役職に「様」や「殿」はつけるべき?社内・社外の使い方
更新日:2024年06月28日
ビジネスメール・宛名の役職名に「様」や「殿」はつける?
敬称とは?
「様」、「殿」は、敬称と呼びますが、敬称とはいったい、何なのでしょうか。敬称とは、敬意を表す相手に対して、用いる言葉であり、大別して二つあります。ひとつ目は、相手の名前の直後に付ける「接尾詞型」であり、二つ目は、言葉そのものに敬意が込められている代名詞型です。
「接尾詞型」敬称
■様(さま)
尊敬する相手に用いられ、文語、口語いずれの場面でも用いられものです。一般的には漢字で表現しますが、「さま」「サマ」との表現をする人もいますが、これらは、親密度は増しますが、敬意度合いはかなり低下するので、相手を充分に選んで用いる注意が必要です。
■殿(どの)
古い時代には、高貴な相手に対して用いたこともあったようですが、現代では、目下の人に対して用いる場合が多いようです。少し前までは、公的機関から個人宛ての郵送物には「殿」との記載があったようですが、最近では「様」に変わってきたようです。また、「殿」は文語でのみ使用され、口語では使用しません。
■御中(おんちゅう)
相手が個人ではなく、企業、企業内の部署、官公庁等の団体の場合に使用します。「中」は、人間の集団という意味があります。
「接続詞型」敬称には、これら以外に、ビジネスではあまり使わない、「さん」、「ちゃん」「氏」等があります。
「代名詞型」敬称
■貴方、貴男、貴女(あなた)
二人称で用いる人代名詞であり、貴方は、相手が男女いずれにも使えて、貴男は相手が男性の場合、貴女は相手が女性の場合に使います。使える相手は、同等もしくは、目下です。目上には使えません。
■貴殿(きでん)、貴兄(きけい)
二人称で用いる人代名詞であり、男性が、同等もしくは、目上の男性に対して用います。
■各位(かくい)
複数の人々への敬称であり、皆様という意味です。従って、「各位殿」「各位様」は、二重敬語となってしまうので、後ろには何も付けません。関係各位は、関係の皆様ということで、目上に対しても充分使えます。
但し、例外もあります、「お客様各位」という表現です。これは、直訳すると「お客様の皆様」ということになり、本来は二重敬語です。しかしながら、何故か、社会的慣習で許されています。どうしても気になる場合は、各位だけにするか、「利用者各位」にしましょう。
役職名に「様」や「殿」は、付けない!
〇〇株式会社 〇〇部長様、或いは、〇〇株式会社 〇〇部長殿という表現を見かけることがあります。これは、前述したように「様」「殿」は、敬称ですので、「役職名」+「敬称」は、完全に二重敬語であり、相手に失礼であり、相手に無作法をさらけだすことになります。
但し、ビジネス世界では、順序を変えれば、「様」や「殿」を正しく表現できます。「役職名」+「名前」+「敬称」として、〇〇株式会社 部長 〇〇様 としましょう。また、「殿」は、前述したように、目下に使うことが多いので、実際の使用は控えることをお勧めします。
「役職名」+「殿」でもOKの場合もある
「名前」+「役職名+「殿」は、二重敬語となり、NGと前述しましたが、「役職名+「殿」は二重敬語とは扱わず、以下のケースのようにOKになる場合があります。しかしながら、各々の会社には、各々の社内ルール等があるので、充分に注意を払う必要はあります。
■ケース1
本社が下部組織の同じ役職名へ一斉に指示文書を送付する場合
各支店 営業課長殿
■ケース2
役職名は解っているが個人名が不明な場合に文書を送付する場合
〇〇株式会社 営業部長殿
社内・社外メールに役職や様はつける?
社内メール
■役職のある上司
どんなに偉い上司であっても、名前の後に「役職」のみが基本であり、役職の後に「様」、「殿」は不要です。
○○部長
□□課の△△です。
○○課長
□□担当の△△です。
■役職のない上司・先輩
基本は、名前の後に「さん」を付けます。但し、社風によっては「様」を付ける場合もあります。「殿」は厳禁です。
〇〇さん
□□担当の△△です。
■同僚・後輩
口語では「さん」を使わず、「君」を使っていても、メールでは「さん」が基本です。更に、口語でも「さん」を使っている方が無難です。何故なら、同僚・後輩が先に役職が付いた際に、違和感なく、元同僚・後輩を役職名で呼んだり、役職名でのメールが送ることができます。
〇〇さん
□□担当の△△です。
社外メール
役職の有無に関わらず、以下のように「様」を付けましょう。もちろん、「殿」は厳禁です。
■役職のある相手
〇〇株式会社
企画営業部
部長 □□□□ 様
■役職のない相手
〇〇株式会社
企画営業部 □□□□ 様
様と殿の違い・使い方
初回公開日:2017年09月14日
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