引用時に使う記号・書き方|メール/レポート/論文/掲示板
更新日:2024年07月29日
引用とは
引用というのは「自分が提唱・立証しようとする論に必要な情報を、他人が書いた文章や情報からそのまま内容を抜粋すること」を意味します。この引用は多くの学術論文や書籍などでも利用されており、あるいは会話においても「誰かがこのように言っていました」という語り口でその引用した内容が伝えられる場合が多くあります。
引用では「他人が作成した情報をそのまま利用する」という行動であるため、いわゆる「盗用」の疑いが持たれる場合があり、引用をした際には引用記号として認められる「“”」やカギカッコ、また2字下げなどによって、「他人の文章・情報を利用しています」という旨をはっきり明示する必要が出てきます。
引用と参考の違い
引用と参考とはまったく違うもので、参考というのは「自分が述べようとする内容について、補足する形で他人の情報を知っておくだけの行動」にとどまり、その他人による文章や情報をそのまま利用する(自分の論述に書きこむ)ということはしません。
ただ他人による情報をあらかじめ知っておき、その情報を自分の論展開の1つの要素として扱い、この場合は引用時に使用する記号を明記する必要もありません。
引用文献の書き方
多くの学術論文や研究書類、また学術的な書籍を作成する場合、その論展開や内容に引用史料を挿入した際には、必ず引用文献の記載が必要になります。この引用文献の記載方法の多くは論文や書籍の末尾に記されることが多く、たいていその冒頭で紹介されることはありません。
文章の性質によっては、論述途中でその引用文献の情報が丸カッコやカギカッコで区切られる形で紹介される場合もありますが、そうすることによって読者が読みづらくなることもあるため、できるだけ引用文献は別紙に明記しておくか、その論文・書籍の末尾にて紹介することが一般的になっています。この際にも引用したことを示す記号が使われる場合もあります。
参考文献の書き方
参考文献の明記の仕方も引用文献と同じく、その論文や書籍の末尾おいて明記されます。参考文献の場合も基本的に引用文献の記載方法と同じであるため、文中で記したり、論述の冒頭に記してしまうと、かえって読者が読みづらくなることが多いです。
参考文献は先述のとおり、「他人による情報や論述をそのまま自分の論述に挿入すること」がないため、特に引用時に使用される引用記号が使われることはありません。そのため参考文献の記載は、ただ末尾においてその参考書籍・参考論文の基本情報が示されるだけの形となります。
・著者名『作品タイトル』(出版社名、初版年月日)
・『作品タイトル』(著者名、出版社名、初版年月日)
この2つの書き方が主に採用されており、どちらの書き方でもかまいません。あらかじめどちらかに決められてある場合は、そのルールにしたがって書きましょう。
メールでの引用時に使う記号
電子メール・ビジネスメールをはじめ、メールにおいて誰かとの会話や誰かが言ったこと、あるいは会議の議事録などの記録書から言葉を抜粋する場合には、先述のようにその引用した箇所をカギカッコや「“”」でくくる必要があります。
ただメールの場合は、論文や公式に出版される書籍と違ってプライベートで交わされる場合が多いため、「絶対に引用箇所は引用記号を使ってその事実を示さなければならない」といった固いルールはありません。
引用のときの記号の使い方
誰かの文章や情報を引用した場合に使う引用記号としては、一般的に以下の記号を用いてその旨が伝えられます。
・引用箇所をカギカッコでくくる
・横文字表記の場合は「“”」のカッコで引用箇所をくくる
・丸カッコでくくる
・「<>」のカッコで引用箇所くくる
・2字下げで引用箇所を示す
この5つの記号を用いて引用した事実を示すことが多く、論文や市販する書籍の場合は必ず引用箇所をこのどれかの方法(記号)によって、その引用したことの事実を知らせる必要があります。
レポートでの引用時に使う記号
先述しましたように、レポートで引用箇所を相手に示す場合にも、カギカッコや「“”」のカッコをはじめ、丸カッコや「<>」のカッコ、あるいは2字下げを使ってその引用した事実を示す必要があります。
・この経済的循環の良好を語る際には、「A国の政治的戦略によって経済的利益が莫大に増加した」(天川裕司『巨大国の反乱』○○社、初版:○年○月○日)という一国の経済利益への視点に配慮しなければならない。
・わたしはこの現代社会への評価について、○○○○氏の論じたことを例にあげます。
(2字下げ)かの有名な邪馬台国では、男性はみな狩猟へ駆り立てられ、女性は自分たちの棲家を守っていたことが歴史的事実により判明した。
このように、レポートや論文では丸カッコでくくったり、2字下げをしたりして引用の事実が示されます。
論文での引用時に使う記号
初回公開日:2018年04月18日
記載されている内容は2018年04月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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