「悪法も法なり」とはどういう意味?使い方や例文などを紹介
更新日:2024年11月07日
「悪法も法なりってことわざ、どんな意味?」
「法律に関係がある言葉なのかな」
「そもそも、悪法って何」
ソクラテスの言葉が由来とされている「悪法も法なり」は、比較的有名なことわざです。そのため、聞いたことがあるという人は多いでしょうが、詳しく知っている・使いこなせるという人はどのくらいいるのでしょうか。
本記事では、「悪法も法なり」ということわざの意味をはじめ、その語源や例文、類義語、英語表記を紹介しています。様々な視点から紹介するため、この記事を読めば「悪法も法なり」をしっかりと理解できるようになるでしょう。
語彙力を上げたいと考えている人や、より多くの知識を吸収したいと考えている人は、本記事を参考に「悪法も法なり」の正しい使い方を身に付けてください。
「悪法も法なり」とは?
「悪法も法なり」は、「たとえ悪い法律であっても、それが存在する限りは従う必要がある」という意味のことわざです。
読み方は「あくほうもほうなり」です。比較的有名なことわざのため、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかしながら、実際の生活で使われる場面は少なく、法哲学や哲学などの分野で用いられることが多い言葉です。
用法を間違えて使ってしまう人も多いため、以下で解説する意味や使い方をしっかりと理解して、正しく使えるようにしましょう。
ソクラテスの言葉とされる
一般的に、このことわざの語源は、プラトンの「クリトン」という作品におけるソクラテスの言葉と認識されています。
しかし、実際には「クリトン」の中に、このことわざの語源とされる明確な記述はありません。また、ソクラテスは自身の考え方を書物に残したことがなく、私たちに伝わっているソクラテスの考え方は、弟子たちを通して書籍とされたものと言われています。
従って、このことわざの語源がソクラテスの言葉であるという説には、明確な根拠はありません。あくまでも「通説」と考えておきましょう。
「悪法も法なり」の意味
「悪法も法なり」を現代語に直訳すると「悪い方も法律である」となります。
たとえ、その法やルールが理不尽なものや非合理的なものであったとしても、法やルールとして決められているのであれば、従わなければいけないという意味です。
その法やルールの正当性よりも、その法やルールを守ることを重要視するという考え方を表している言葉と言えるでしょう。
「悪法も法なり」の語源
「悪法も法なり」の語源は、ソクラテスの言葉という説が一般的でしょう。
プラトンの著書「クリトン」において、ソクラテスは死刑間近な状況で登場します。「クリトン」では、その状況においてのクリトンとソクラテスの対話が描かれています。
著書の中で、ソクラテスは無実の罪で裁判にかけられ、死刑宣告を受けていました。無実の罪で投獄されたにもかかわらず、ソクラテスは逃げようとはせず、幽閉されることを選びます。
面会者のクリトンはソクラテスに脱獄を提案しますが、ソクラテスはそれに対して反論を述べます。彼は、法を破ることは不正であり、不正は悪であると考え方を持っていました。そのため、その考え方に基づき、法を犯してはいけないと主張しました。
この状況における、ソクラテスの思想・考え方を汲み取って生まれた言葉が、「悪法も法なり」と言われています。
「悪法も法なり」の使い方・例文
「悪法も法なり」は、法やルールの正当性よりも、その法やルールを守ることを重要視する考え方を表している言葉です。
そのため、法やルールが存在している状態で、それらが理不尽や不合理に思われる状況であると知りながら、ルールである以上は守らなければならないという考えを貫くような場合に、このことわざが使われます。
例文を1つ挙げましょう。
- 「何時如何なるときでも制服を着用するという校則には、批判に値する点がいくつかある。しかし、悪法も法なりであるため、生徒は従わざるを得ない。」
この例文では、制服着用の強要という理不尽・非合理的なルールに対し不満を抱きながらも、ルールに従うことを優先する考え方が含まれています。
「悪法も法なり」の類義語
意味、語源、例文に加えて、類義語を知ることは、「悪法も法なり」ということわざを考える際にとても有効な方法でしょう。
類義語を知ることで、大体の意味が分かると同時に意味の比較ができるため、このことわざの意味を理解する一助になります。
また、似た意味のことわざとの比較によって意味の違いを知れば、より深い意味の理解にも繋がるでしょう。
以下で類似表現を2つ紹介するため、ぜひ参考にしてください。
所の法に矢は立たぬ
初回公開日:2022年08月01日
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