いも含めた表現ができる人は、社会人としても一成人としても一目置かれていく存在になり得ます。また、言葉だけでなくさまざまなシーンで相手を尊重した態度も見せられるようになるのではないでしょうか。

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