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「赴く」の意味と使い方・敬語・読み方・類語|伺う/趣く

初回公開日:2018年05月31日

更新日:2020年02月28日

記載されている内容は2018年05月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

普段何気なく耳にしている「赴く」という言葉ですが、その意味や使い方、類語との使い分けを詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。「赴く」について多方面から考え、普段の会話やビジネスシーンにおいても適切に使えるように、知識を増やして行きましょう。

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「赴く」の読み方

「赴く」は「おもむく」と読みます。中学校で習う漢字で、漢検では3級に相当します。あまり難しい漢字ではないにもかかわらず、使う機会は頻繁ではありません。意識して使わない限り他の言葉で代用できてしまうのも特徴でしょう。逆に捉えると、語彙力を豊かにする目的においては、大いに活用できそうな言葉でもあります。

「赴く」の意味と使い方

「赴く」という言葉は聞いたことがあっても、積極的に使うのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。似た意味の言葉がたくさんあるので、そちらの方がなじみ深く、使いやすいためでもあります。

「赴く」は面向(おもむ)くの意味で、目的を持ってその方向へ向かって行くことや、状態がその方向へ向くことを意味します。また、その方向へ向けること、向かって行かせること、従わせることにも使います。事態がその方向へうまく運ぶようにしたり、その方向で考えることに使っても良いでしょう。

意味を理解すれば、意外といろいろなシーンで使えそうな言葉だと感じていただけたのではないでしょうか。

赴くままに

「気持ちの赴くままに」や「好奇心の赴くままに」などの表現はよく耳にするのではないでしょうか。赴くの一番定番化した使い方といっても良いでしょう。意味は、欲求を制御せずに好きな方向に身を委ねることを示します。

普段の会話の中でも活用できそうな言葉です。ぜひ、気持ちの赴くままに使ってみてください。

赴くべき

「赴くべき場所」「赴くべき方向」「〇〇に赴くべく出発した」なども良く使う表現です。例えば「自分の赴くべき方向がわからない」や「赴くべき方向は決まった」という使い方なら、簡単に活用できそうです。少しかっこよく表現したいときにも使える言葉ではないでしょうか。

「赴」を使った言葉

ここでは赴くに使われている漢字「赴(ふ)」を使った熟語をご紹介します。「赴」を使った熟語は少ないですが、「赴く」の意味をうまく使った理解しやすい熟語ばかりです。聞き慣れない言葉もあるので、知っていると役に立ちそうです。

赴任(ふにん)

「赴」を使った単語の中で一番なじみの深いのが「赴任」ではないでしょうか。意味は任地へ赴くことです。例えば、「新しい赴任先」という表現に使われたり、「単身赴任」や「赴任手当」という言葉がよく使われています。「単身で任地に赴く」、「任地に赴くための手当て」と漢字の意味から考えると、とても分かりやすい言葉だと言えるでしょう。

赴援(ふえん)

援助に赴くことや助けに行くことを表します。話し言葉としてはやや硬い印象を受けますが、通知や文書、報告書などで使うとオフィシャルな文にふさわしい引き締まった表現として似合いそうです。

赴請(ふしょう)

僧侶が招きに応じて、施主の家で食事の供養を受けることを言います。普段なかなか聞き慣れない言葉ですが、知識として知っておくと、いざ使えそうな場面に出くわした時に役立つでしょう。

「赴く」の敬語

敬語とは、話し手と聞き手と表現対象との間の地位や力関係、親しさなどを、話し手の判断に基づいて表す言語表現です。つまり、話し手の判断で聞き手や表現対象を敬ったり、話し手自身をへりくだって表現することで、相手への敬意を示すことができます。

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類がありますが、「赴く」に関してどのように敬語表現すれば良いのか考えてみましょう。

尊敬語

尊敬語は、相手に対して敬意を含ませた表現です。相手のことを高めたいときに、相手の言動に対して使います。例えば、「言う」や「見る」の場合はそれぞれ「おっしゃる」や「ご覧になる」というように、尊敬語に変換すると表現が大きく変化しますが、「赴く」の場合はそのような変化はありません。尊敬語として使うなら「赴かれる」が適切でしょう。

例えば、「社長はこの後〇〇に赴かれる予定です。」のように使います。かなり重要な目的を持って行く(赴く)ような印象を受けるので、この表現が硬すぎると感じた場合は「〇〇に向かわれる予定です。」でも良いでしょう。

もっと自然に「赴く」を取り入れたい場合は「お客様は〇〇へ赴かれた後に、こちらへいらっしゃる予定です。」のように行き先が2つある場合に敢えて違う表現を使ってみる場合の1つとして取り入れるのもおすすめです。

謙譲語

謙譲語は、話し手が自分を低め、相手を上位において敬意を表す表現です。自分がへりくだることで相手を高めたいときに、自分の言動に対して使います。謙譲語の場合も「言う」や「見る」にはそれぞれ「申す」や「拝見する」といった表現がありますが、「赴く」の場合はそのような変化はないので、「赴かせていただく」を使うと良いでしょう。

例えば、「こちらから赴かせていただきます。」のように使えば、相手を高める表現として適切です。少し硬い印象を受けるので、かしこまった場面で使ってみるのも良いでしょう。

