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「赴く」の意味と使い方・敬語・読み方・類語|伺う/趣く

更新日:2024年04月02日

普段何気なく耳にしている「赴く」という言葉ですが、その意味や使い方、類語との使い分けを詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。「赴く」について多方面から考え、普段の会話やビジネスシーンにおいても適切に使えるように、知識を増やして行きましょう。

僧侶が招きに応じて、施主の家で食事の供養を受けることを言います。普段なかなか聞き慣れない言葉ですが、知識として知っておくと、いざ使えそうな場面に出くわした時に役立つでしょう。

「赴く」の敬語

敬語とは、話し手と聞き手と表現対象との間の地位や力関係、親しさなどを、話し手の判断に基づいて表す言語表現です。つまり、話し手の判断で聞き手や表現対象を敬ったり、話し手自身をへりくだって表現することで、相手への敬意を示すことができます。

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類がありますが、「赴く」に関してどのように敬語表現すれば良いのか考えてみましょう。

尊敬語

尊敬語は、相手に対して敬意を含ませた表現です。相手のことを高めたいときに、相手の言動に対して使います。例えば、「言う」や「見る」の場合はそれぞれ「おっしゃる」や「ご覧になる」というように、尊敬語に変換すると表現が大きく変化しますが、「赴く」の場合はそのような変化はありません。尊敬語として使うなら「赴かれる」が適切でしょう。

例えば、「社長はこの後〇〇に赴かれる予定です。」のように使います。かなり重要な目的を持って行く(赴く)ような印象を受けるので、この表現が硬すぎると感じた場合は「〇〇に向かわれる予定です。」でも良いでしょう。

もっと自然に「赴く」を取り入れたい場合は「お客様は〇〇へ赴かれた後に、こちらへいらっしゃる予定です。」のように行き先が2つある場合に敢えて違う表現を使ってみる場合の1つとして取り入れるのもおすすめです。

謙譲語

謙譲語は、話し手が自分を低め、相手を上位において敬意を表す表現です。自分がへりくだることで相手を高めたいときに、自分の言動に対して使います。謙譲語の場合も「言う」や「見る」にはそれぞれ「申す」や「拝見する」といった表現がありますが、「赴く」の場合はそのような変化はないので、「赴かせていただく」を使うと良いでしょう。

例えば、「こちらから赴かせていただきます。」のように使えば、相手を高める表現として適切です。少し硬い印象を受けるので、かしこまった場面で使ってみるのも良いでしょう。

丁寧語

丁寧語は、丁寧な言葉を使うことで相手に対する話し手の直接の敬意を表す表現です。具体的には語尾に「です」「ます」「ございます」を付けて使います。尊敬語ほどの敬意を表す表現ではないですが、尊敬語を使うと大げさになってしまって適切ではないと感じる場合に使うと良いでしょう。例えば、先輩や親しくしている年上の知人などとの会話に活用できます。

「こちらから赴きます。」「〇〇へ赴く時間なので、これで失礼します。」といった使い方が丁寧語にあたります。「行きます」や「向かう時間」を使った方が自然な印象を受けますが、会話のアクセントに「赴く」を使ってみるのも良いでしょう。「赴く」を使った方が、より行かなければいけないというニュアンスが強調されます。

「赴く」と似た意味の言葉と違い

「赴く」と似た意味の言葉はたくさんあります。それぞれの言葉の意味と違い、どんな場面で使えるのかを考えていきましょう。それぞれの意味を理解して適切な表現を使えるようになると、言葉を選ぶのが楽しくなりそうです。

行く

「赴く」と似た言葉の中で、多くのシーンで使える言葉が「行く」です。「赴く」からは、大きな目的や決意を持って向かうという印象を受けるので、日常化した些細な行動に対して「赴く」を使うのは適切ではありません。これに対して、「行く」はどんな場面で使っても使い方として間違いではないという特徴があります。

例えば「散歩に行く。」とは言いますが、「散歩に赴く。」は適切な表現ではありません。ところが行き先が戦場だった場合、「戦場に行く。」でも「戦場に赴く。」でもどちらも使えます。ただし「赴く」を使った方が、より重大なところへ向かう感じが伝わるでしょう。

伺う

「伺う」は目上の人の様子を「うかがう」という意味から、その動作の相手を敬う謙譲語として成り立った言葉です。「聞く」「尋ねる」「問う」「訪問する」の謙譲語です。「訪問する」の謙譲語として用いた場合、「赴く」の代用として用いることもできるでしょう。

例えば「こちらから赴かせていただきます。」を「こちらから伺います。」にすると簡潔ですっきりした印象になります。言葉から受けるイメージを考えながら、その場面に合わせた言葉を選んで活用すると良いでしょう。

「伺う」で特徴的なのは、「伺う」は行く先の相手に対する謙譲語であり、行く先に敬意を払う相手がいないと使えないというところです。例えば、「散歩に伺う」や「旅行に伺う」は適切な表現ではないので注意が必要です。

参る

「参る」は「行く」の謙譲語として使われています。「伺う」と同じく、「訪問する」の謙譲語として使えますが、「参る」の場合は行く先に敬意を払う相手がいてもいなくても使えることが特徴です。これは、「参る」が話している相手に丁重に伝える謙譲語なのに対して、「伺う」は行く先の相手に対して使う謙譲語であるためです。

先ほどの例に合わせると、「散歩に参る」や「旅行に参る」は正しい表現と言えます。

「赴く」と「趣く」の違い

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初回公開日:2018年05月31日

記載されている内容は2018年05月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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