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統計の再現性・再現性がある実験をする方法|繰り返し性

更新日:2024年11月15日

近年ではSTAP細胞の問題もあり、研究リテラシーが厳しく問われる時代になりました。その中には研究や実験の再現性というものがあり、これは実験データの正しさを証明する指標でもあります。こちらでは、研究における再現性について紹介していきましょう。

再現性のある実験や検査を行うためには、論文や手順書に書いてある方法をだれが読んだとしても、結果が得られることが第一に求められます。そのため、再現性のある実験を作り上げるためには、しっかりと実験の内容を論文の方法に記述する必要があります。

また、方法をしっかり記述するうえでは、実験の条件や試薬の量、環境の条件などといったことに重点を置くことが求められます。また実験の方法の中でも、個人の技量が問われる手技の部分については、検者のカンやテクニックなど必要ない手技が求められます。

STAP細胞の問題

かつて大きな物議を醸したSTAP細胞問題では、STAP細胞を生成する方法の部分で問題になりました。STAP細胞のような細胞に関する研究では、自分の考案した方法を追試という形で、他の研究者に行ってもらうことが必要になります。

STAP細胞の大きな問題としては、STAP細胞の培養が成功したという研究者の方法を、他の研究者が同じ方法で再現しようとしても成功することができなかった点が挙げられます。この問題では、本人が複数回成功していると会見し、生成にはコツがあると発言をしたことにあります。

コツと呼ばれる部分を自分の論文で文章化を行うことができない場合には、その試験や実験到底再現性のある検査であるとはいえないでしょう。

MUSE細胞について

これは「ミュース細胞」と呼び、東北大学のグループが発見した幹細胞の一つです。この細胞は元々偶然から発見されたといわれる細胞ですが、現在では採取の方法がある程度確立されていることから、STAP細胞と比べるとその信頼性は雲泥の差であるといえるでしょう。

この細胞の優れた点としては、人の遺伝子や受精卵に操作を加えなくても、採取することができる点にあります。そのため、採取に当たっての倫理的な問題をクリアすることが可能になるので、研究や臨床応用しやすいといえるでしょう。

再現性と繰り返し性の違いについて

再現性と繰り返し性はよく似た言葉でありますが、基本的には同じ意味を指しているといえるでしょう。しかしながら、どちらも似たような意味があるといっても、そのニュアンスは少し異なるといえるでしょう。

例えば再現性という単語には、検者間信頼性の要素が多く含まれた意味合いになります。一方で繰り返し性は、どちらかというと検者内信頼性の要素が大きく含まれているでしょう。

そのためこれらの単語を使う場合には、それぞれの意味を確認し、本当にその意味が文章中にマッチするのかを見極める必要があります。

再現性の評価方法

再現性については、統計学的手法を用いて評価を行うことが可能であるといわれています。再現性の評価を行うことは、その検査や実験の方法論を一般化する上でも必要不可欠になります。特に、世紀的な大発見であればあるほど、実験方法や研究結果の再現性を確認することは重要であるといえるでしょう。

信頼性を評価する方法としてメジャーかつ簡単な手法として挙げられるのは、相関係数を用いて行う方法があります。この方法は、二つの変数間の関係性などを検討する上一般的に使われる評価方法ではありますが、複数人の評価結果間の関係性を表すときにも用いることが可能です。

級内相関係数

再現性の評価方法には他にも、級内相関係数を求める方法があります。この方法は、検者間信頼性と検者内信頼性のどちらも評価することができる指標になります。この方法の計算については、専門ソフトを用いる場合と、エクセルを使った方法があります。

再現性のないデメリット

再現性のない研究は、基本的に高い評価はされないといっても良いでしょう。したがって、その点が再現性のないことによる最大のデメリットです。そのため、多くの研究では予備実験などを行うことによって、あらかじめ実験や研究、試験について信頼できるデータが取れるかについては常に検討します。

予備実験の重要性

再現性を保つ上では、予備実験が非常に重要になります。予備実験を行うことによって本当に実験が再現できるのか、またその実験結果が研究で知りたい内容に対して妥当であるかを見分けることができます。

そのため多くの研究デザインでは、予備実験を行うことによって本実験を行う際に予想される問題点について解決するというプロセスを踏む場合が多いです。

良い研究は再現性も良い

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初回公開日:2018年04月16日

記載されている内容は2018年04月16日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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