丁寧語

丁寧語は、丁寧な言葉を使うことで相手に対する話し手の直接の敬意を表す表現です。具体的には語尾に「です」「ます」「ございます」を付けて使います。尊敬語ほどの敬意を表す表現ではないですが、尊敬語を使うと大げさになってしまって適切ではないと感じる場合に使うと良いでしょう。例えば、先輩や親しくしている年上の知人などとの会話に活用できます。

「こちらから赴きます。」「〇〇へ赴く時間なので、これで失礼します。」といった使い方が丁寧語にあたります。「行きます」や「向かう時間」を使った方が自然な印象を受けますが、会話のアクセントに「赴く」を使ってみるのも良いでしょう。「赴く」を使った方が、より行かなければいけないというニュアンスが強調されます。

「赴く」と似た意味の言葉と違い

「赴く」と似た意味の言葉はたくさんあります。それぞれの言葉の意味と違い、どんな場面で使えるのかを考えていきましょう。それぞれの意味を理解して適切な表現を使えるようになると、言葉を選ぶのが楽しくなりそうです。

行く

「赴く」と似た言葉の中で、多くのシーンで使える言葉が「行く」です。「赴く」からは、大きな目的や決意を持って向かうという印象を受けるので、日常化した些細な行動に対して「赴く」を使うのは適切ではありません。これに対して、「行く」はどんな場面で使っても使い方として間違いではないという特徴があります。

例えば「散歩に行く。」とは言いますが、「散歩に赴く。」は適切な表現ではありません。ところが行き先が戦場だった場合、「戦場に行く。」でも「戦場に赴く。」でもどちらも使えます。ただし「赴く」を使った方が、より重大なところへ向かう感じが伝わるでしょう。

伺う

「伺う」は目上の人の様子を「うかがう」という意味から、その動作の相手を敬う謙譲語として成り立った言葉です。「聞く」「尋ねる」「問う」「訪問する」の謙譲語です。「訪問する」の謙譲語として用いた場合、「赴く」の代用として用いることもできるでしょう。

例えば「こちらから赴かせていただきます。」を「こちらから伺います。」にすると簡潔ですっきりした印象になります。言葉から受けるイメージを考えながら、その場面に合わせた言葉を選んで活用すると良いでしょう。

「伺う」で特徴的なのは、「伺う」は行く先の相手に対する謙譲語であり、行く先に敬意を払う相手がいないと使えないというところです。例えば、「散歩に伺う」や「旅行に伺う」は適切な表現ではないので注意が必要です。

参る

「参る」は「行く」の謙譲語として使われています。「伺う」と同じく、「訪問する」の謙譲語として使えますが、「参る」の場合は行く先に敬意を払う相手がいてもいなくても使えることが特徴です。これは、「参る」が話している相手に丁重に伝える謙譲語なのに対して、「伺う」は行く先の相手に対して使う謙譲語であるためです。

先ほどの例に合わせると、「散歩に参る」や「旅行に参る」は正しい表現と言えます。

「赴く」と「趣く」の違い

「おもむく」は面向くが語源で、本来は目的び場所へ向かうという意味です。「おもむく」に見合う漢字として、当初は「赴く」「趣く」両方が当てられました。現在でも、どちらも同じ意味の「おもむく」の表記として正しいのですが、一般的には「赴く」の方を使うことが多いです。

また、常用漢字表では「赴」の訓読みとして「おもむ・く」が載っていますが、「趣」の訓読みは「おもむき」のみです。「趣」は心の動く方向や、しみじみとした味わい深いものの意味で使われることが多くなったためでしょう。

「赴く」の類語

「赴く」の類語として主なものは、「行く」「伺う」「参る」「訪ねる」「訪問する」「出向く」「向かう」「出かける」などがあります。どの言葉も、「どこかへ行く」という意味で同じように使えますが、それぞれの言葉から受ける印象は微妙に違うことがお分かりいただけるでしょう。

使いたい場面や、相手に応じて、適切な表現を使うことが、円滑なコミュニケーションを築く礎となります。そのためには、それぞれの言葉に対して定義や使い方、相手が受ける印象などをまとめて整理しておくと良いでしょう。

「赴く」の漢文での例文

「赴く」を使った文章が出てくる漢文の中で特に有名なのが、「唐詩紀事(とうしきじ)」の中の「推敲」です。「賈島赴挙至京」ー賈島(かとう)挙(きょ)に赴きて京(けい)に至りーという文章の中で「赴く」が使われています。

意味は「賈島(中国唐代の詩人)が科挙(官吏登用試験)を受けるために都(唐の都長安)に赴いた」となります。賈島は科挙に何度も落第し、貧困生活を送っていたとのことです。今度こそはという意思を持って都に赴いていたのでしょう。

唐詩紀事が編纂されたのは日本が奈良・平安時代だった頃です。

「赴く」をかっこよく使ってみましょう!

ここまで、「赴く」ついて、意味や使い方、たくさんの敬語、類語などをご紹介してきました。「赴く」がより身近な言葉として感じられたのではないでしょうか。

これらの単語を深く理解し、使えるようになることは、自分の心を豊かにし、円滑なコミュニケーションの一助となります。ビジネスにおいても、豊富な知識を自然に使える人は一目置かれる存在になることでしょう。適切な場面で「赴く」を活用し、微妙なニュアンスを伝えることができるようになりましょう。

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