「捺印」の意味とは?「押印」との違い・使い分け・法的効力を解説
更新日:2024年08月31日
「「捺印」ってなに?」
「「捺印」と「押印」の違いを知りたい」
「「捺印」や「押印」に法的効力はあるの?」
社会人であれば、ことあるごとに「捺印してください」や「押印してください」と言われるのに、なんとなく出された書類やシチュエーションで判断して印鑑を押しているという人が実は多いのではないでしょうか。
本記事では、「捺印」の意味を紹介したのち、「押印」との違いや、二つの使い分けや、法的効力がどう違うかなどを紹介していきます。
この記事を読めば、「捺印」と「押印」を違いを知れて、正しく使い分けられるようになるでしょう。捺印する機会は、社会人にとっては日常的にあるもので、契約するという大事な場面で使われる言葉なので、誤解のないように覚えましょう。
「捺印」とは?
「捺印」とは、「署名捺印」が省略された言葉です。したがって、「捺印」とは「直筆の署名をした後に押印する」という場合に使用します。
署名とは、手書きの本人直筆のサインです。本人が書いたものだけが有効で、基本的に代筆は認められません。
「捺印」と「押印」の違い
基本的に「捺印」は、「署名と共に印鑑を押すこと」でしたが、「押印」は「印鑑を押すこと」で署名の必要がありません。
「捺印」は、「署名捺印」の略であり、「押印」は「記名押印」の略です。
「捺印」の正しい場所
「捺印」は「署名と共に印鑑を押すこと」でした。印を押す場所については、指定のある書類でなければ、印鑑証明が必要な書類と、必要でない書類で押す場所が違うので注意が必要です。
では次に、印鑑証明が必要な書類と、印鑑証明が必要でない書類での印鑑の押す場所について紹介していきます。
印鑑証明が必要な書類の場合
印鑑証明書が必要な書類とは、ローンを組む際などの重要な契約書です。この場合、印鑑は実印を用います。そして、この実印が本物であることを証明するための印鑑証明書も併せて提出します。
印鑑証明書が必要な書類の場合は、印鑑を押す場所は署名や他の字と重なってはいけません。なぜなら、重なってしまうと、押印した実印が本物の印鑑であるという証明が困難になるからです。
一般的に印を押す場所は、署名の右隣ですが、書類に印をする場所の指定があれば、それに従いましょう。
印鑑証明が不要な書類の場合
印鑑証明書が必要ない書類の場合には、署名に少し重なるようにして押印するのが望ましい形です。なぜなら、署名に重なるように印を押した場合、重なった部分の偽造や複製は難しいので、セキュリティのレベルが上がるからです。
印影についても、必ずしもはっきりである必要はなく、細かな押しムラなどがあるほうが、やはり複製されにくくなります。
ただし、書類に印を押す場所について指定のある場合は、それに従いましょう。
「捺印」や「押印」に法的効力はある?
押印の有無によって法的効力の差はあるのかというと、実のところありません。法律的にも捺印・押印がなくても契約は成立するのです。
しかし、法的効力がなくとも、捺印や押印があれば「本人が承諾した契約」であることが証明されます。
つまり、捺印・押印はなくとも契約の効力に影響は生じませんが、書類の偽造などが無かったかを示す証拠能力を認められているということです。
記名と署名の違いとは?
記名と署名の違いですが、こちらは名前を書くのが誰かで変わります。
「署名」は、自署とも呼ばれ、自分で自分の名前を書くことです。「署名」は筆跡鑑定で契約者が本人かどうかを判断できます。
これに対して、「記名」は、本人以外がその人の名前を書いたり、その他、ゴム印や印刷されたものなど、第三者が書いた本人の名前のことを指します。
「記名」の場合は本人でなくとも作成できるので、書類の重要度が高い場合は、署名を求められることが多いでしょう。
初回公開日:2018年04月15日
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