ダブルスタンダードのわかりやすい例|スポーツ/政治
更新日:2024年11月09日
スポーツにはルールがあります。これはその競技をする人にみな等しく適用されるものです。そしてスポーツではこのルールをめぐって、よくダブルスタンダードではないか、ということが問題になります。
サッカーにおける例を見てみましょう。サッカーではペナルティエリア(以下PA)の中で守備のチームがファウルを犯すと相手チームにペナルティキック(以下PK)が与えられます。PKは得点の大きなチャンスです。そこでどのチームもPA内でのプレーには注意を払います。
例えば守備のチームがPA内に侵入してきた相手チームの選手を引っ張って倒したとします。審判は相手チームにPKを与えます。これはルールどおりで当然のことです。しかし同じように自チームの選手が相手チームのPA内で同じように引っ張られて倒されたのにPKを与えられなかったらどうでしょうか。
審判の判断基準がダブルスタンダードであるとして議論を巻き起こすでしょう。
野球の場合の例を見てみましょう。コントロールに定評がある投手がいたとします。ある試合でこの投手が際どいコースに投げた場合に審判は全部ストライクを宣告していました。しかし相手チームの投手がまったく同じようなコースに投げた際にはすべてボールと判定しました。
この例におけるダブルスタンダードは「コントロールに定評のある投手」という先入観が生んだものです。本来であれば審判の中にルールに基づいた公正な判定基準があるはずです。しかしこの先入観のために判定基準がブレてしまいました。
スポーツの祭典であるオリンピック。そこに出場することは選手にとって何物にも代えがたい栄誉です。出場選手は一定の基準の元に先行されますが、そこで選ばれた選手とその理由をめぐってダブルスタンダードではないか、としばしば問題になります。
例えば代表選考会で基準のタイムをクリアした選手が落選し、クリアしていない選手が選ばれたら多くの人は選考基準の意味がないと感じるでしょう。勝ち負けがはっきりとわかるスポーツでのダブルスタンダードは競技の発展を奪うことにもなってしまいます。
「二枚舌」「二律背反」との違い
ダブルスタンダードに近いニュアンスの言葉に、「二枚舌」「二律背反」がありますが、意味が若干異なります。
ダブルスタンダードは、今まで述べた通り異なる2つの規範や基準が併存していると意味ですが、「二枚舌」は相手に対して矛盾したこと、嘘を言うことで、「二律背反」は、互いに矛盾する命題が、同じように妥当性を持っていることになります。
ダブルスタンダードの類義語
ダブルスタンダードの類義語には、「朝令暮改」「二重規範」「二重基準」「二枚舌」などがありますが、「二重規範」「二枚舌」は前出で説明した通りです。
「朝令暮改」は、朝に出した命令を夕方には変更するため、当てにならないものの例えになります。また「二重基準」は、言葉通り二重の基準ですが、特に男性と女性とで同じことをしても評価が異なることを指します。
ダブルスタンダードの対義語
ダブルスタンダードの対義語には、「首尾一貫」「インテグリティ」などがあります。「首尾一貫」は、始めから終わりまで、一つの方針や態度を貫かれていることで、意見や主張に矛盾がないことを表します。
また「インテグリティ」は英単語で、「高潔な」「誠実な」「真摯な」という意味があり、誉め言葉としてよく使用されます。
ダブルスタンダードの使用例を理解して適切な場面で使おう
ダブルスタンダードな発言をしていると他人からの信用を失ってしまいます。人からの信用をなくすことほど人生においてダメージの大きなものはなりません。できるだけダブルスタンダードをしないように注意する必要があります。
公平公正な視点を保つには、対象に対してあまりのめり込み過ぎず常に客観的な視点を持つように日頃から訓練する必要があります。ダブルスタンダードは感情的に判断することで起こります。そこで感情を排して冷静に判断する第3者目線を養いましょう。
初回公開日:2017年12月12日
記載されている内容は2017年12月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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