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卸における掛け率とは・計算方法・商品別の掛け率の相場

更新日:2024年09月10日

この記事では、掛け率について詳しく解説しています。掛け率は日常生活ではまず耳にする機会の無い言葉ではないでしょうか。この記事では、実際の卸し現場での仕入れで使われる掛け率の話やその計算式、また掛け率交渉についても解説しています。

卸が使う掛け率とは

卸(おろし)とは一般的に卸売業者若しくは、卸問屋(おろしどんや)の事を指します。商品をメーカーから仕入れ、小売店(食品等を扱うスーパー等)に販売することを生業としています。卸売業者が、小売店に商品を卸す(販売する)時に、卸売価格に対して掛け率を小売店との交渉の中で決定します。

そして、最終的に決定した価格を卸値といいます。また、小売店の立場からは、卸値は仕入れ値となります。卸値は、小売店が商品を仕入れる時期や、数量、卸業者の在庫状況等様々な要因で変動します。

日常生活で消費者は、小売店から購入するだけなので、掛け率とは無縁です。この記事では、余りなじみのない掛け率について、理解を深めて行きましょう。

掛け率の計算方法を理解する

卸業者のあなたは、メーカーより希望小売価格10000円の椅子を掛け率5.5の5500円という卸値で仕入れました。計算式にすると、10000×0.55=5500円です。

その後、付き合いのある家具屋さんに商品である椅子を卸します。交渉の末、掛け率7.0で交渉が成立しました。このときの家具屋さんに対する卸値は、10000×0.7=7000円となります。そのため、あなたの利益は、7000-5500=1500円となり、1500/5500=0.3=30%の利益率となります。

家具屋さんは、メーカー希望価格である、10000円から仕入れ値である4200円の間で価格設定をして消費者に対して販売します。もし仮に、家具屋さんが8000円で販売した場合は、利益は8000-7000=1000円となり、1000円の利益は、1000/7000=0.14=14%となり、利益率は14%となります。

いかがでしょうか。掛け率の計算方法は複雑ではないので、ここで覚えてしまいましょう。

掛け率の計算式

先ほどの掛け率の計算式を一度整理します。

・卸値=掛け率×仕入れ値
掛け率を6.0とするなら(6掛け)、0.6を掛ければよいです。(卸値)6000円=(掛け率)0.60×(仕入れ値)10000円となります。

更に、掛け率から導かれた卸値で販売後の利益率を算出したい場合は、
・利益率=利益/卸値×100
となります。

掛け率の相場とは

掛け率は仕入れの際に、その割合分安く仕入れる取り決めでありました。その掛け率の相場ははっきりした相場はありません。なぜなら、マーケットは常に流動していて、需要と供給のバランスにより変動し続けているからです。

商品を仕入れる時期で変動しますし、野菜であれば不作であれば高くなります。また、仕入れる数量により掛け率は変動します。大手ディスカウントストアでは、多くの数量を一度に仕入れる代わりに掛け率を低く設定します。

メーカーからの仕入れについて

国内で商品を仕入れる場合、小売店はどこから仕入れているのでしょうか。考えられるのは、

1.メーカー
2.商社
3.卸問屋

以上の3通りの仕入れ先が考えられます。メーカーは販売は基本的にしません。商品を作ることに専念しています。あなたの身の回りにも、ソニー製品やパナソニック製品があるかもしれません。そういった商品は、メーカーは卸問屋に先ほどの掛け率を掛けた価格で販売します。

しかし、インターネットが発達した現代のネット社会ではその形式が崩れ、メーカーから消費者へダイレクトに直売する流れが生まれてきています。こういった流通スタイルを業界用語で中抜きといいます。

卸価格と小売価格について

卸価格とは、メーカーが卸問屋へ販売する価格の事を指します。小売価格とは小売店が消費者へ販売する価格の事を指します。普通小売店は消費者に卸価格を言ったりしませんし、伝える必要もありません。あくまでメーカーと卸問屋の間での価格設定になります。

卸価格は卸問屋(卸問屋を通さない場合は小売店)が大量に商品を仕入れる見返りに、メーカーが定価に掛け率を掛けて安く販売します。そのため、消費者が購入する価格が最も高値になるはずです。なぜなら、仕入れた価格よりも安く売ってしまっては、利益がでないからです。

しかし、普段消費者がお店(小売店)で見かける価格やネットショップの価格は、メーカー希望小売価格より明らかに安い価格が付けられているのを見たことがあるかもしれません。

これは、ネットショップの場合特に顕著です。実店舗を持つ小売店は人件費や家賃などどうしても固定費の面でネットショップに負けてしまうため、実店舗で高く、ネットショップで安くといった価格差が開く傾向にあります。

ワンストップでユーザーへ

エンドユーザーである消費者の手元に商品が到達するまで、これまではメーカー>商社や卸問屋>消費者でありましたが、現在はネットを活用してメーカーから直売する流れが活発になっていることに少しふれました。

これ以外にも、SPA(製造小売業)という企業の存在があります。これは、近年急成長をしている分野で、大手ではファストリテイリング(ユニクロ)が有名でしょうか。他にもiphoneのアップルも自社でアップルストアを持っておりSPAですね。

自社で製造から(実際は製造を下請けに出しています)、販売までを行うことで中抜きを行い、利益率を高くすることができるビジネスモデルです。これならメーカーは、卸問屋に対する掛け率を気にする必要もありません。

製造から販売までとなると、カバーする領域がとても広くなるため通常は難しいビジネスモデルです。しかし、インターネットを使えば個人でも容易に実現できてしまいます。

掛け率の交渉の仕方

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初回公開日:2017年09月11日

記載されている内容は2017年09月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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