お気をつけての敬語・メールでの例文|出張/行ってらっしゃいませ
更新日:2024年10月19日
危険が無い場合は大げさかもしれない
単なる出張に「ご無事でお帰り下さいますようお祈りしております」「ご無事でお越しくださいますことをお祈りしております」などの表現を使うのは大げさすぎます。
「お気をつけてお越しくださいませ」「お気をつけて行ってらっしゃいませ」も慣用句とはいえ、平常と同じ程度の危険しかないような出張の場合には、少し大げさととらえる方もいるでしょう。
相手がほとんど危険が無いような場所へ行く場合は「行ってらっしゃいませ」に「お帰りをお待ちしております」などの言葉を添えるだけで充分な場合も多いです。
「お気をつけて」と言われたときの返事
「お気をつけていってらっしゃいませ」「お気をつけてお越しくださいませ」「道中どうぞお気をつけて」などの言葉は、無事でいて欲しいという気持ちを表すときの慣用句です。「ありがとう」と言うのがいいです。
「気を付けて」という言葉には「何か悪いことや危ないことが起こらないように気を付けて」というニュアンスがあるので、タイミングによっては「一体何があると言うんだ」という気持ちになる可能性はあります。
しかし、相手はただ安全で居て欲しいという気持ちを伝えるためにこの言葉を使っていると考えられますので「気を付けるは目上の人間に使う言葉じゃない。失礼だ」「何を気を付けろと言うんだ」というような反応をするのは好ましくありません。
こちらを大切におもっていて、無事でいて欲しいという気持ちを伝えてくれているのだと受け取りましょう。
お気をつけての手話
よく使う挨拶は手話も覚えておくといざと言う時に便利です。「お気をつけて」の手話をご紹介します。
両手をグーにして親指だけ立てます。これは指文字の「た」の形です。この形にしたままで両方の手を胸の前で縦一列に並べます。これで「お気をつけて」という手話になります。
お気をつけていらしてくださいは間違っているのか
「いらしてください」は「行く」「来る」「居る」「入る」の尊敬語です。「いらっしゃる」と同じ意味です。「いらっしゃる」「いらっしゃって」では口に出した時に響きが悪い場合があったためか、例外的に「いらして」という形に活用されています。
「行く」「来る」「居る」「入る」というよく使う言葉のすべてを「いらして」「いらっしゃる」で表現しています。このため、「いらして」は改めて考え直した時にふとこの用法は間違いではないのかと感じやすいです。
「田中様がいらしている」「もうすぐ田中様がいらっしゃる」「田中様、お気をつけていらしてください」「12月1日にオフィスまでいらしていただけますか」などの使い方をします。これらはすべて正しい表現です。
「お気をつけて」は皮肉っぽくとられることがある?
「お気をつけておいで下さいませ」や「お気をつけていらしてください」「お気をつけてお帰り下さい」などは相手の無事を願ういう意味合いの慣用句的な表現です。
しかし、「お気をつけて」には何か悪いことが起こらないように気を付けてというニュアンスがつきまとうことと、「気を付けろ」が本来は目上の人に使う言葉ではないため、相手によっては不快にさせてしまうことがあります。
前に同じ道中で事故にあったことがある人や、暴力沙汰になりかねないような喧嘩している相手に対して使った場合は例外的に、「お気をつけて」が皮肉っぽく感じられることもあります。映画や小説などでは皮肉っぽい意味で「お気をつけて」が使われることも多いです。
とはいえ、気にする人はごくまれです。「お気をつけて」という言葉自体は別段問題ありません。前にその相手に使って叱られたというような場合以外は気にする必要はありません。
メールでのお気を付けてを使った例文
「お気をつけて」は相手をこちらに招いた時や相手がどこかへ行くときなどに使います。メールでもよく使う言葉です。
「12月1日にオフィスまでお越しくださいますようお願いいたします。どうぞお気をつけてお越しくださいませ」「明日から出張だとお伺いいたしました。お気をつけて行ってらっしゃいませ」などの使い方をします。
お気をつけてお越しくださいませ
メールで一番よく使うのは「お気をつけてお越しくださいませ」だと考えられます。相手をこちらに招いた時、相手がこちらに来るときなどには「お気をつけてお越しくださいませ」と書き添えると丁寧です。
「12月1日からご一泊で承っております。お気をつけてお越しくださいませ」「お会いできるのを楽しみにしております。お気をつけてお越しくださいませ」「セミナーは11時半からです。どうぞお気をつけてお越しくださいませ」など、いろいろな場面で使えます。
お体にお気をつけて
「お気をつけて」は何処かに行く相手や何処かから来る相手に対して道中の安全を祈るという意味合いでよく使われます。
「お気をつけて」はもっと漠然と「体に気を付けて」というような場合にも使われます。健康でいて欲しいという意味合いで使われることが多いです。
「お会いできてうれしかったです。寒くなってきましたのでどうぞお体にお気をつけて」「お忙しくお過ごしと伺っております。どうぞご無理をなさらないようにお体にお気をつけて」などというように使います。
「お体にお気をつけて」を嫌う人もいる?
「お体にお気をつけて」は、相手の健康を願っていると伝えたい時の慣用句的な表現です。
しかし、「お気をつけて行ってらっしゃいませ」などと同じで、「悪いことが起こらないように」というニュアンスがあること、「注意して」は目上の人に使う言葉ではないこと、などが理由でこの表現を嫌う人がまれにいます。
気になる場合やその相手に「気を付けて」という表現を使って叱られたことがある場合などは「どうぞお元気で」や「お元気な顔が見られて嬉しかったです」「いつもお元気でお過ごしのことと存じます」「また元気な顔を見せて下さい」などの表現を使うようにしましょう。
「お気をつけて」を使いこなそう!
「お気をつけて」は慣用句的に使われることが多いです。「お気をつけていらしてください」「お体にお気をつけて」「道中お気をつけて」「お気をつけて行ってらっしゃいませ」などはよく使われる表現です。
何事もなく無事でいて欲しいから気を付けてと伝えるくらいに相手を大切におもっている、ということを伝えたい時に言い添えます。「お体にお気をつけて」も、慣用句ですがもともとは体を大切にして欲しいと伝えたくなるくらいに、相手を大切におもっているという気持ちを伝えるために使われています。
大切な相手が何処かへ行くときやこちらに来てくれる時には、「帰りを待っている」「来てくれるのを待っている」という言葉と共に心を込めて「お気をつけて」と言い添えましょう。
初回公開日:2017年12月12日
記載されている内容は2017年12月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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