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習得と修得・取得・会得の違いと使い分け方法|資格/仕事

更新日:2024年03月02日

「修得・習得・取得・会得」など、いろんな「◯得」がありますよね。これらは使い方も似ているために混同されがちで、違いについては気にされないこともありますが、表していることには多少の違いが存在しています。その違いを知り、使い分けられるようにしておきましょう。

「修」は、「にんべん」または「さんづくり」を部首に持つ10画の漢字です。音読みでは「しゅ」や「しゅう」、訓読みでは「おさ(まる)」や「おさ(める)」と読みます。また、訓読みの常用漢字表外読みには「かざ(る)」や「なが(い)」といった読み方もあります。

漢字としての意味は「正しくする・教わる・飾る・直す・行う・書物を編集する・整う・行き届く・長い・優れている」の10つですが、「修得」の「修」には「教わる」の意味が用いられています。「教わる」の意味は、言い方を換えると「学ぶ」や「習う」になります。「修」は、「誰かから教えてもらう」か「何かを見て学ぶ」方法で「習う」ことを表す漢字です。

漢字の成り立ちは「横から見た人の象形+ぼくっという擬声語+右手の象形と水の省略形(洗い清める意)+豊かで艶のある髪の象形」であり、これらで完成する「清めてかざる」の意味を持つ文字から「修」ができあがりました。

「習」は、「はねしろ」または「しろ」を部首に持つ10画の漢字です。音読みでは「しゅう」、訓読みでは「なら(う)」と読みます。また、音読みの常用漢字表外読みには「じゅう」といった読み方もあります。

漢字としての意味は「雛鳥が翼の動かし方や飛び方を習う・繰り返し練習する・学ぶ・慣れる・ならわし・重なる」の6つで、「習得」の「習」には「学ぶ・慣れる」の意味が用いられています。「慣れる」の意味は言い方を換えると「手馴れる」や「熟練する」で、「そのことをできるようになった」ということを表しています。

漢字の成り立ちは、「重なり合う羽の象形+口と息の象形」にあります。それら象形が組み合わさることで完成する意味は「繰り返し口に出して学ぶこと、慣れること」です。そのため「習」は、「学ぶ・慣れる」=「それを繰り返すことで学ぶこと・慣れること」を表す時に使います。

「取」は、「みみ」または「また」を部首に持つ8画の漢字です。音読みでは「しゅ」、訓読みでは「と(る)」と読みます。漢字としての意味は「捕獲した動物の数を数えるために耳を切る・自分のものにする・賛成する・嫁を迎える」の4つで、「取得」の「取」には「自分のものにする」の意味が用いられています。

「自分のものにする」という意味は、言い方を換えると「手に入れる・手にとる・とる」になります。「嫁を迎える」の意味は、この「自分のものにする・手に入れる」の意味から派生したものと考えられており、「嫁を迎える」ことを「めとる」とも言うことにつながります。

漢字の成り立ちは「耳の象形+右手の象形」であり、世界的に戦争があった時代に倒した敵の左耳を首の代わりとして集めたことから「とらえる・とる」を意味する「取」の漢字ができあがったと言われています。

「会」は、「ひとがしら」を部首に持つ6画の漢字です。音読みでは「かい」や「え」、訓読みでは「あ(う)」と読みます。

漢字としての意味は「場所を決めて知人同士が顔を向かい合わせる・偶然に知人同士が顔を向かい合わせる・立ち向かう・ある時期にある物事に巡り合う・夫婦になる・対する・引き合わせる・ある目的のために多くの人が集まること・多くの人が集まる場所・チャンス・適う・考える・悟る・蓋・縫い目・十字路・必ず」など、たくさんあります。

「会得」の「会」には、「悟る」の意味が用いられていると考えられます。この「悟る」の意味は、言い方を換えると「理解する」になります。漢字の成り立ちは「米などを蒸す土器に蓋をした象形+土器と蓋」であり、そこから「上手く合う」ことを表す「会」が生まれたと考えられています。

「修・習・取・会」+「得」の組み合わせと意味

「修得」の意味は「学問や技術などを学んで身につけて自分のものにする」ですので、「修=教わる・得=手に入れる」になります。「誰か・何かから教わることで、知識・技術・資格などを手に入れること」です。

「習得」の意味は「経験を通して習い覚えること」ですので、「習=学ぶ・得=知る」になります。「経験から学んで知ること」です。

「取得」の意味は「自分のものとすること」ですので、「取=手に入れる・得=手に入れる」になります。「取」も「得」も「手に入れる」の意味になるため「それを自分のものにすること」ですが、「得」には「知る」の意味もあるので、「手に入れる」ことには「それを知っている状態」を伴います。

「会得」の意味は「物事をよく理解・習得して自分のものにすること」ですので、「会=悟る(理解する)・得=手に入れる」になります。「それを理解した上で手に入れる」です。

習得と修得の使い分け方法!

使い分け方法を、用例を通してお伝えします。

資格

「資格を〇〇する」であれば「資格を自分のものにする」という表現になるため、「取得」を使います。「学問や技術などの勉強をして」の意味を含めての「資格を自分のものにする」であれば、「修得」も使えます。「資格」は「経験から学ぶ」ものではなく、「人や教材から教わる」ことなので「習得」は適しません。

「修得」と「取得」の違いは、表現する意味の主体となるものにあります。「取得」は「手に入れたこと」であり、「修得」は「学んで」の要素を含みます。「取得」は「それを手に入れたこと」が意味の主体であり、「自分の今の状態」を表します。「修得」は「学ぶことでそれを手に入れる」を表す言葉として、「学ばないと得られない・得るために学ぶ」ことが意味の主体となっています。

仕事

「仕事」に関しては、「職業講座で基礎を〇〇する」や「仕事のやり方を〇〇する」といった形で表現されます。この場合は、「習得」が用いられます。「仕事」は実際に経験することで、どのようなものなのか・どのように行えば良いのかなどを学び得ることができます。そのことから、「経験を通して習い得ること」を意味する「習得」を使います。

技術

「技術」には、「習得」を使うことが基本です。「修得」の意味には「学問や技術」とあるため、場合によっては「修得」を使いますが、技術は経験を通して学ぶこととして「習得」を使うことが多いとされます。「技術習得・語学の習得・免許習得・ライセンスを習得」など、語学や免許、ライセンスに関しても「習得」を使います。

しかしながら、自動車教習所などでは「修得」も見かけます。また、「医療技術」でも「修得」が多いです。医療技術は「専門の学校で身につける技術」として、「教わって知る」イメージがあることから「修得」を使うことが多いのですが、現医師が新しい技術を身につける場合は「習得」を使うことが多いとされます。

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初回公開日:2018年04月09日

記載されている内容は2018年04月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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