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「悪法も法なり」とはどういう意味?使い方や例文などを紹介

更新日:2023年12月13日

「悪法も法なり」ということわざをご存知でしょうか。本記事では、このことわざについて、意味、語源の観点から解説します。また、例文や類義語に加え、英語表現も紹介しているため、より深く「悪法も法なり」が理解できるでしょう。ことわざに興味がある方は、是非ご一読下さい。

このことわざの読み方は「ところのほうにやはたたぬ」です。たとえ不合理に思えても、その土地の習慣や倫理的規範には従うべきだという意味で使われます。

このことわざは、「不合理に思えても従うべきだ」という点において、「悪法も法なり」と意味が似ています。

ただし、「所の法に矢は立たぬ」は、その土地の習慣や倫理的規範といった環境的な制限を用いている点に注意が必要です。

「悪法も法なり」には環境的な制限がありません。この点が「悪法も法なり」と「所の法に矢は立たぬ」の意味の相違点と言えるでしょう。

「所の法に矢は立たぬ」と似た意味のことわざには、「郷に入っては郷に従え(ごうにいってはごうにしたがえ)」というものがあります。併せて覚えておきましょう。

無理も通れば道理になる

このことわざの読み方は「むりもとおればどうりになる」です。非合理的なことでも、強引に押し通せば、正しいこととして罷り通るという意味です。

非合理的なことでも、強引に押し通すことに賛同する考え方を含んでいる点が「悪法も法なり」と似ている点です。

しかし、「悪法も法なり」は非合理的なことでも法やルールであるなら従うことが正しいという考え方を含んでいる一方、「無理も通れば道理になる」は非合理的なことも押し通すことで正しいことのようになるという考え方を含んでいます。

正しさのために行動するのか、行動の結果正しくなるのかという点が「悪法も法なり」と「無理も通れば道理になる」の意味の相違点でしょう。

「悪法も法なり」の英語表現

「悪法も法なり」の類義語のほかに、英語表現も知っておきましょう。

「悪法も法なり」の英語表現を知ることで、さらに別の視点からこのことわざを見ることができます。そうすることで、より明瞭なイメージがつかめるため、このことわざを深く理解できるでしょう。

英語での表現方法を知っておけば、どうしても無理を通す必要があるときなどに、相手に説明することが可能です。

It is what it is.

「It is what it is.」の直訳は、「それは、そうであるものです」という意味になります。
読み方は「イット イズ ワット イット イズ」です。

直訳では意味が通じにくいため、たいていの場合「仕方がない」「そういうものさ」と訳されます。

「悪法も法なり」には、それが法であるが故に従わなくてはいけないという意味が含まれているため、「It is what it is.」で言い換えられます。

他の表現として、「That’s just the way it is.」(そういうものだ・それが現実だ)という表現も併せて覚えておきましょう。

Bad law is also binding.

「Bad law is also binding.」の読み方は「バッド ロウ イズ オールソー バインディング」です。「binding」は、拘束力があるという意味の形容詞です。

このことわざを直訳すると、「悪い法にもまた拘束力があります」となります。

「悪法も法なり」は、「悪い法であっても、法であるからには従うべきだ」という意味のため、「Bad law is also binding.」は、非常に近い意味のことわざとして使えるでしょう。

「悪法も法なり」の意味を知って正しく使おう

本記事では、「悪法も法なり」ということわざについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。

「悪法も法なり」ということわざには、以下のような意味があります。

  • 「ルールに対する理不尽さや非合理さを嘆きつつも、従わざるをえない」
  • 「理不尽であったり非合理的であったりしたとしても従うべきだ」

様々なニュアンスを含むため、このことわざを使用する際には注意が必要でしょう。

まず、理不尽や不合理というのは、主観的な判断によるものではなく、客観的に判断できるものということを念頭においてください。

主観的な判断とは、自分の趣味嗜好によってもたらされる判断ですが、客観的な判断は、明確な根拠理由のもとにされた判断のため、多くの人を説得しやすいものでもあります。

そのため、「自分の好みではないけれど」というニュアンスで「悪法も法なり」と使うのは適切ではありません。

本記事の内容を理解し、自分の言いたいことのニュアンスを考えた上で、正しく使用しましょう。

初回公開日:2022年08月01日

記載されている内容は2022年08月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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